【リセノのあの人】カメラマンの濱田さんへ
インタビューしました。
こんにちは。
撮影チームの辻口です。
リセノでは、インテリアの魅力を
リアルな暮らしの中でお客様に
感じてもらえるよう、写真の中にモデルとして、
スタッフたち自らが登場しています。
インテリアが好きで、暮らしを楽しんでいる
リセノスタッフなら、誰もが素敵でおしゃれな
暮らしのヒントを持っているはず。
そんな、ちょっと気になる「リセノのあの人」たちに
インテリアのカメラマン暦4年、リセノ暦半年の
僕からインタビュー。リセノの裏側や暮らしに
まつわるお話を伺っていきたいと思います。
「リセノのフロントマン 撮影チーム 濱田さん」
第一回目は、大学生の時にリセノ東京店の
オープニングスタッフとして入社した濱田さんです。
現在はメインカメラマンとしてだけでなく、
動画でナビゲーターを務めるなど、
リセノの顔としても活躍しています。
インテリア愛が深く、人一倍強いこだわりを
持っていて、インテリア好きが集まるリセノ中でも、
一目置かれる存在の濱田さん。
そんな濱田さんにインタビューしてみると、
リセノのコンテンツ作りの裏側や、素敵な暮らしの
ヒントをいろいろとお伺いすることができました。
「好き」だけでは足りない。
本当にやりたかった仕事
辻口:リセノをよく見てくださっている方なら、
濱田さんの顔に見覚えのある方も
多いのではないかなと思います笑
濱田:顔が濃いと言われがちですね笑
辻口:いつも一緒に仕事をしている間柄ですが、
今日は改めてよろしくお願いします!
濱田:よろしくお願いします。
辻口:濱田さんは東京店のオープニングスタッフ
として入社され、一度退職された後、
再びリセノに戻ってこられたと聞いています。
濱田:はい。元々インテリアが好きで、
大学生の時に東京店のオープニングスタッフの
募集を見かけて入社しました。
就職に伴って一度退職したのですが、やはり
自分が本当にやりたいことを仕事にしたい
と思って、リセノへ戻ってきました。
辻口:ちなみに、戻ってこられるまでの間は
どんなことをされていたのでしょうか?
濱田:コーヒーが好きということもあって、
前職では、コーヒー器具の営業販売を行って
いました。ホームセンターの一角で、それこそ
自分の母親と同じくらいの年代の主婦の皆様の
前で、「これだけ簡単でそしてこのお値段!」
みたいな実演販売も行っていました笑
辻口:濱田さんのコーヒー好きは、
社内でも有名なところです。
「好き」という点では、とても魅力的な
仕事にも思えるのですが、リセノに戻ろうと
思ったきっかけは何かあったのでしょうか?
濱田:営業だったので、当然量販店のバイヤーの方に
向けても商談を行うんですが、商品の魅力や
使っていく中での気づきを提案するという
よりは、ある程度フォーマット化された
商談のなかで、お金の高い安いでことが進んで
いってしまうことが、ずっと自分の中で
つっかえていて。
そんな時、リセノのことを思い出したんです。
リセノでは、実際の暮らしを元にした、
リアルな提案がいつも求められていました。
インテリアの魅力を、等身大で伝えたい
辻口:ただ好きということだけでなく、
好きだからこそ分かる楽しさや魅力を、
もっと伝えられる環境で仕事がしたかった、
ということでしょうか。
濱田:そうですね。
リセノでは、実際に暮らしの中で
感じる商品の素敵な部分だけでなく、
イマイチに感じる「不」の部分も含めて、
正直なところもしっかり伝えることが
心がけられています。
リセノを見てくださっている方は、
インテリア好きの方が多いと思うので、
同じくインテリアが好きな自分なら、
もっと等身大の提案が出来るんじゃないかと
思いました。
辻口:なるほど。戻ってこられてからは、
店舗スタッフとしてではなく撮影チームに
所属され、主にスタイリングや撮影、文章の
ライティングといった仕事をされています。
これはどういった経緯だったんでしょうか?
濱田:僕がもう一度リセノで働きたいと思った時、
ちょうど撮影チームに欠員が出ていたんです。
カメラマンやってみない?と
代表の山本さんから声をかけてもらって、
撮影チームに所属することになりました。
辻口:ちなみに、カメラマンとしての
経験はあったのでしょうか?
濱田:いえ、全く笑。リセノは何でも自分達で
やってみようというチャレンジングな
ブランドなので、そういった機会を
頂けたんだと思います。
辻口:未経験からだと、苦労も多そうです。
濱田:インテリアが好きでも、カメラのことは
全く分からずなので、正直最初はコーディ
ネートしてシャッター押すだけでしょって
思ってました。
実際には、商品の特性に合わせたコーディ
ネートや、お客様にわかりやすく、機能を紹介
するための構図やカメラの設定など、本当に
たくさんのことを考えながら撮影しなくちゃ
いけないし、写真ってあらゆる要素から成り
立っているんだなと焦りましたね。
すべては暮らしに繋がっている
辻口:撮影チームというポジションになっても、
濱田さんは一貫して、とにかく暮らしの
楽しさを伝えたいという思いが強いようです。
濱田:僕は、暮らしそのものが好きなんだと
思います。例えばコーヒーにしても、最初は
味というより、暮らしの中で楽しむことが
目的だったというか。
家族や友達のために丁寧に淹れたり、
自宅で気に入った椅子に座って
コーヒーを飲むことで空間を楽しんだり。
そうした中で、コーヒーの味の
奥深さについても分かるようになって
いきました。
辻口:とても深いお話です。
豊かな生活をしている人は、
コーヒーを嗜んでいるというイメージが
なんとなくあります。
濱田:僕もそこに憧れて飲み始めたのが
きっかけだったりします笑
今はコンビニでも手軽にコーヒーが飲め
ますが、美味しい一杯を淹れるまでの
プロセスや、その一杯を自分の好きな空間で
飲むことの楽しさも、コーヒーの魅力の一つ
だと思います。
辻口:濱田さんはリセノのYoutube上で、
美味しいコーヒーの淹れ方についても
解説されています。
濱田:はい。インテリアという枠組みに囚われず、
実体験の中で感じた、暮らしを豊かにする
ヒントを広く伝えていきたいと思っています。
「自分だけの部屋づくり」のヒント
辻口:暮らしを大切にする濱田さんが、生活に深い
関わりのあるインテリアが好きだというのは、
何となく納得のいく話です。
いつからインテリアに興味が
あったんでしょうか?
濱田:そうですね、中学生の頃には頻繁に部屋の
模様替えなんかして遊んでいたような
気がします笑
辻口:早いですね!
ちょっと驚きです笑
濱田:両親の影響が強いと思います。
特別おしゃれな家ではなかったんですが、
洋服が好きだったり、食に関しても
こだわりがあったり。
とにかく暮らしを楽しむということに関心が
あった家庭だったので、自然と家具に興味を
持つようになっていったのかなと思います。
辻口:濱田さんはどういったインテリアが
好きなんでしょうか?
濱田:そうですね、名作家具と呼ばれる
椅子たちには心が踊ります。
辻口:古くから現代に至るまで使用され、長く
愛されているものを、インテリアの世界では
「名作家具」と呼びます。
濱田:はい。長い間誰かの生活に寄り添って、
現代まで受け継がれているということは、
なにかしらの理由があるわけで。
それがデザインや機能性なのか、もしくは
その家具の持つストーリー性なのかわかり
ませんが、ついつい、トラディショナルな
ものに惹かれてしまいます。
辻口:リセノでも、デンマークの近代家具の巨匠
であるハンス・J・ウェグナーの「PP68」や、
ボーエモーエンセンの「J39」といった名作と
呼ばれるチェアを取り扱っています。
僕が入社した当初、ちょうどこの二つの
チェアの撮影があったのですが、濱田さんが
しきりに「美しいなぁ」と呟きながら
撮影されていたのをよく覚えています。
濱田:その話、ちょっと恥ずかしいですね笑
辻口:この人、本当にインテリアが
好きなんだなぁと笑
今日はそんな濱田さんのお部屋を
少し見せていただけるということで。
濱田:本当に少しなんですが笑
辻口:洗練された印象の、素敵なお部屋です。
使用されているアイテムについて
解説して頂いてもよろしいでしょうか。
濱田:右手前のユニットシェルフはリセノプロダクト
のR.U.S、照明はルイスポールセンのPH4/3、
真ん中のチェアは「ELD INTERIOR
PRODUCTS」のCAFE CHAIRですね。
辻口:右奥の上には、おしゃれな人の家でよく見る
Tivoli Audioのスピーカーがありますね。
なんだか変わったところに置いてあります笑
濱田:TivoliのModel TWOですね。
料理をしながら音楽やラジオ聴きたいので、
キッチン上のスペースに収めました笑
辻口:リセノでも取り扱いのある「Model One BT」の
ステレオバージョンですね。
スツールを置いて、その上にディスプレイを
されるのは、撮影でもよく取り入れられている
コーディネートです。
こちらはどんなアイテムでしょうか?
濱田:スタンドライトは塗装して自作したもので、
上に乗っているのはメキシコの民藝品、
スツールはシャルロット・ペリアンの
ものになります。
辻口:ペリアンは「世界初のインテリアデザイナー」
とも称される建築家・デザイナーですね。家で
使われているアイテムもしっかり名作揃いです。
ちなみに、床がカーペットになっていますが、
これは元からでしょうか?
濱田:家の床はもともと無垢材のフローリングなん
ですが、あえてカーペットを買って敷き詰め
ました。
ホテルの客室なんかでよくある、カーペットの
上を靴のまま歩く感じがなんとなく好きで笑
辻口:無垢材のフローリングって、インテリア好き
なら結構憧れるところだと思うんですが、
大胆ですね笑
自分好みの部屋作りに悩んでいる人も
多いと思うんですが、何かポイントは
あるでしょうか?
濱田:そうですね、まずは自分の好きなスタイリング
がどういうものなのか理解して、
そのスタイリングを構成している要素を
分析して、取り入れてみることでしょうか。
辻口:リセノであれば、「ナチュラルヴィンテージ」
というスタイルのコーディネートを
推奨しています。
濱田:ナチュラルヴィンテージであれば、
「シンプルでナチュラルな内装」「トーンを
抑えた統一感のある家具」「味わいのある
ヴィンテージアイテム」といった要素で構成
されています。
そうしたスタイリングの要素を取り入れる
ことで、憧れのテイストに近づけたり、要素を
掛け合わせることでミックスしたスタイルを
作り出すことができるということですね。
インテリアが部屋に溶け込んだ瞬間
辻口:とても参考になるアドバイスです。
本題に戻るのですが、濱田さんが
自身の暮らしの中で、名作家具を
選ぶ理由はなんでしょうか?
濱田:僕が家具を買うときは、簡単には
買い替えられないことを考え、
トレンドを追わず長い目でみて、飽きのこない
意匠か、機能性は充分にあるのか、長く使える
素材なのか、ということを重視します。
辻口:リセノプロダクトのコンセプトの一つ、
「Long Life Device」にも通づる考え方です。
一つの家具を長く使うことが、濱田さんの
ポリシーだという感じがします。
濱田:僕は、インテリアが部屋に溶け込む
瞬間を見たことがあるんです。
辻口:えっと、どういうことでしょうか。
濱田:昔、チェアを買ったときの話なんですが、
新しく部屋に入ってきたものって、
最初は存在が際立つものだと思います。
購入してから暫く経って、部屋でなんとなく
そのチェアを眺めてたんです。そしたら、
際立っていたチェアが何の前触れもなく、
スッと部屋に溶け込んだんです。
辻口:どんなものでも、気づかないうちに暮らしに
馴染んでいくものだと思いますが、濱田さんは
その決定的瞬間を目撃されたと。
濱田:はい。そこで初めてチェアが自分の部屋に迎え
入れられたと思ったんです。そうなって
ようやく、その家具の本当の魅力がわかって
くるというか。
インテリアは暮らしの中で、最も付き合いの
長いものだと思います。
だから僕は、インテリアが一番好きなんです。
「インテリアオタク」から、インテリアのプロへ
辻口:素敵なお話です。
そのインテリア愛の深さからか、社内からは
インテリアオタクという呼び声も
聞こえてきます。
濱田:あんまり嬉しくない呼び声です笑
辻口:よく語られるテーマとして、好きなことを
仕事にするべきか否かというものがあります。
濱田さんはインテリアが仕事になっている今を
どのように思っているでしょうか?
濱田:自分自身インテリアが大好きなので、
お客様に喜んでいただける姿を想像すると
こんなに良い仕事はないなと思っています。
しかし、生活を少しでも豊かにする手助けが
できることが嬉しい反面、責任感を持って
取り組まなければいけない、大変な仕事だとも
感じています。
辻口:それは、どういった点でしょうか?
濱田:家具は生活をしていく上で、切っても切り離せ
ない特別な存在だと思っています。
ある人にとっては、一生に一度の買い物に
なることだって当然あり得ますし、
インテリアはアパレルとは違って、簡単に買い
替えたりはできないので、販売をさせていただ
いている立場からしても、お客様にできる限り
納得していただいた上で購入してほしいと
思っています。
だから、中途半端な提案はできませんし、
お客様が実際に使用されてみて満足できないと
なると、当然責任は私たちにあります。
辻口:濱田さんが「リアルじゃない」「これでは
伝わらない」と悶絶しながら、
撮影が迷宮入りしていくのもスタジオでは
よく見られる光景です。
濱田:すみません笑
でも、それくらいの責任感を持って
取り組むべきことなので。
あと、リセノでは、情報の伝わりやすさ
だけでなく、制作物のクオリティも高い
レベルで求められます。
辻口:そうですね。
時間の許す限り、ソファに置かれたクッション
の角度、モデルの服のシワ一つにまで気を配る
濱田さんからは、それに応えるだけの
こだわりの強さを感じます。
こだわりが強いのは昔からでしょうか?
濱田:昔からよく言われますね笑
最初にこだわりの強さをを自覚したのは、
小学生の時にチャーハンの甘みを追求しようと
したときでしょうか。
辻口:チャーハンの甘みですか?笑
濱田:はい笑
中華屋で食べるチャーハンって、
家で食べるチャーハンと違って甘味があって。
それを再現しようと一人でチャーハンを作って
は両親に食べてもらったりしていました笑
辻口:なかなかクセの強いエピソードですね笑
でも、そうしたこだわりの強さと
インテリア愛の深さが、良い写真を生み出す
秘密だと納得がいきます。リセノの写真は、
業界の中でもクオリティが高いという評価を
頂くことがとても多いです。
濱田:良い写真が撮れているのか自分では
分かりませんが、好きなものを撮影できている
ことが一番だと思います。
仕事の中で、自分自身が楽しみたい
辻口:今日はかなり真剣にインタビューに
答えていただいていますが、いつもは陽気に
撮影現場を盛り上げてくださる濱田さんです。
濱田:それは、結構意識してやってたりします。
インテリアの撮影って、重い家具を頻繁に
運んだり実は大変なことが多い仕事なんです。
辻口:シャッターを切る以外の時間の方が、
圧倒的に長いですよね。
濱田:そうなんです。
だから、現場の雰囲気が明るかったり、
面白い人がいたりすると、それも苦にならなく
なるんじゃないかなって。
だから自分自身が、明るく楽しく仕事に
取り組むようにしています。
辻口:後輩としては、とてもありがたいお話です。
濱田:結局、自分が楽しみながら
やりたいだけなんですけど笑
インテリアの楽しさを、もっとたくさんの人に
辻口:色んなエピソードをお持ちなので、
ついつい長くなってしまいました。
最後に、気になってる方もおられると
思うので、出演しているYoutubeの動画
についてお聞かせください。
動画の活動はどのように始まったの
でしょうか?
濱田:ちょうどコロナが流行り始めた時期です。
世界中の人たちが家での暮らしにについて
考えれなければならない状態になったと、
その時に感じました。
辻口:「おうち時間」というワードも、
すっかり定着しています。
濱田:インテリアショップのスタッフとして、
なにができるか考えた時に、YouTubeで
インテリアの基礎的な知識を解説をする
企画を思いつきました。
辻口:プロとしての使命感からの発想だったと。
ちなみに動画の経験は...?
濱田:もちろん、動画も初めてでした。
しかも、突然自分が「YouTubeに出る」ことに
なリまして笑
辻口:なかなか勇気のいることです。
濱田:辛辣なコメントを頂くこともありますが、
最近では「参考になったよ~」「わかり
やすい」など嬉しいコメントをいただくことも
増えました。
辻口:お客様の反応は、いつもドキドキしますよね。
濱田:そうですね。
でもお客様が、正直に良い悪いを伝えて
くれるのは、僕はすごく嬉しいと
言いますか、なかなか自分で客観的に
見ることは難しいので、逆に厳しいコメント
もすごく貴重だなと思っています。
辻口:リセノでは、「インテリアの教科書
メディアを作る」という目標を掲げて、
様々なコンテンツ制作を行っています。
その中で、濱田さんは今後どのように
活躍されていきたいですか?
濱田:Youtubeを中心に、動画活動は
これかもどんどん頑張っていきたいと
思ってます。
教科書というと少し固いイメージがあるかも
しれませんが、インテリアの基礎学習的な要素
を持ちながらも、お客様が直感的に素敵だと
感じるコンテンツや、ベネフィットを得られる
ような共感力の高いコンテンツ作りにも
積極的なので、注目していただければ
と思います。
辻口:インテリアの基礎解説だけでなく、Vlogや
エッセイと言った、豊かな暮らしのアイデアを
散りばめたコンテンツも増えてきていますね。
今回はそんな制作の裏側についても、
色々お話を伺うことができました。
濱田:リセノの「インテリアの楽しさを、もっと
たくさんの人に」という信念のもと、
インテリアのプロとして、
また一人のインテリア好きとして、
精一杯取り組んでいきたいと思います。
辻口:これからも素敵な写真や動画を
よろしくお願いします!
ありがとうございました!
濱田:ありがとうございましたー!