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https://www.receno.com/prosupport/センスのいらないインテリア【スタイリング編】|長く愛せる家具の選び方(基礎知識編)
長く愛せる家具の選び方(第1回/全6回)
- 基礎知識編(現在のページ)
- ソファー/リビングテーブル編
- ダイニングテーブル編(順次公開)
- チェア編(順次公開)
- 収納家具編(順次公開)
- ベッド編(順次公開)
「長く愛せる家具の選び方」は、全6回の連載シリーズ
です。
どこからお読みいただいてもOKですが「基礎知識編」
では、家具選び全般に関する基礎知識をご紹介してい
ますので、先にお読みいただくのがおすすめです。
家具選びは「ゴール」から始めましょう。
家具選びをするときに、みなさんはどのような基準と
順番で、家具を選びますか?
「有名な家具屋さんに行ってみる。」
「気にいったものから、徐々に買う。」
「必要な家具を、とりあえず一式揃える。」
みたいな方が多いのではないでしょうか。
家具を扱うお店はたくさんあり、大手ブランドを筆頭
に、海外ブランド、国産ブランド、価格が高い安い、
街のお店からネットショップなど、それぞれに特徴の
あるお店が並んでいます。
ただ、それぞれの家具を完全に比較して検討するのは、
とても大変な作業です。
たくさんあるがゆえに「選ぶ基準」をしっかりと持た
ないでお店めぐりなどをしてしまうと、より混乱して
きて、いざ買うときには
「何がいいか分からなくなってきた。」
「まぁ、これでいいか。」
「良さげに見えたけど、やっぱり違った。」
みたいな「なんとなくのお部屋づくり」になりがちです。
新生活で、新しいお部屋を作るのにあんなにウキウキ
してたのに「なんだか結果はこんなもんか...」という
ことになりかねません。
リセノでも、日々、このような「家具迷子」の方たち
からたくさんのご相談を受けます。
このような方が珍しくないのは、そもそも家具の選び
方について、予備知識もなくスタートしてしまうから
です。
言うなれば、泳ぎ方も知らないのに、いきなり海に飛
び込むようなもの。これでは溺れてしまうのは当然。
また「私は、泳げるよ。」という方でも、目的地も決
まってないのにやみくもに、前に前にと泳いでいる...
ということもよくあります。
ですから、家具選びは
まず、しっかりと「選び方の基本知識」を学ぶ。
↓
そして、完成をイメージして「ゴール」から始める。
ことがとても大切なのです。
お料理も、完成イメージから材料を用意しますね。
それと同じです。
つまり、順序は
1. お部屋の完成イメージを決める
↓
2. 完成に向けて、家具を選ぶ
という流れです。
インテリア初心者の方は、この1と2の順序が大抵の
場合、逆になっています。
お部屋の完成イメージがないのに、
「とりあえず欲しかったカウチソファーを買った!」
みたいなことをしてしまいがちです。
これでは、お部屋全体のバランスがとりづらく、
美しく、暮らしやすいお部屋にはなりません。
もちろん、完全にゴールとなる完成イメージが見えて
いなくてもOKです。でも「北に向かう」という方向だ
けは決めておくことで、大きく理想と異なる結果にな
ることを防げるのです。
家具選びは「見心地 × 使い心地」の視点が大事
さて、そんな「完成をイメージしてからスタートする」
のが大事ですので「お部屋づくりのゴール = 理想」を
自分自身で知ることが大切です。
理想のお部屋を見つけるための方法については、以下
の記事をご参照ください。
理想のお部屋を見つけた方は、どの部分が好みかを自
分なりに言葉にしてみましょう。(好みの要素が分か
らない場合は、僕たちの様なインテリアのプロにぜひ
ご相談ください。言語化いたします。)
多くの場合は「見た目が好み」「おしゃれ」という
理由で選ぶことが多いと思います。
「見た目が好み」というのは、お部屋づくりにおいて
とても大事な要素で、これを僕たちは「見心地」と呼
んでいます。
見心地 = 美しく、見ていて安らぐ。または、心が弾むような心地よさ
また、見心地と同じく大事なのが「使い心地」です。
使い心地 = 日々、暮らしやすく、使いやすく、気持ちよく過ごせる心地よさ
快適に暮らすために、テーブルやソファーのサイズが
適切だったり、家事動線が良かったり、明るさがちょ
うど良かったりといった「暮らしやすさ」につながる
のが、使い心地です。
つまりは、快適なお部屋のためには、
見心地 × 使い心地 = 素敵なお部屋
の2つがバランスよく共存している状態が必要という
わけです。
前置きが長くなってしまいましたが、このシリーズで
ご紹介していく「長く愛せる家具の選び方」においては、
- 見心地を良くする 家具選びのポイント
- 使い心地を良くする 家具選びのポイント
という2つの視点から、家具の選び方をご紹介していきます。
2つが揃うことで、見た目が好みというだけではなく、
使っていてもとてもリラックスできる家具たちによっ
て、お部屋を彩れるようになるでしょう。
「見心地を良くする家具選び」とは
さて、まずは「見心地を良くする家具選び」の基本に
ついて、紐解いていきましょう。
家具は「空間の仲間」として選ぶ
全体のバランスを考えないと、ソファーだけが浮いて見えます。
まず、もっとも大事なのは、
それぞれの家具は、お部屋空間に共存する「仲間」である
と認識して選ぶことです。
お部屋の中は、互いに影響を与え合う1つの空間です。
絵画でいうと、1枚のキャンバス(お部屋)の中に、
さまざまな要素(家具・雑貨)を描いていきます。
1枚のキャンバスの中に、書きたいものを思うままに
バラバラと書いてしまっては、絵としての完成度はと
ても低いものになるでしょう。
ですから、家具は
「このソファー 気に入った!」
「このチェアー 気に入った!」
「このテーブル 気に入った!」
といった具合に、気に入ったものだけを、それぞれ個
別に選んではいけません。
あくまで「空間の仲間」として選んでいくことが
とても大切になります。
空間の仲間づくりは「レピテーション」
beforeは、色がそれぞれ孤立して、まとまりのない印象に。
前項をお読みいただいて「家具選びは、空間の仲間と
して選ぶ」のは分かったけど、その選び方が分からな
いという方は多いでしょう。
でも、安心してください。
インテリアの仲間づくりは、この「レピテーション」
だけを理解すれば、誰でも簡単に再現できます。
実生活でも、仲間になるためには、
- 同じ制服や、ユニフォームを着る
- 同じ経験をする
- 同じ釜の飯を食べる
みたいに「同じ」部分があると、仲間として認識しや
すいですよね。
共通点があると、まとまりが生まれる。
それとまったく同じです。
つまりは、
「仲間」とは、互いに「共通点」を持っていること
を意味しますから、家具選びにおいても、それぞれに
「共通点を持たせる」といいのです。
いくつか共通点の持たせ方の例を挙げましょう。
「素材」に共通点を持たせる
家具の「素材」に共通点を持たせるのは、お部屋に
統一感を与えるためにもっとも良い手法です。
例えば、上の画像のように、ソファーとダイニングに
同じオーク材を使うことで、それぞれが仲間になり、
お部屋に統一感を与えてくれるという具合です。
「色」に共通点を持たせる
仲間にするためには、色に共通点を持たせるのも良い
アイデアです。
例えば、上の画像の様に「黒色」という共通点を家具
同士に持たせることで、仲間感が強まり、お部屋に統
一感を与えてくれます。
その他にも共通点はいろいろあります
文化レピテーション(北欧の名作チェア同士を組み合わせる)
その他にも、家具選びの際に「共通点を持たせる」と
いうことを意識しておくことで、失敗を大きく減らす
ことができます。
素材や色は代表的で、非常に効果の高い共通点ですが、
その他にもさまざまに共通点は見つけられますので、
意識するようにしましょう。
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仲間を作るためには、共通点を持たせるのが大事だと
いうことがお分かりいただけましたでしょう。
この共通点は、インテリアの専門用語で「レピテーシ
ョン」と言います。詳しくは以下でご紹介しています。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レピテーション」のセオリーをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-07-19.php家具それぞれの「見心地の要点」を学ぶ
家具の見心地には、ソファーならソファー、チェアな
らチェアといった具合に、それぞれに見心地の要点と
なる部分があります。
たとえば
- ソファーなら、生地カラー選び
- チェアなら、後ろ姿の美しさ
- テーブルなら、形状の選択
といった具合に、家具それぞれに「見心地のポイント」
となる箇所があります。
この「長く愛せる家具の選び方」の連載シリーズでは
それぞれの家具ごとに、見心地を良くするポイントを
記事ごとに細やかにご紹介していきます。
そちらをしっかりと参考にしていただければと思います。
「使い心地を良くする家具選び」とは
続いては「使い心地」の視点から、家具選びに関する
基礎知識を学んでいきましょう。
「使い心地」は、そのまま「暮らしやすさ」につなが
りますから、生活の質に大きく影響します。
日々の「お手入れ」について理解する
家具は、特性にあわせて日々のメンテナンスが必要な
ものがあります。
例えば、木製家具を「オイル仕上げ」という塗膜を張
らない仕上げにすると、時間の経年とともに表情の変
化を楽しめたり、古くなっても表面を削って新しくで
きたりします。
ただ、オイル仕上げの場合は、定期的なオイル塗布が
必要であったりと、メンテナンス作業が必要になって
きます。
逆に「ウレタン塗装」であれば、経年変化はしないも
のの、日々のお手入れは不要になります。
ウレタン塗装は、水染みもしにくい。
木製家具だけでも、さまざまな特徴がありますし、そ
の他の素材を使った家具にも、日々のメンテナンスに
は必要・不必要さまざまにあります。
家具を選ぶ時には、日々のメンテナンスについても
あらかじめ理解しておくことが、快適な使い心地に
直結します。
「無垢材、突板、プリント」の違いを理解する
家具にもっともよく使われる素材は「木」です。
ただ、インテリアに詳しくない方は「木製家具」と
いっても、実はそれぞれに違いがあるということを
理解できていない方も多いでしょう。
細かな木の種類や産地、耐久性などの解説をしだすと
とても細かな話になってしまいますので、そのあたり
はいったん置いておいて(知らなくてもさほど問題は
ありません)、ここでは理解しておいていただきたい
ポイントだけをお伝えします。
それは
- 無垢材
- 突板
- プリント
の違いです。
無垢材
無垢材とは、木そのもののことで、森で育てた木を
切って削り、製材したものです。
重量感があり頑丈で、木本来の力強い印象を与えるた
め、家具好きに愛されています。
木そのものですので、家具の「角部分」に丸みをもた
せて、安全性を高めることができるのも、「突板」や
「プリント」を使った家具との大きな違いのひとつです。
オイル塗装などで仕上げたものは、経年変化を強く
感じることができます。
暮らしとともに「育てる」という楽しみがあるのも、
無垢材家具の特徴と言えるでしょう。
突板
突板とは、薄くスライスした木のシートを、ベニヤな
どの板に張り付けたもので、表面は木そのものですが
土台となる部分は、合成木材などが使われます。
木のシートとはいえ本物の木を使っているので、無垢
材と近しい風合いを感じられます。
北欧ヴィンテージ家具などは、突板が使われているも
のが多いことからも分かる通り、無垢材同様に、長く
使い続けることができます。
また、無垢材よりも比較的安価で製造できるため、お
求めやすい価格帯のものが多いのも特徴です。
プリント
プリントとは、スライスした木のシート部分を、本物
の木ではなく「木の模様を印刷した紙」などを使った
家具です。
木製「風」家具となるので、本物の木製家具と比べる
と風合いが低く、耐用年数も低くなります。
プリント家具は、木製ではなく「ホワイト」などの
単色の家具であれば、無垢材や突板家具と同じ部屋に
あっても、悪目立ちしません。
プリント家具を検討するときには、木目調のものでは
なく、単色の家具として検討すると良いでしょう。
家具それぞれの「使い心地のポイント」を学ぶ
使い心地についても、ソファー、チェアー、テーブル
など、カテゴリによって選ぶ際の「要点」があります。
例を挙げると、
- ソファーなら、座り心地
- チェアなら、アームの有無
- テーブルなら、サイズの選択
といった具合に、暮らしやすさに直結する選び方のポ
イントがいろいろとあります。
このあたりも、連載シリーズで細やかにご紹介して
いきますので、参考にしていただければと思います。
セオリーのまとめ
家具選びをはじめる前に知っておくと良い基礎知識に
ついて、まずはざっくりと「見心地」「使い心地」の
両方の視点から解説しました。
あらためてまとめますと、
スタイリングの課題
- 家具選びの順序が分からない
- 家具選びの基準が分からない
解決のためのセオリー
- 家具選びは、ゴールから決める。
- 家具選びは「見心地×使い心地」の視点を持つ
- 家具選びにおける「見心地、使い心地」の基礎知識
スタイリングセオリーの効果
- 失敗のない家具選びができるようになる。
です。
この基本を意識しながら、次はいよいよメイン家具の
選び方を順番に解説していきます。