
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-10-11.php「お部屋を彩るインテリアの選び方」は、全3回の連載
シリーズです。
「カーテン、ラグ、照明」は、家具と同じくらいにお
部屋に大きな影響を与えるインテリアです。
選び方の基本を学んで、素敵なお部屋づくりに活かし
ていただければと思います。
みなさんは、お部屋の「カーテン」は、どのように
決めますか?
ソファーやダイニング、チェアなどは、いろんなお店
に見に行ったり、ネットで調べたりして、一生懸命に
選ぶ人は多いと思います。
一方、カーテンは案外
「とりあえず、これでいいか。」
「どれでもそんな変わらないでしょ。」
「予算がないから、安いやつで」
というような感じで、特別に気をつかうことなく、
なんとなく選ばれている方も多い印象です。
しかしながら、プロの視点で見ると、カーテンは実は
お部屋のスタイリングにおいて「とても影響が大きい」
インテリアのひとつです。
暮らしの中で、思っているより目に入ります。
その理由は、
という理由です。
みなさんも今のお部屋を、あらためて見まわしてみて
ください。
上の画像でもお分かりいただけると思いますが、カー
テンが「お部屋の中で、大きな面積を占める存在」で
あるかがお分かりいただけると思います。
インテリア配色の黄金比においても、カーテンは内装
に属するアイテムで「ベースカラー(シェア70%)」
のひとつに分類されます。
「ベース = お部屋の土台・基礎・骨格」となる分
類のアイテムですから、お部屋の印象においてもとて
も重要なのです。
ですから「なんとなく」カーテンを選ぶのは、実は
とてももったいないことです。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-10-11.phpこの記事では、カーテン・ブラインドの選び方につい
て、使い心地、見心地の両方の観点から丁寧に解説し
ていきます。
ぜひ最後までお読みいただければと思います。
まずは、カーテン・ブラインドを「使い心地」の観点
から選ぶ基準をご紹介していきましょう。
使い心地の観点からカーテン・ブラインドを選ぶため
には、そもそもどういう役割を期待して、カーテンや
ブラインドを選ぶのかを理解しておくのが大事です。
の代表的な3つのアイテムについて、機能的な面からの
役割を見ていきましょう。
ドレープカーテンは
ドレープカーテン = 厚手の生地を使用したカーテン
のことです。
厚手の生地でできたカーテンですから、機能的な役割
としては、上記のように、光、音、熱などを抑えたり、
外から見えないようにプライバシー保護に役立ったり
します。
機能 | 機能の詳細 |
遮光 | 外からの光を遮る |
遮音/防音 | 外からの音の侵入を防ぐ または 室内からの外への音漏れを防ぐ |
遮熱/断熱 | 冬場には外の冷気を遮断し、夏場に外からの熱を遮断する |
遮像 | 外部からの視線を遮断し、室内の様子を見えにくくする |
レースカーテンは
レースカーテン = 薄手の透ける生地で作られたカーテン
のことです。
透け感があるので、ドレープカーテンよりも光をよく
通します。また、光がレースカーテンを通ることで拡
散され、柔らかな光に変えて、室内に取り込む効果も
あります。
機能 | 機能の詳細 |
光の拡散 | 外からの光を室内に拡散する |
(軽い)遮像 | 外部からの視線を遮断し、室内の様子を見えにくくする |
多くの場合は、ドレープカーテンとレースカーテンは
1つの窓に両方を付けます。
奥にレースカーテン、手前にドレープカーテンと前後
に吊ることができる様な「2本のレール」になっている
カーテンレールが一般的です。
「なぜ、ドレープとレース 1つの窓に両方いるの?」
というと、上記の「機能」で書いたように、それぞれ
に期待する主要な役割が異なるため、開け閉めするこ
とで、両方の機能を使い分けるからです。
ブラインドは
スリット(細長い板)が連なった窓用インテリア
です。
スリットの角度を調整することできる機構がついてい
て、光の量や視線をコントロールできます。
機能としては、おおよそドレープカーテンと同様です
が、スリットによる光の調整という点が特徴的です。
機能 | 機能の詳細 |
遮光 | 外からの光を遮る/スリットで調整する |
遮音/防音 | 外からの音の侵入を防ぐ または 室内からの外への音漏れを防ぐ |
遮熱/断熱 | 冬場には外の冷気を遮断し、夏場に外からの熱を遮断する |
遮像 | 外部からの視線を遮断し、室内の様子が見えにくくする |
スリットの調整によって、ドレープカーテンとレース
カーテンの2つの役割を(完全ではないものの)担う
仕様になっているのが特徴です。
----------
それぞれの主な「機能的な役割」は、以上です。
続いては、この役割の中からカーテン・ブラインドの
大きな役割のひとつである「光の取り込み」について
ご説明していきましょう。
主にカーテンには、
の2つがあります。
「光をコントロール」して、お部屋を適切な明るさに
するのが、カーテンのもっとも大事な機能です。
リビング、ダイニングをはじめとして、書斎や子供部
屋など、基本的に「何らかの活動をする部屋」には、
明るさが必要です。
ですから、それらの部屋に付けるカーテンは
「光を通すカーテン」を選ぶようにしましょう。
光を通すカーテンを使うことで、適度に光をコントロ
ールしながら、やわらかな光を感じることができます。
柔らかな光を浴びることで、気分も上がりやすく、
体や心を起こす効果もあります。
活動のためのお部屋とは逆に、寝室には「遮光カーテ
ン」がおすすめです。
外からの光を遮ってくれるので、ゆっくりと睡眠をと
ることができます。
遮光カーテンには「遮光等級」というものがあり、等
級によって、どのくらい光を遮るのかが変わります。
「1級」がもっとも遮光性が高く、室内にほとんど光を
通しません。「2級、3級」となるごとに、遮光性能は
低くなります。
完全に光を遮りたいか、少しの光は感じたいかによって
お選びいただくと良いでしょう。
ブラインドは、スリットに遮光の機能があり、スリッ
トを閉じることで、外からの光を遮ることができます。
また、逆にスリットを開くことで、室内に光を取り込
むこともできます。
光の取り込みと、遮光の両方の機能をもっているのが
ブラインドと言えるでしょう。
カーテンには
があります。
既成カーテンは、既成サイズの窓(幅200cm×高さ180
cmなど)に合わせて、決まったサイズで販売されてい
るカーテンです。
自宅の窓が「既成サイズ」で、既成カーテンとぴった
りとサイズが合う場合には、オーダーカーテンと比べ
て、安価で購入することができます。
一方、オーダーカーテンは、窓のサイズに合わせてサ
イズをオーダーして作るカーテンのことです。
現在は、昔と異なって、窓の形や大きさも様々なもの
が使われているので、既成カーテンではフィットしな
い窓が増えています。
△ サイズが合わず、床にカーテンがついている
窓のサイズに合わないカーテンを付けていると、短す
ぎたり、長すぎたりと不格好になってしまいます。
また、見た目が悪いだけではありません。
短い場合は、光が入ってしまったり、プライバシーが
守りづらかったり、温度調整が不十分に。
逆に長い場合はホコリが付着しやすく、お掃除がしに
くかったり、ハウスダストが溜まる原因にもなります。
◎ オーダーカーテンで、サイズがぴったり
カーテンは1回購入しておけば、長く使えるインテリア
であり、健康面などにも影響を与えるインテリアです。
窓のサイズが既成カーテンでは合わない場合は、変に
お金を節約するのではなく、長い目で考えて、オーダ
ーカーテンを選ぶようにしましょう。
ブラインドは、操作するための「紐を下に引く」こと
によって、開け閉めを行います。
ですので、カーテンよりも開け閉めには、労力がかかります。
ですので、洗濯物などを干すために頻繁に出入りする
ベランダやテラスに出るような「掃き出し窓」には
向きません。
ですから、基本的には「掃き出し窓以外の窓」に設置
するのが良いでしょう。
ブラインドは、スリットによって光を取り入れる量を
調整できますので、「採光」を目的とした窓に設置す
ることで、室内の光を思い通りに調整することができ
ます。
腰高の窓や、ちょっとした採光用の小窓では、光の
調整がしやすく、とても便利です。
マンションなどで、テラスへの出入りがほかで確保で
きていたり、頻繁に出入りするライフスタイルではな
いというような場合は、掃き出し窓にブラインドを入
れるのも良いでしょう。
カーテンよりもすっきりとした見た目に仕上がります。
さて、続いては「見心地」の観点から、カーテンや
ブラインド選びのポイントをご紹介しましょう。
まずは、お部屋におけるカーテン、ブラインドの見た
目的な特徴をまとめます。
カーテンは「ファブリック(布)」で作られています
ので、見た目に柔らかな印象を与えてくれます。
光の差し込む窓際は美しく、天気の良い朝などは、
気持ちまでやわらかにしてくれるでしょう。
また「ナチュラル色」などのカーテンを入れることで
光がすこしの色味を帯びます。
カーテンを通して入ってくる光の色は、暖色であたた
かな風合いを感じます。
ですから、よりお部屋の印象がやわらかく、ほっこり
とした印象を受けるようになります。
メリット | メリットの詳細 |
見た目の柔らかさ | 布ならではの柔らかな質感 |
光の調色 | 色のあるカーテンを通る光は、色味を帯びる |
一方、デメリットとしては、カーテンを開けた時には
窓の左右(もしくは片方)に、カーテンの布が溜まり
ます。
布が溜まっている姿は、すこしもたついた印象を受ける
こともあります。
デメリット | デメリットの詳細 |
もたつき | オープンにした時にも、左右にカーテンだまりができる |
タッセルを使って、カーテンをまとめることで、
もたつきの印象を軽減するのが良いでしょう。
ブラインドは、カーテンと比べて、見た目のすっきり
感が一番の良さです。
布よりも「シャープ」な印象があり、洗練された印象
をお部屋に与えてくれます。
また、スリットによる光の調整もできますので、カー
テンよりも、よりこまやかな明るさの調整ができます。
メリット | メリットの詳細 |
光の調整 | スリットの角度によって、明るさを調整できる |
見た目のすっきり感 | カーテンと比べて、見た目がすっきり |
デメリットとしては、前述のとおり「動線となる掃き
出し窓」には、出入りの関係で向きません。
また、大きな窓に入れる場合には(自身で出来る程度
の簡単なものではあるものの)施工が必要です。
施工に伴って、ネジ穴などが開きますので、賃貸マン
ションなどで傷を付けたくない場合には、向かないと
言えるでしょう。
デメリット | デメリットの詳細 |
施工による傷 | 大きなサイズの場合、窓枠に施工が必要 (突っ張り式/カーテンレールに付けられるものもあり) |
ただ、リセノでも取り扱っているような「突っ張り式」
や「カーテンレール」に取り付けられるものもあります。
賃貸などでは、そのようなタイプを選ぶと良いでしょう。
Re:CENOのブラインドの一覧です。
https://www.receno.com/blind/ △ カラーカーテンは、主張が強すぎて悪目立ちします。
見心地をよくするためには、カーテンやブラインドに
主張が強すぎる色を入れるのは、おすすめしません。
なぜなら、カーテンと隣接している壁は、たいていの
場合は「白」だからです。
白い空間の中に、大きな色が入ることにより、そこだ
けが悪目立ちしてしまい、空間全体の色のバランスが
大きく崩れてしまいます。
また、色と同様に、いやそれ以上に禁物なのが「柄」
の入ったカーテンです。
より一層強く目線を惹きつけてしまいますので、お部屋
全体の調和が崩れてしまいます。
◎ カーテンは、主張のない色合いが合いやすい
カーテンは、お部屋全体の調和の観点からすると
などの「主張の強くない」色合いがおすすめ。
白の壁色となじんで、お部屋を明るく、広く見せる
効果があります。
「白やベージュでは、物足りない感じがする。」
という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方におすすめしたいのが
コットン(綿)や、リネン(麻)の天然素材
を使ったカーテンです。
ポリエステルなどの化学繊維と比べて、シンプルな見
た目ながらも、手に取ると質感を感じることができ、
大きな面積である窓際に、やわらかな風合いを与えて
くれます。
室内に入る光も、やわらかな風合いになりますので、
とても気持ちいい時間を過ごせるでしょう。
カーテンの弱点である「もたつき」という点では、
ドレープとレースの2つが吊られていることによって、
カーテンを開けた時によりノイズを感じます。
ひとつのアイデアとしては、ドレープカーテンは厚み
がある分、レースカーテンよりももたつきが多いもの。
ですから、思い切ってドレープカーテンをつけずに、
レースカーテンだけにするというのも手です。
レースは、風の揺らぎも感じやすく、インテリア性がアップ
「レースカーテンだけじゃ、外から室内が見えちゃう。」
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、最新に開発
されたレースカーテンの中には「遮熱」や「遮像」な
どの効果をもつ機能的なものも登場しています。
ドレープカーテンを付けないことによって、より爽や
かで、美しい窓際になりますから、ドレープカーテン
を付けないという選択肢も良いでしょう。
紫外線から肌や家具を守ってくれる、UVカット 99%レースカーテン「Sunny(サニー)」。まるでシルクを思わせる滑らかな生地が、空間全体を上品な雰囲気に。
https://www.receno.com/lace/sunny-cur.php
ブラインドは、カーテンと比べてデザインが直線的で
あり、布のような不規則なよれがありません。
また、窓枠内に設置することで、布部分がかさばるこ
ともないため、よりすっきりと、洗練された印象を与
えてくれます。
という特徴がありますので、お部屋のテイストに応じ
てお選びいただくと良いでしょう。
さて、カーテン・ブラインドの選び方を「見心地」と
「使い心地」の両方の視点から紐解きました。
あらためてまとめますと、
です。
ついつい「なんとなく」で選んでしまいがちなカーテ
ンやブラインドですが、実は、暮らしやすさやスタイ
リングの美しさに大きな影響を与えます。
まさに「お部屋の土台」となる部分ですので、ぜひ
正しい理解のうえで、お選びいただければと思います。
リセノの各店舗には、リセノの提唱する「センスのい
らないインテリア」のセオリーについて研修を受け、
社内試験に合格したスタッフが在籍しています。
記事だけでは分かりづらいところや、具体的なセオリ
ーの使用方法などについては、ぜひ店舗にてスタッフ
にご質問いただければと思います。
※おかげさまで土日祝についてはたくさんのご来店を
いただく関係上、ゆっくりとご案内が難しい場合が
ございます。
平日などは比較的ゆっくりとご案内できますので、
宜しければご検討くださいませ。
各店舗の空き状況のご確認や来店のご予約は
以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
https://www.receno.com/shop/店舗で働くインテリアプロスタッフの経歴や、住んでいるお部屋をご紹介しています。インテリアの知識だけでなく、リセノ家具の体感としてのご案内もいたします。
https://www.receno.com/shop/staff/センスのいらないインテリア【スタイリング編】|長く愛せる家具の選び方(収納家具編)
収納家具選びについて「選び方が分からない」という方に向けて、見心地・使い心地の観点から紐解いていきます。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|お部屋を彩るインテリアの選び方(カーテン・ブラインド編)
お部屋に与える影響の大きい「カーテン選び」について紐解いていきます。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|長く愛せる家具の選び方(ベッド編)
ベッド選びについて「選び方が分からない」という方に向けて、見心地・使い心地の観点から紐解いていきます。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|お部屋を彩るインテリアの選び方(ラグ・マット編)
ラグ・マットを選ぶ際のポイントを使い心地、見心地の観点から紐解きます。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「円形」をお部屋に取り入れて、空間の印象をやわらげる。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「円形」のセオリーをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|美しいレイアウトの基礎知識(前編)
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レイアウト」のセオリー前編をご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|美しいレイアウトの基礎知識(後編)
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レイアウト」のセオリー後編をご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「配色」を理解して、お部屋のベースを整える。(前編)
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。