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センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「アクセントカラー」の取り入れ方

「アクセントカラー」とは?

配色_r1_c3.jpg

アクセントカラーは、文字通り「お部屋のアクセント」
になる「カラー」のことです。

「アクセント = 強調」という意味がありますので、
お部屋の中に「印象に残る色」を加えるということで、
分かりやすく言うと「スパイス」のような役割。

お寿司のわさびや、うどんの七味のように、ちょっと
だけあることで、十分に強いアクセントになりますの
で、ほんの少しの「5%」だけで良いのが特徴です。

7_色の配分-4.jpg

「配色のセオリー」の記事でもご紹介しましたが、

お部屋の「メインカラー/ベースカラー」に対して、
アクセントカラーは、雑貨やクッションなどに「5%」
ほどの割合が、最適です。

sensecolor17.jpg

少し入れるだけで、お部屋に彩りを加えてくれます。

お部屋に「彩りを与えてくれるカラー」と認識してい
ただくと、アクセントカラーは理解しやすいと思います。

「トーン」を理解して、アクセントカラーを決める。

accentcolor19.jpg

さて、アクセントカラーについて具体的に解説してい
く前に、まずは「トーン」について触れておきましょう。

ここをしっかり理解しておいてもらうと、アクセント
カラー選びに失敗して、お部屋の中で色が浮いてしま
ったり、バランスが悪くなることを防げます。

accentcolor17.jpg

色には「トーン」と呼ばれる

  • 明度(明るさ) = 上図の縦軸
  • 彩度(鮮やかさ)= 上図の横軸

という概念があります。

上の図表は「トーン図」と呼ばれるもので

明度 = 上に行くほど明るく、下に行くほど暗い
彩度 = 右に行くほど鮮やか、左に行くほど色褪せる
       ||
明度 × 彩度の掛け合わせ = トーン

をグループごとに分かりやすくしたものです。

つまり、

色のトーンとは、明るさと鮮やかさの組み合わせのこと

ということを理解いただけると思います。

accentcolor18.jpg

また、赤、青、黄といったことの識別に使う「色」は、
正式には「色名(いろめい、しきめい)」と呼び、ト
ーンとは異なります。

つまりは、

一般的に使われる色という表現 = 色名 × トーン(明度×彩度)

という掛け合わせたものというわけですね。

一般社会では、ここまで「色」についてシビアに表現
を使い分けることはありませんが、デザインや、服な
どを勉強された方や、仕事にされている方は「色」と
いう表現を、きちんと使い分けています。

インテリアにおいても「トーン」という表現はよく
出てくる用語で、いままでよく分からずになんとなく
使っていたという方も、この機会に理解できましたね。

ちなみに、より分かりやすい例として解説を追加して
おくと、

accentcolor14.jpg

たとえば、同じ「青」であっても、

  • 明るい青(明度が高い青)
  • 暗い青(明度が低い青)
  • 鮮やかな青(彩度が高い青)
  • 色褪せた青(彩度が低い青)

といった具合にさまざまな「青」があり、トーンが揃
うと、統一感がでやすくなります。

「お部屋の中で、トーンを統一しましょう。」

という言葉が出てきたら、

「明るさと、彩度を統一するということだな!」

と理解すれば良いわけです。

「トーン」をインテリアに使った事例

さて、トーンに関して理解が少しずつ深まってきたと
ころで、実際にインテリアに「トーン」を当てはめる
とどういった効果があるのかを見ていきましょう。

「明るく、彩度が高い」トーンのお部屋は、元気な印象に。

sensecolor18.jpg
明るいトーンは、明るく若々しい印象に。

たとえば、この写真では主に「明るく、鮮やかな青」
が使われています。

明るいトーンで作るお部屋は、元気が良く、活発な
イメージを与えてくれます。

accentcolor10.jpg

トーン表でいうところの

  • ビビット
  • ブライト
  • ストロング

のあたりが、それにあたります。

若々しい印象を受ける一方で、すこし騒がしい印象を
受けるので、リラックス感を求める方にとっては、す
こし強い色使いだと感じるでしょう。

「明るく、彩度が低い」トーンのお部屋は、優しい印象に。

accentcolor13.jpg 淡いトーンは、やさしい印象に。

明るさはあるけれど、鮮やかさ(彩度)は低いカラー
は、ペールトーン、パステルカラーなどと一般的に言
われるトーン群です。

さきほどの「強く、明るいトーン」と異なり、淡く、
やさしい印象を感じさせます。

accentcolor12.jpg

トーン表でいうところの

  • ペール
  • ライト
  • ソフト
  • ライトグレイッシュ

のあたりが、それにあたります。

柔らかな色合いですので、お部屋に上質な雰囲気を与
えつつ、明るさもあるトーンです。

「暗く、彩度が低い」トーンのお部屋は、落ち着いた印象に。

accentcolor6.jpg
同じカラーでも、トーンが暗いと落ち着きを感じます。

一方こちらは「暗く、鮮やかではないブルー」が特徴
的な画像です。

この色の青は「ネイビー」と呼ばれ、暗めのトーンで
つくるお部屋は、全体的に落ち着いた印象を与えてく
れます。

accentcolor11.jpg

トーン表でいうところの

  • ダル
  • ダーク
  • グレイッシュ
  • ダークグレイッシュ

のあたりが、それにあたります。

自宅は心と体をゆっくり休める場所ですから、刺激的
な明るさや鮮やかさを減らし、前述の2つのトーンより
も、さらに落ち着きを感じさせるお部屋になります。

トーンは、混ぜるな危険

accentcolor25.jpg
トーンが混ざってしまっているNG例

明るく元気なお部屋、優しい色合いのお部屋、落ち着
きを重視するお部屋...... どんなトーンのお部屋にする
かは、ひとそれぞれです。

ちなみにリセノでは、落ち着いた上質な印象のお部屋
づくりを推奨していますので「淡いトーン」や「暗め
のトーン」をおすすめしています。

お好みに合わせて、自分なりのトーン選びをしてもら
えれば良いのですが、唯一NGなのは

明るいトーンと、暗いトーンをごちゃごちゃに混ぜてしまう

というお部屋づくりです。

トーンが混ざると、お部屋に統一感がなくなってしまい
見心地の悪いお部屋になってしまいます。

トーンを混ぜることだけはしないように、注意してお
部屋づくりのアイテムを選ぶようにしましょう。

ビビッドなカラーでなくても、十分なアクセントに。

sensecolor30.jpg

そして、トーンを理解したうえで覚えていただきたい
のは、極端に明るかったり、強い色味のカラーでなく
ても、十分に「アクセントカラー」になるという点です。

上の画像でスタイリングしているアクセントカラーは、

  • ピンク系のクッション
  • ピンク系のブランケット
  • ピンク系のアート

ですが、いずれもまったく強い発色のカラーではなく
「明るさはあり、彩度は低め」のいわゆる「ペールト
ーン」のアイテムたちです。

11_35.jpg

「ペールトーン」のほかにも「パステルカラー」とも
呼ばれるこのアイテムたちは、淡く、薄いピンク色で
ありながら、十分にソファーに彩りを与えてくれてい
ますね。

このようなトーンの低いカラーでも、お部屋において
十分なアクセントになっているのがお分かりいただけ
るでしょう。

accentcolor21.jpg

「アクセントカラー」というと、明るく、派手な色を
イメージしていしまいがちですが、トーンを理解した
うえで、暗いトーンでも良いアクセントになることを
覚えておきましょう。

アクセントカラーは「レピテーション」を意識しましょう。

accentcolor26.jpg

アクセントカラーについて、失敗を防ぐために、もう
ひとつ覚えておいてほしいことがあります。

それは、

アクセントカラーは、レピテーション(繰り返し)してあげる

ということです。

レピテーションについては、以下の記事で

詳しくご紹介していますが、お部屋のスタイリングは
1つ1つのアイテムごとではなく、空間全体としてバラ
ンスを捉えていくことが重要です。

ですから、アクセントとなるカラーも、1つだけを入れ
てしまうと、どうしても孤立してしまいがち。

accentcolor1.jpg △ 1つだけだと、浮いてしまいがち

ですから、たとえばグリーンのクッションを取り入れ
るのであれば、クッションのグリーンにプラスして、

  • 同じカラーのクッションをもうひとつ
  • サイズ違いの薄めグリーンのクッション
  • ブランケット

などをいっしょにスタイリングするようにします。

accentcolor3.jpg

そうすることで、カラーが孤立せずに「グループ」と
なり、まとまり感が生まれます。

これが、アクセントカラーの失敗しない大事なポイント
です。

アクセントカラーは「お気に入り」から決める手も。

accentcolor9.jpg

また、よくご質問いただくのが

「アクセントカラーを入れたいけれど、何色を選べば
 良いのかが分からない。」

というものです。

特にこだわって使いたいカラーがないという場合には、
お手持ちのアイテムを「きっかけ」とするのも良いア
イデアです。

accentcolor15.jpg

例えば

赤色の入ったアートポスターを持っていて、気にいっている。

という場合があるとします。

その場合には、ポスターだけに赤色が入っている状態
だと、お部屋としてポスターだけが浮いてしまいがち
です。

accentcolor16.jpg

ですから、そういう場合には、ソファーに置くクッシ
ョンにも「赤」「オレンジ」などの同系色を使うこと
で、お部屋の中で「色の仲間」を作ることができます。

そうすると、不思議とアートポスターの赤色が浮かず
に、お部屋の「アクセントカラー」として認識されて、
おしゃれな雰囲気になるのです。

アクセントカラー選びに迷った際には、お持ちのお気
に入りアイテムのカラーを見つけてみるのも良いと思
います。

ちなみに、この「色の仲間」を作るときにも、忘れず
に「トーン(明るさ、彩度)」に気を付けて選ぶよう
にしてくださいね。

アクセントカラーのスタイリング例

hitomi30_1.jpg

さて、アクセントカラーについて理解が深まってきま
したでしょうか。

最後にいくつかのアクセントカラーの例をご紹介して
おきます。

参考にしていただければと思います。

アクセントカラーのスタイリング事例

参考画像

3dore.jpg
手軽さがうれしいミニラグ。赤味のある家具には、同じく暖色のキリムをレピテーションするとコーディネートがまとまりやすい。

20240529064945.jpg
落ち着いた色合いの組み合わせでも、アクセントカラーに。

5_35.jpg
トーンを抑えたイギリスのヴィンテージチェア。マスタードカラーは、重厚感と柔らかさが共存する。

気分.jpg
くすんだゴールドの真鍮素材は、小さいものでも存在感があるため、アクセントカラーとしておすすめ。

20240902151142.jpg
小ぶりなアートポスターは、季節や気分に合わせて模様替えしやすいため、気になったアクセントカラーを都度試しやすい。

IMG_3191.jpg
取り入れたいアクセントカラーの絵具で、子供や孫にお絵描きをしてもらい、お部屋に装飾してみるのもいい。

セオリーのまとめ

accentcolor23.jpg

さて「アクセントカラーの取り入れ方」のセオリーは
いかがでしたでしょうか。

「アクセントカラー」は、必ず入れないといけないも
のではなく、好みによって、また、季節によってなど
さまざまにスタイリングを楽しむためのアイデアです。

お部屋全体の「5%のスパイス」として、失敗を恐れず
に、楽しんでいただければと思います。

あらためてまとめますと、

スタイリングの課題

  • アクセントカラーとは?
  • アクセントカラーの取り入れ方が分からない

解決のためのセオリー

  • まずは「トーン」を理解する
  • レピテーションで失敗を減らす

スタイリングセオリーの効果

  • お部屋にアクセントカラーのスパイスが加わる

です。

accentcolor22.jpg

また、リセノでは、アクセント「カラー」以外にも、
アクセント「アイテム」を使って、お部屋を彩る方法
もおすすめしています。

続いては、アクセントアイテムについて学んでいきましょう。

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