VIDEO魅力を紐解く動画
紙布を使用した、ディテール感を感じられる「SHIF CEILING LIGHT(シフシーリングライト)」。可変式のソケットなので、さまざまな天井機器に対応できます。 おすすめポイントを動画でご覧ください。
FEATUREおすすめポイント
リビングには、シーリングライトを。
ダイニングには、ペンダントライトを。
天井照明には、「シーリングライト」と、「ペンダントライト」の2種類あるのをご存じでしょうか。
シーリングライトとは、天井に張り付くように設置する照明のことです。英語で「天井 = シーリング」ですので、そのままの意味ですね。部屋全体を均等に明るくすることができ、リビングルームや寝室、キッチンなど、幅広い場所で使用されています。
代表的なシーリングライトは「フラットタイプ」が圧倒的に多く、このタイプがリビングに付いているご自宅も多いのではないでしょうか。
そのほかのタイプとしては、リセノでも取り扱いのある「スポットライトタイプ」や、「ボールタイプ」などがあります。
どのシーリングライトも、見てわかるとおり、基本的に天井に近い位置にくるように設計されています。
リビングの照明の下は、人が歩く導線と一緒になっているため、ペンダントライトだと、頭をぶつけてしまうため、ぶつけないように天井に近い位置に照明を付けるという理由からです。
一方、ダイニングには、ペンダントライトを付けます。
「ペンダント = ぶら下がっている」が語源で、コードなどで目線の高さくらいまで吊り下げられているのが「ペンダントライト」です。
ペンダントライトは、ダイニングテーブルの真上に吊るしますので、歩く導線とは切り離されています。
つまりは、頭をぶつける心配がないので、ダイニングには、ペンダントを吊るすことができます。
このような理由から、
リビングには、シーリングライトを。
ダイニングには、ペンダントライトを。
というのが、天井照明の基本です。
「ペンダントライト」に比べて、
選択肢が少ない「シーリングライト」
シーリングライトとペンダントライトの見た目と、設置場所の違いをご理解いただけたと思います。
それぞれのライトは、設置される高さゆえに
シーリングライト = 天井に近く、あまり目にしない = 種類やデザインが少ない
ペンダントライト = 目線にあるため、よく目にする = 種類やデザインが豊富
という現状があります。
北欧の著名な照明ブランドである「ルイスポールセン」や「フリッツ・ハンセン」「アルテック」「マジス」なども、揃ってシーリングライトを取り扱っていません。
これには、さまざまな理由が考えられますが、天井からの灯りよりも、フロアやテーブルの灯りを優先する文化の違いや、天井高に起因する住宅事情の違いが大きいのかなと思います。
日本は、格別に天井からの灯りを重視する文化です。「日本と異なり、照明に長けた文化をもつ北欧の照明ブランド」でさえ、シーリングライトはデザインしておらず、選択肢が非常に少ないという事実です。
必然的に「シーリングライト」に不朽の名作はなく、暮らしで目にすることも限定的なので、ペンダントライトに比べて、インテリアの中でおざなりにされがちなのです。
せっかく家具やインテリアにこだわってお部屋作りを楽しんでいるのに、リビングの照明がイマイチ気に入るものがないのって、悲しいんですよね。
シーリングライトのデザインを考えるうえで、
実はもう1点、大きな問題が隠れています。
シーリングライトのデザインを考えるうえで、実はもう1点、大きな問題が隠れています。
それは「天井器具」の問題です。
照明を付ける「天井器具」には、複数のタイプがあります。
どの天井器具であっても、照明側についているプラグを天井器具に「カチッ」と付けることで通電しますので、基本的な機能はどれも一緒です。
天井器具にさまざまな形状があるのは、おそらく専用規格がなく、住設メーカーがそれぞれに作ってきたからだと推測できます。
この「色々ある」のが、シーリングライトのデザイン設計において、とてもやっかいなのです。
様々なサイズの天井器具に対してシーリングライトを付ける時に、ボール型ライトのようにソケットカバーにデザイン性を持たせるにあたって、このバラバラした天井器具がアダとなり、なかなか製品化しづらく、ソケットカバーが足りなかったり、フックを隠し切れなかったり、そもそも付けることさえ出来なかったりもします。
ちなみに、リセノの販売製品含めて、世の中に販売されているボールタイプのシーリングライトは「ローゼットタイプ」に対応しているものはありません。
さまざまなタイプの天井器具に合う様にするためには、ボールタイプは形状デザインだととても難しく、引っ越しまで視野に入れると、購入に躊躇してしまいます。
なので、「なんとかボールタイプをリビングに入れられる様にしたい。しかも、いろんな天井器具で使える様な仕様で作りたい。」こう考えたのが、オリジナルのシーリングライトを作ろうと思ったきっかけです。
ボール型を、様々な天井器具にフィットさせたい。
コンセプト設計は、決まりました。
さて、求めるシーリングライトの要件が、固まってきました。
まとめると、すべての天井器具にフィットしなくてはいけないシーリングライトとして、デザインの良いものをといった感じです。
それぞれに工夫を凝らしましたので、順を追って紐解いていきたいと思います。
様々な天井器具に、対応を。
高さが可変する「専用ソケット」を作りました。
シーリングライトとして、ボール型が素敵だという方向性は、決まりました。
ただし、それを実現するためには、最大の難関である「天井器具の形状に合わせて、ソケットカバーのサイズがさまざま必要」の解決です。
すべての天井器具に対応させるための問題は2つ。
1つ目は、真鍮部分がスリムなので、フック(耳)付きローゼットの場合、フックがはみ出してしまうという「直径」の問題。
2つ目は、真鍮部分の高さが固定なので、天井器具の高さが変わった場合に、天井と真鍮の間に、隙間が出来てしまうという「高さ」の問題。
この2つです。
「高さ」と「直径」の2つの問題をクリアした点について、ひとつずつ紐解いていきます。
問題1:直径問題の解決
直径に関しての問題は、複雑ではありません。
フック(耳)のついた天井器具が最大直径ですので、ソケットカバーの直径を、それ以上にしておけばOKです。
ただ、そのまま太くしてしまうと、かなりぼってりとした印象になってしまいます。
そのため、デザインとして「くびれ」を付けることでスリムな印象を与えました。
これにより、スタイリッシュな印象を保ちながらも、フック(耳)の付いている天井器具にも、対応できるようになりました。
問題2:高さ問題の解決
最難関の「高さ」の問題です。
通常の天井器具は、数ミリ単位で高さがバラバラ。埋込ローゼットにいたっては、数センチ単位で、高さが異なります。
天井器具自体の高さが、物件によって変わるので、低いソケットカバーじゃないと設置自体ができなかったり、逆に低いソケットカバーを標準にすると、天井との間に隙間ができてしまったりします。
これらの高さの異なる天井器具に対応できるような工夫をしなくてはいけません。
これには、照明メーカーさんとともに、何度も試作を重ね、解決策を見出すのに、非常に時間がかかりました。期間にして、約1年半。試作バージョンは、10回を超えました。
長い期間をかけて、見出した結論は「ソケット部分に可変の仕組みを取り入れる」という方法でした。
この「高さ可変ソケット」を作ったことで、天井器具の高さが異なる問題にも対応が可能になりました。
天井器具の高さがあるときには、こんな風にソケットの位置を低めに設定すれば、ぴったりと天井に付きます。
天井器具の高さが低い時には、こんな風にソケットの位置を高めに設定すれば、ぴったりと天井に付きます。
また、古い物件で使われている旧タイプの天井器具の場合は「数ミリ単位の高さが新しい天井器具と異なる」という問題が発生します。
これにも頭を悩ませましたが、最終的には、専用の「ゴム製スペーサー」なるものを作りました。
1mmタイプと、5mmタイプの2種類です。
この「ゴム製スペーサー」と「高さ可変ソケット」を組み合わせて使うことによって、どんな高さの天井器具にでも、フィットするようになったのです。
「紙布(しふ)」を使ったデザインで、
シーリングライトに味わいを。
最後に意匠性を高めたポイントです。
今回、シーリングライトのソケットカバーには「紙布(しふ)」という素材を採用しました。
紙布とは、機械抄きの和紙に、水分をなじませ、薄くねじり、撚(よ)ったものです。
国内の専門工場にて作られる紙布(しふ)は、伝統的な素材である和紙の風合いはそのままに、独自の技術を加える事で、まるでラタンや網代のような自然素材の風合いを表現しています。
この紙布(しふ)を、ソケットカバーになるように整形し、裏紙を選定しました。
これにより、電気を消しているときには「工芸品」のような味わいのあるソケットカバーとなり、また、灯りをつけているときには、紙布(しふ)の網目から光がこぼれるように光るようにデザインしました。
リセノが提唱している「ナチュラルヴィンテージ」のスタイリングには「ディテールアイテム」と総称する味わいのあるアイテムを、インテリア内に散りばめるという手法があります。
真鍮のソケットカバーも素敵なのですが、今回は、さらに味わいを高めるために、よりディテール感の強い素材を配することで、味わいのある照明に仕上げることにしました。
白い天井に、ディテール感を感じる素材があるだけでダイニングから見たときの、美しさがあります。
普段は意識してみない場所ではありますが、そこにまで気を配っているところが、素敵かなと思っています。
職人の手で作る「手吹きガラス」により、
軽量なガラスシェードを作りました。
また、ガラスのシェード部分も専用に開発し、軽量化を図るために「機械式」ではなく、職人の手による「マウスブロー」方式で、1つずつ成型しています。
通常の機械吹きで生成すると、全体的に均一な厚みのガラスシェードができるのですが、今回は厚みのある部分と、薄い部分を作ることで、全体的に強度と軽さを両方実現しています。
とにかく手間のかかって出来上がった製品です。
このシーリングライトによって、リビングが柔らかな光で照らされて、よりリラックスできる空間になることを願っています。
ちなみに、この考えの根本として、リセノでは、多灯照明でお部屋を照らすことを推奨しています。
落ち着きのある照明計画は、仕事や学校、家事終わりにほっと一息つきたい夜を、ぐっと快適なものに変えてくれます。
ぜひとも、自宅を素敵なバーような、週末のキャンプのような、ゆったりとリラックスできる空間にする為のアイテムとして取り入れてもらえればと思います。
リビングと和室にこちらの照明を選びました。
ソファーも一緒に購入したのですが、3Dコーディネートをお願いし部屋のバランスを見ながらお勧めいただきました。
和室にも、洋室にも合う万能な照明です。コロンとしたフォルムがなんとも言えず可愛くて気に入っています。