
家具選び全般に関する「基礎知識」をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2025-01-17.php「長く愛せる家具の選び方」は、全6回の連載シリーズです。
どこからお読みいただいてもOKですが「基礎知識編」
では、家具選び全般に関する基礎知識をご紹介してい
ますので、先にお読みいただくのがおすすめです。
家具選び全般に関する「基礎知識」をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2025-01-17.php
「ベッドは、人生の1/3を過ごす場所」と言われている
とても重要な家具です。
しっかりと良いベッドで、良質な睡眠をとることで、
体と心をしっかりと回復し、健康に過ごすための基礎
を作ることができます。
また、良質な睡眠のためには、リラックスできる寝室
環境づくりも大切です。
そんな大切な「寝る」ということに深く関わるベッド
について、
の両方から、選び方を詳しく説明していきます。
さて、ベッドの選び方について紐解いていきましょう。
まずは「使い心地」の観点から、ベッド選びのポイン
トを解説していきます。
まずは、一般的なベッドのサイズについて認識を
共有しておきましょう。
ベッドは、幅が「20cm刻み」で呼び名が変わります。
ベッドサイズの呼び方 | サイズ |
シングル | 幅100cm |
セミダブル | 幅120cm |
ダブル | 幅140cm |
クイーン | 幅160cm |
キング | 幅180cm |
ワイドキング | 幅200cm |
という呼び名が決まったサイズの呼び方です。
ちなみに奥行き(頭~足方向)については、おおよそ
200cmで決まっています。
マットレスの奥行きは、おおよそ195cmですので身長
が200cmを超えるような方以外は、奥行きを選ぶ必要
はありません。
ベッドサイズ選び = 幅選び
と覚えておきましょう。
さて、基本のサイズが分かったところで、人数に応じ
たベッドサイズ選びについてアドバイスしましょう。
サイズ選びのポイントは
イメージよりもワンサイズ大きいものを選ぶ
のがおすすめです。
世間一般的なイメージでは
みたいなイメージはありませんか?
下の画像は、それぞれのベッドサイズに寝た時です。
シングル
セミダブル
ダブル
クイーン
キング
ワイドキング
リセノでもお客様にご相談を受ける際には
「1人暮らしの時には、シングルサイズですよね。」
「2人暮らしになったから、ダブルに替えたくて。」
というような方がとても多いです。
しかしながら、シングルベッドは、1人で寝るには小さ
く、ダブルベッドは、2人で寝るには小さいです。
これには、数字的な理由があります。
人は、寝転がった際には、男性は60cm程度、女性であ
れば50cm程度と言われています。
単純にこの数字だけみると、
「じゃあ、100cmあれば余裕だよね。」
と思ってしまいますが、実はそうではありません。
人は寝ている間に「寝返り」を打つからです。
寝返りを打つためには、左右に20~30cmずつ必要
と言われています。
男性の肩幅の平均は「60cm」ですので、
肩幅 60cm + 右 20cm + 左20cm = 100cm
で、シングルだと寝返りをうつと、ベッドから落ちそ
うなくらいになってしまいます。
女性でも肩幅の平均は「50cm」ありますので、寝返り
を考慮すると「余裕のないピッタリサイズ」がシング
ルサイズのベッドだということが分かります。
また、2人で寝る場合には「ダブルサイズ(幅140cm)」
を選ぶと、それぞれのパーソナルスペースは70cmずつ
しかとることができず、かなり狭いことが分かります。
理想的には「ワイドキングサイズ(幅200cm)」があ
れば、お互いに寝ている間にはぶつかりづらいスペー
スを確保できます。
ワイドキングサイズは、シングルベッド2つ分の幅です
ので、将来的には別々に離して寝ることも考慮すると、
2台のシングルベッドを購入しておくのはおすすめです。
寝室にそこまでの余裕がないという場合にも、ダブル
サイズではなく、せめて「クイーン(幅160cm)」を
選ぶことで、熟睡しやすい寝室環境が整います。
また、お子様が小さいうちは、2台のベッドをくっつけ
て、お子様と一緒に寝たりする時期もありますね。
その際にも、将来的にベッドを離して使うことを想定
すると、
といった感じで、シングルベッドやセミダブルベッド
などを家族の体形などに合わせて組み合わせながら、
将来的にも、長く使えるように購入を検討しましょう。
ベッドは良質なものを購入すれば、ずっと使い続けら
れますが、捨てられる原因は主に「サイズが合わない」
という問題です。
将来に向けた意識をもって、ベッドサイズを選ぶと
良いでしょう。
ベッドでもっとも重要な使い心地である「寝心地」に
ついては、実はベッドが担う役割はほぼありません。
ベッド本体ではなく「マットレス」選びで大きく変わります。
ですから、寝心地にこだわりたい方は、マットレス選
びにしっかりと時間をかけるのが良いでしょう。
マットレスには主に
などがあり、それぞれに仕様の違いがあり、また硬さ
や、反発力などにも特徴があります。
ボンネルコイルマットレスは、複数のコイルを連結し
て、1枚の土台にしたコイルスプリングのことです。
反発力を生み出すスプリングがそれぞれ1つ1つ独立し
ておらず、「1枚の板状」になっているのが特徴です。
「1枚の板状にバネがつながっている」状態ですので、
一緒に寝ている人が動いたりすると、隣の人のマット
レスのコイルも一緒に動き、睡眠が妨げられる原因に
もなります。
コイルスプリングの仕様が簡易なため、マットレスの
中では比較的安価にて手に入りますが、寝心地はあま
り期待できません。
ポケットコイルマットレスは、中に入っているスプリ
ングが「ひとつひとつ独立している」マットレスです。
1つ1つ独立したスプリングが、独立した動きをするの
で、重さのかかる部分のコイルだけが沈みこむため、
「点」で体を支えてくれます。
点で体を支えるので、耐圧分散に優れており、体に負
担のかかりづらい仕様です。
また、ボンネルコイルマットレスと違って、1つ1つの
コイルが独立しているので、隣に寝ている人が動いて
も、他の人のコイルスプリングは動きません。
ですから、パートナーや子供と寝る時に、寝返りなど
によって起きてしまいがちな人にもおすすめです。
良い寝心地が得られるため、もっとも普及している
マットレスです。
ちなみに、リセノでもっともおすすめしているのが、
この「ポケットコイルマットレス」です。
ノンコイルマットレスは、内部に「コイルスプリング」
が入っていないマットレスです。
マットレスの内部は、ラテックス(ゴム素材)やウレ
タンなどを使って作られています。
スプリングが入っていないため、体を押し返す力が少
なく、高齢者には寝返りが打つための反発力がないた
め、寝返りを打ちづらいと言われています。
スプリングが無い分軽量なものが多いのが特徴である
のと、捨てる時には、コイルスプリングがないため、
家庭ごみとして処分できるので、買い替えがしやすい
のも特徴です。
マットレスは、さまざまな種類や価格のものがあります。
安価すぎるマットレスはおすすめしませんが、高いか
ら自分にフィットするというものでもありません。
寝心地の好みは人それぞれであり、どんなマットレス
がフィットするかも、それぞれだからです。
マットレス選びについては、お店を訪れて、実際に横
になって確かめてみたり、店員さんに詳しく特徴を聞
いてから納得して買うのがおすすめです。
ベッドを選ぶ際には、横に置く「ナイトテーブル」を
合わせて検討するのがおすすめです。
ベッドの横にナイトテーブルがあることで、
などの利便性が上がり、寝る前のリラックス度が上が
ります。
ベッド自体に照明が付属していたり、収納スペースが
あるようなものもありますが、デザイン的に良いもの
は少ないと思います。
ですから、ナイトテーブルをベッドの横に置く想定で
ベッドを選ぶことで、見た目も良く、使い勝手も良い
寝室を作ることができるでしょう。
ナイトテーブルには、照明のほかに読みかけの本や雑
誌、スマホ、眼鏡などいろんなものを置いておけるの
で、寝る前の時間を過ごすためのアイテムをいろいろ
と置いておけます。
また、一人暮らしや、狭い間取りにお住まいの方は、
コンパクトなスツールをナイトテーブルとして代用し
てみるのもおすすめです。
スツールは、座ったり、台にしたりと多用途で活用で
きるアイテムですので、ちょっとしたナイトテーブル
としても活用できます。
ベッドは、品質の良いものを買えば、長年買い替えず
に使えるものです。
前項でも書きましたが、お子様の成長に合わせて、2台
のベッドをくっつけて使ったり、離して使ったりしな
がら長く使うことができます。
ヘッドボードが、ベッド本体部分よりも左右に飛び出
しているようなものだったり、デザイン違いのものは、
2台をぴったりとくっつけることができなかったり、並
べた時の見栄えが良くありません。
ですから、ベッドを購入する際には2台のベッドを左右
にぴったりとくっつけられるデザインのものを選びま
しょう。
子供が小さかったりするときには、2台のベッドをく
っつけて、みんなで寝るのも楽しい時間ですね。
ライフサイクルに合わせて、素敵な寝室の時間をパー
トナーや子供といっしょに楽しみましょう。
2台のベッドを揃えるのは、将来的な利用にも向いています。
将来的には、2台のベッドの間にナイトテーブルを入れ
て、別々のベッドとして使いながらも、統一感のある
寝室に出来たり、
子供が大きくなった時には、独立したベッドとして別
々のお部屋で使うことができるのも良い点です。
将来まで使い続けられるベッドを選びましょう。
さて、続いては、ベッドの見心地のポイントについて
紐解いていきます。
ベッドは、デザインのほとんどは掛け布団などの寝具
によって隠れてしまいます。
ですから、見た目においては「ヘッドボード」が
ベッドのいわゆる「顔」にあたります。
ヘッドボードに照明の機能があったり、収納が付いて
いたりするベッドがありますが、あまり美しいものは
ありません。
照明や収納の機能は、ナイトテーブルにお任せして、
ベッドのヘッドボードは自分が気に入った美しいもの
を選ぶのが良いでしょう。
ヘッドボードにはさまざまな種類がありますので、
お好みに合わせて、デザインを選びましょう。
ちなみにヘッドボードの無いベッドもあります。
ヘッドボードの厚みがない分、奥行きを削減できるの
で、小さなお部屋にはおすすめです。
「ヘッドボードがないということは、顔がないの?」
という疑問が湧いてきますが、ヘッドボードのないベ
ッドを選ぶ場合は「枕やクッションが顔」となります。
枕やクッションをシンメトリー(左右対象)に置いて
小さめのクッションと合わせて置くことで、ヘッドボ
ードが無くても、美しい顔を作ることもできます。
ベッドの顔は「ヘッドボード」と書きましたが、
ベッドの洋服は「ブランケットなどの布」です。
寝具は、掛け布団、シーツ、枕など、基本的には「白」
を中心とした「清潔感、無機質」なものが多いです。
汚れた時にはしっかりと目立つので、清潔に保つため
には「白色」というのが最適です。
清潔感はあるけれど、少し物足りない
ですが、お部屋の中に「大きな白色」があるだけだと
見た目に「美しい」というものではありません。
清潔な印象ではあるけれど、すこし物足りない印象に
感じてしまいます。
ですので、ここにたったひと手間を掛けましょう。
寝具の上から「ブランケット」をばさっと全体を覆う
ように掛けるだけです。
ブランケットは大きな布ですので、1枚掛けるだけで
ベッド全体を覆い隠すような感じになります。
好みの色やデザインのブランケットを掛けてあげるこ
とで、ベッドは洋服を着せ替えるように表情を変えて
くれます。
ブランケットには、春夏用の薄手のものと、秋冬用の
厚手のものがありますので、季節に応じて掛けかえる
ことで、見た目と同時に、保温性能を変えることもで
きます。
朝起きた時にも、ベッドメイキングがとても楽ですの
で、ぜひブランケットを合わせて選ぶようにしましょう。
ベッドの選び方を「見心地」と「使い心地」の両方の
視点から紐解きました。
あらためてまとめますと、
です。
ベッドは寝室というプライベートなスペースに置く家
具ですので、人に「見せる」という機会は少ないかも
しれません。
しかしながら、1日の疲れた体を癒す場所でもあります
ので、自分自身が心地よく過ごせるように家具を選ぶ
ことで、心と体をゆっくりと休めやすくなります。
ベッド選びも使い心地と見心地にこだわって、良いも
のをお選びいただければと思います。
リセノの各店舗には、リセノの提唱する「センスのい
らないインテリア」のセオリーについて研修を受け、
社内試験に合格したスタッフが在籍しています。
記事だけでは分かりづらいところや、具体的なセオリ
ーの使用方法などについては、ぜひ店舗にてスタッフ
にご質問いただければと思います。
※おかげさまで土日祝についてはたくさんのご来店を
いただく関係上、ゆっくりとご案内が難しい場合が
ございます。
平日などは比較的ゆっくりとご案内できますので、
宜しければご検討くださいませ。
各店舗の空き状況のご確認や来店のご予約は
以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
https://www.receno.com/shop/店舗で働くインテリアプロスタッフの経歴や、住んでいるお部屋をご紹介しています。インテリアの知識だけでなく、リセノ家具の体感としてのご案内もいたします。
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