センスのいらないインテリア【スタイリング編】｜長く愛せる家具の選び方（収納家具編）

長く愛せる家具の選び方（第4回／全6回）

1. 基礎知識編
2. ソファー／リビングテーブル編
3. ダイニングテーブル編
4. チェア編
5. 収納家具編（現在のページ）
6. ベッド編

「長く愛せる家具の選び方」は、全6回の連載シリーズです。

どこからお読みいただいてもOKですが「基礎知識編」
では、家具選び全般に関する基礎知識をご紹介してい
ますので、先にお読みいただくのがおすすめです。

センスのいらないインテリアスタイリング編-｜長く愛せる家具の選び方（基礎知識編）

家具選び全般に関する「基礎知識」をご紹介します。

https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2025-01-17.php

小さな日本の住宅では「片づけ」というのは、最も大
きな悩みの種ですね。散らかったお部屋はストレスに
なりますし、素敵なお部屋とは相反する状態です。

この記事では、そんな「大きな片づけ問題」について
ヒントになるように、収納家具選びの

• 使い心地からのポイント
• 見心地からのポイント

の両方を詳しく紐解いていこうと思います。

部屋が散らかる原因は「収納不足と、手軽さ不足」

お客様からいただくアンケートでも、もっとも大きな
家のお悩みは「収納」の問題です。

大抵のお部屋には、クローゼットや押し入れなどの
「お部屋に備え付けられた収納」がありますが、それ
だけでは収納場所が足りないということがほとんどです。

「お部屋を良く見せたいけど、日用品があるから無理。」
「素敵にしたいけど、モノが溢れてそれどころじゃない。」

こんな声がたくさん聞えてきます。

ダイニングは、みんなの荷物が大集合

日本の住宅はとても狭いですから、どうしてもモノが
お部屋の中まであふれてきてしまいがち。

「片づけが苦手だから、私って本当にダメだわ。」

では実はありません。

単純に「モノの量と、収納力」のバランスが合って
いないのです。

とはいえ、嘆いてばかりでは、せっかくの楽しいお部
屋づくりも前に進みません。

ですから、この記事ではそんな「どうしようもない」
を、できるだけ解決できる「収納の基本の考え方」と
ともに、収納家具の効果的な選び方も合わせてご紹介
していきます。

簡単な目次としては

• 家の収納は、クローゼットだけでは足りない
• 家具で収納場所をプラスしてあげる
• 片づけやすい工夫を、お部屋に仕込む
• ずぼらさんでも片付くのが基本

上の4つの考え方を頭に置きながら、収納家具の選び方
をご紹介していければと思います。

収納家具選び　「使い心地」のポイント

お部屋をきれいに保つためには「収納家具」を適切に
選ぶ必要があります。

お部屋を美しくためには、収納家具は強い味方。
使い心地のポイントを紐解いていきましょう。

散らかりやすいダイニングには「キャビネット」を。

ダイニングは、暮らしの中心であり、食事や勉強、仕
事 etc......　たくさんの用途に使われる場所です。

また、お家の中でも中心の場所にあり、人が集まるた
めの場所でもありますから、必然的にたくさんのモノ
たちが集まります。

だからこそ、ダイニングはちょっと目を離すと、テー
ブルの上は、一時置きのバッグや、ノート、雑誌など
とにかく、散らかってしまいがちに。

生活の中心の場所が、常にモノで溢れてしまっては、
ストレスが溜まるばかりで良いことがありません。

そして、一生懸命に片づけても、また数日経てばすぐ
に元通りになるのが、ダイニングの困った点。

とにかく「ポンっ」と気軽になんでも置けてしまうか
ら、テーブル上は常に散らかるのです。

ですから、ダイニングテーブルの上にモノが散らから
ないようにするためには「近くの避難場所」として、
収納家具を合わせて配置するのがおすすめです。

つまりは、

ダイニングの横に、キャビネット（扉付きの収納）を置く

ことです。

散らかるのが分かっている場所のそばに、すぐに片づ
けられる場所を作っておくことで、テーブルの上につ
いつい置いてしまうモノたちが、帰る場所ができます。

さらに、キャビネットは「扉付き」の収納家具ですの
で、整理整頓をしっかりとしなくても、とりあえず
「バサっ」と入れて、扉を閉めてしまえば、片付いて
いるように見えます。

家族も、片づける場所が決まっていて、また、それが
さほど手間にならないというのがポイント。

ダイニング横には、キャビネットを置いておくことで
片づける習慣を持ちやすくなり、結果的に日々のスト
レスの軽減につながるのです。

扉ありの収納家具で「ずぼら収納」を味方に。

キャビネット＝扉ありの収納で、扉が付いていること
で「中が見えない」のがポイントです。

使い心地を考えると、オープンな収納ではなく、扉の
ついた収納家具は、ずいぶんと片づけが楽になります。

なぜなら、扉があることで、物理的に中の収納物が見
えません。

ですから、例えキャビネットの中がばらばらと散らか
っていても、すべて隠すことができるので、日々目に
することがないので、散らかりによるストレスが大き
く軽減できます。

ちなみにあらためて整理しておくと

• 扉のない収納家具　＝　シェルフ
• 扉のある収納家具　＝　キャビネット

と呼びます。

ワンルームや、小さなLDKのお部屋では、シェルフと
キャビネットが一体化した収納棚もおすすめ。

「見せる収納」を楽しみながら、「隠す収納」として
楽に片づけもできる優れものです。

「動線の収納」は、奥行きの浅いものを。

動線は

• 主に通る通路（主動線）　＝　1m以上
• 通る頻度が少ない通路　＝　60cm程度

ほど確保しておくと、快適に過ごすことができます。

主動線が1mに満たない場合は、家族とすれ違う際に
お互いが邪魔に感じたり、食事や洗濯物などを運びづ
らかったりして、生活がしづらくなります。

ですから、お部屋のレイアウトを考えたり、家具のサ
イズを考えるときには、通路分を差し引いて家具を選
ぶ必要があるのです。

いまのお家で、なんとなく暮らしづらいなと感じる方
は、動線について、お部屋を測ってみましょう。

主動線が狭すぎたり、家具と家具の間が近すぎたりす
る場合は、そこを見直す模様替えを検討しましょう。

動線が広くなることで、実は通るときにストレスがあ
ったり、不便に感じていたことが解消されて、日々の
暮らしを快適に変えることができるかもしれません。

日本の住宅は、小さなLDKになりがちですから、ダイ
ニングの周りや、リビングのソファー周りなど、十分
な動線を取りづらい場合が多いでしょう。

ただ、動線が取りづらいからといって、収納家具を減
らしてしまうと、モノがお部屋にあふれてしまって、
ストレスになってしまいます。

ですから、

動線家具に置く収納家具は、奥行きが薄めが◎

です。

通路幅を測りながら、そこを圧迫しないものを選ぶの
が良いでしょう。

「大きな収納」を、壁になじませて収納力UP

お部屋を片付けるのに最高な状態は

収納量　＞＞＞＞　モノ

という状態で、片づけたちモノに対して、収納できる
スペースが「圧倒的に」余裕があることです。

スペースに余裕があれば、片づけはとても楽になるの
は当然のことですね。

ただ、前述からの通り、クローゼットだけでは足りな
いですし、家具を足しても「まだまだ全然足りない」
という方も多いでしょう。

そんな方におすすめしたいのが、

どこかの壁面いっぱいに、収納家具を設置する

という方法です。

例えば、どこかの壁に「キャビネットを壁一面」に
並べます。

そびえたつような高さである必要はなく、高さの低い
ものでもかまいません。

標準的なキャビネットは「奥行き40cm」程度ですから
さほどお部屋が狭くなってしまうことなく、それでい
て、大きな収納力をお部屋に追加できます。

画像を見比べてみると分かりやすいですが、お部屋に
大きな圧迫感を生むことなく、上手にスペースを活用
できているのが分かります。

圧迫感がないわりに、壁面いっぱいの収納というのは
非常に大きな収納力を与えてくれます。

大きな収納でありながら、圧迫感を抑えるポイントは

お部屋の壁色になじむ「白」を選ぶ

こと。

白色は、

• 壁色と同じなので、サイズの割に存在感が大きくない
• 白は膨張色なので、お部屋を広く感じる
• 白は無彩色なので、お部屋の雰囲気を邪魔しない

という特徴があります。

壁一面に大きな収納家具をなじませる様に配置するこ
とで、お部屋の雰囲気を崩さずに、大きな収納力を得
ることができます。

「パパッと収納」を散りばめる

「パパッと収納」とは、

• かごなどを利用して、入れるだけでパパッとしまえる
• 小さな収納場所を増やして、近くにパパッとしまえる

という収納アイデアです。

「収納する」「片づける」というのは、常に面倒なもの。

ついつい「後で入れよう」「またすぐに使うから」と
言っているうちに、お部屋は散らかっていきます。

ですから「収納」をもっと簡単に、気楽にできるように
お部屋に小さな収納アイテムを散りばめておくのです。

たとえば、自然素材で編んだ「かご」などをソファー
の横に転がしておいて、ブランケットや本などを、パ
パパっと入れられる場所を作っておきます。

ブランケットなどは、ソファーの上にぐちゃぐちゃに
広がっていると散らかった印象を強く受けますが、か
ごに入れておくだけで、あら不思議、なんだか片付い
た印象になります。

テーブル上に散乱しながちな、文房具やメモ、キーな
ども同じです。

テーブルうえにバラバラと散らかっていると、いかに
もストレスになりますが、ただボックスに入っている
だけで、ずいぶんと片付いた印象になります。

ボックスにざざっと入れるだけなので、とっても簡単
に片付いた印象にできます。

「また、使ったティッシュが転がってる。」

なんてこと、よくありませんか？

こんなストレスから逃れるためには、パパッと捨てら
れる小さなゴミ箱を、近くに配置しておけば良いのです。

だれもが「散らかしてやろう！」とは思っていなくて
面倒なだけなはず。

お部屋のいろんな場所に、収納できるものを小さく配
置してあげることで、お部屋はずいぶんときれいにな
るのです。

収納家具選び　「見心地」のポイント

続いては、収納家具を「インテリアの一部」として捉
えた時の「見心地」の観点から、選び方を紐解いてい
きましょう。

「見せる2／隠す8」の法則

多くの家の統計データでは、

• 見た目がインテリアとしてプラスに働くもの　　＝　20％
• 見た目がインテリアとしてマイナスに働くもの　＝　80％

という割合になるそうです。

つまりは、家にあるほとんどのものは、インテリアと
しての美しくないものとなります。

インテリアとしてプラスに働くものの代表例は

プラス　：　アート、花瓶、花、デザインされたかご、ファブリック　etc...

といった「美しいもの」たちです。

一方、インテリアとしてマイナスに働くものの代表例は

マイナス　：　郵便物、ティッシュ箱、文房具、爪切り、洋服、おもちゃ　etc...

といった感じで、つまりは「日用品」です。

みなさんもお家を見回してみてください。

「できれば、これは見せたくないなぁ。」

といったものが、たくさん目に入るのではないでしょうか。

それらは、すべて80％に入るべき「隠すべきもの」なのです。

ですから、収納家具を使って「見心地」を良くするた
めには、以下をしっかりと理解しましょう。

安易に「オープン収納」を選ばない

ついついやってしまいがちなのが、

扉のついていない収納　＝　オープン収納

を、あまり深く考えずに選んでしまうことです。

オープン収納は、世の中にはたくさん出回っていて、
収納家具としては、大きさの割には安価なものが多く
あります。

「安くて手頃だし、たくさん入れられるから」

といった理由で購入してしまうと、中身が丸見えの
雑多な収納場所が出来てしまいます。

オープン収納は、本来

見せながら（飾りながら）、収納する

という特性があります。

お気に入りの本やインテリア雑貨などを、日々目につ
くところに置いておいて、取り出しやすかったり、イ
ンテリアとして愛でるのに向いているので、日用品な
どの見せたくないものを「隠して収納する」のには、
向いていません。

ですから「手頃な値段だから」という理由で安易に
オープン収納を選ばず、隠したいものを収納するには
しっかりと「扉付きの収納家具」を買うようにします。

「死角収納」を活用する

「もうすでにオープン収納を買ってしまった。」
「家の作り付けの家具が、扉が無い収納だ。」

といった方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方は「死角収納」というテクニックで、
見せたくないものを収納することもできます。

「死角収納」とは、かごを使って、中に入っているも
のを見えづらくする方法です。

オープン収納であっても、棚によってできる「死角」
と、かご自体に入れる「死角」によって、疑似的に
中身を見えづらくすることができます。

死角収納は、扉の開け閉めがない分、モノへのアクセ
スが良いという利点もあり、片づけと取り出しが心理
的にしやすくもなります。

オープン収納に、見せたくないものをしまう時には、
死角収納を活用しましょう。

美しい「収納雑貨」を活用する

見せたくない80％の日用品たちを、アクセスは良くし
ながらも、上手に隠す方法に「美しい収納雑貨を活用
する」という方法もあります。

たとえば「シェーカーボックス」は、その代表例です。

シェーカーボックスは、見た目が美しいボックスです。
テーブル上に置いていても、その見た目の美しさから
ディスプレイのような佇まいがあります。

美しい姿ながらも、ボックスですので、中には日用品
である、爪切りや体温計、リモコンなどを雑多に入れ
ることができます。

そうすることで、リビングやダイニングでも散らかりがち
なアイテムたちを美しく収納しておくことができます。

「高さ」を揃えることを意識する。

見心地の観点から「高さ」を揃えることは重要です。

例えば、LDKに置くキャビネットの場合も

• ソファー
• ダイニングテーブル
• キャビネット

の高さが大きく異なると、このようにバランスがとて
も悪く見えてしまいます。

△　テーブルと収納棚の高さが揃っていない

家具同士を同じ空間に置く場合には、それぞれの家具
の高さを（完璧に一緒にしなくても良いですが）おお
よそ同じくらいにしておくと、全体としてのバランス
がとれて、美しく見えます。

○　テーブルと収納棚の高さが揃っている

ソファーや、ダイニングの家具選びの記事でも触れま
したが、インテリアは「単体」ではなく「チームワー
ク」でつくるものです。

収納家具においても、ソファーとダイニングとの関連
性を考えながら、選ぶと美しい見心地のお部屋になる
でしょう。

テレビボードは、左右に15cm以上の余白を

収納家具の仲間である「テレビボード」の選び方に
ついても、触れておきましょう。

テレビボード選びにおいては、テレビのサイズとの関
係性がとても大事です。

上の画像のように、大きなテレビに対して、テレビボ
ードが小さなものを選ばれている方をよく目にします。

これは「頭でっかち」になり、バランスが不安定で悪
く、見た目にも美しさが極端に損なわれます。

ですから、テレビボードの大きさは、テレビに対して、

左右に15cm以上の空間ができるサイズを選ぶ

のがポイントです。

左右に15cm以上、つまりはテレビの横幅よりも30cm
以上大きなものを選ぶことで、バランスが良くなります。

左右の余白は大きいほど美しい

ちなみに、テレビに対してテレビボードが大きければ
大きいほどに、見た目に「高級感」を感じられます。

モデルさんが「体に対して、顔が小さい」のと同じで
土台が大きいほどに、上に乗っているものの比率が下
がり、美しく見えるのです。

テレビを置く壁の幅に余裕があるようであれば、テレ
ビに対して、より大きなテレビボードを買うのもおす
すめです。

セオリーのまとめ

収納家具の選び方を「見心地」と「使い心地」の両方
の視点から紐解きました。

あらためてまとめますと、

スタイリングの課題

• 収納家具の選び方が分からない

解決のためのセオリー

• 収納家具の選び方を「見心地」「使い心地」の観点から学ぶ
• 散らかりづらくする収納の基本を学ぶ

スタイリングセオリーの効果

• 収納家具のの選び方が分かる
• お部屋が片付きやすくなる

です。

収納家具は、小さな日本の住宅において、お部屋をき
れいに整えて、ストレスを無くすためにとても大事な
家具です。

この記事では、単に家具の選び方だけではなく、収納
についてのさまざまなアイデアをご紹介しましたので、
ぜひご活用いただければと思います。

さらに詳しくは、ぜひ店舗のプロスタッフにご相談ください。

リセノの各店舗には、リセノの提唱する「センスのい
らないインテリア」のセオリーについて研修を受け、
社内試験に合格したスタッフが在籍しています。

記事だけでは分かりづらいところや、具体的なセオリ
ーの使用方法などについては、ぜひ店舗にてスタッフ
にご質問いただければと思います。

※おかげさまで土日祝についてはたくさんのご来店を
いただく関係上、ゆっくりとご案内が難しい場合が
ございます。

平日などは比較的ゆっくりとご案内できますので、
宜しければご検討くださいませ。

各店舗の空き状況のご確認や来店のご予約は
以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。

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「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。

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