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センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「配色」で、調和と彩りを共存させる(後編)

さて「配色で、調和と彩りを共存させる」の後編です。

前編では

  • 「配色の黄金比」
  • 「配色」の基本
  • 「インテリアで使われる色」
  • 「配色」のコントロール

について紐解きました。

後編では、色選びのヒントについて実例を交えて解説
していきます。

それでは、はじめましょう。

自分にあった「配色」を知る方法

sensecolor24.jpg

さて、いよいよお部屋づくりの実践編に向けて、
後編のスタートです。

後編では、前編で学んだ「配色の基本」に基づいて、
実際に自分のお部屋を作っていけるように解説をして
いきます。

----------

お部屋の配色を考える前にまずしてほしいのは、自分
がどんな色やテイストのお部屋が好きなのかを、自らで
しっかりと把握することです。

いろんな人のお部屋を見て、

「このお部屋が、なんか好き。」
「このお部屋に、なんとなく惹かれる。」

みたいな感じで良いので、自分が良いなと思うお部屋を
自分自身で知ってほしいのです。

これが決まっていないと、ゴールが分からなくなって、
途中で迷子になってしまうからです。

20230215-04.jpg

自分が目指すお部屋を知るのには、さまざまな方法が
あります。

いろんな雑誌を見るのも良い勉強ですし、テレビなど
で住宅関連のものを見るのも良いでしょう。

_17_pinterestひらいてるスマホ.jpg

中でも、僕たちの経験から、もっともおすすめなのは、
pinterestや、instagramなどで理想のお部屋をクリップ
していくことです。

たとえば、pintestのサイトで「お部屋 おしゃれ」など
のワードで検索してみましょう。

_18_pinterestでおへや おしゃれ の検索結果を出しているスマホ.jpg

その中から自分が良いと思ったお部屋を、どんどんと
クリップしていって、好きなお部屋の写真を貯めてい
きます。

そして、10枚~30枚くらい好きなお部屋が貯まってき
たら、あらためてそれらの写真を1枚ずつみながら、お
部屋ごとの共通点について、分析してみます。

sensecolor2-_r1_c4.jpg

例えば、この写真のお部屋であれば

  • ベースカラーは「ホワイト」
  • メインカラーは「ヴィンテージレッド、グレー、ベージュ」
  • アクセントカラーは「うすいピンク」

ということが分かります。

そうすると、自分自身が

  • ベースは、ホワイトのすっきりしたお部屋が好きかも?
  • メインは、ナチュラル系より、深みのある色の家具が好きかも?
  • 淡いピンクの色味が、かわいくて好きかも?

というように、客観的に自分の好みを、配色の黄金比
と照らし合わせながら、自分自身で把握することがで
きます。

_19_pinterest クリップ集(マイページ)のスマホ画面.jpg

これを1枚だけではなく、クリップした画像を1つずつ
分析していくことで、おそらくは共通する好みの要素
が分かるようになってくるはずです。

この方法は、とてもシンプルですが、とても効果の
高い方法です。

僕たちインテリアのプロも、同じようにたくさんの
お部屋を見て、その中の構成要素の共通点を探しだし、
お部屋のコンセプトに活かしたりします。

ぜひとも、まず最初の一歩として、好きなお部屋集め
をやってみてもらえればと思います。

自宅で実践できる「配色のヒント」

さて、続いては、自宅で実践する際に参考にできる様に
配色についてヒントを書いていきます。

「ベースカラー」の配色のヒント

sensecolor2-_r6_c14.jpg

ベースカラーは、

  • 70% = 壁、窓、床、天井

でしたね。

順番に見ていきましょう。

壁の配色

Skype_Picture_2024_06_25T13_54_50_732Z.jpeg

壁のカラーの基本は、無彩色の「白」です。

ベースとなるキャンバスにあたる場所ですので、あまり
色は入れないのが「基本であり、王道」です。

新しくお家を建てる場合などには、白を基調としましょう。

Screenshot 2024-06-27 at 16-06-00 20230428124042-thumb-autoxauto-q98.jpg

お家によっては「アクセント壁/クロス」と呼ばれる
一面だけに色が入った壁をつくる場合もあります。

賃貸であっても、D.I.Yで手軽に壁紙を張れるような商品
もたくさん出ていますので、やってみたいという方もい
らっしゃるでしょう。

壁は、お部屋の「70%を占めるベースカラーの一員」
ですから、お部屋の印象を大きく変えることができます。

色壁‗オレンジ.jpg

一方、

「やってみたけれど、気に入らない。」
「最初は良かったけど、飽きた。」

といった時にも、その大きな印象の変更をしづらいと
いうデメリットもあります。

AdobeStock_ピンタレスト.jpg

壁に色を入れる時には、事前に自分の好みをpinterest
などで見つけて、じっくりと考えてから実行する様に
しましょう。

あくまでも

壁は、白が「基本」であり、「王道」でもある。

であり、長く使っていく土台となる「ベースカラー」
ですので、シンプルにしておくのがおすすめです。

参考例のおしゃれなお部屋たちも、壁は白が基本です。

壁の配色 参考例

参考画像

事例‗壁白③.jpg
基本の白壁

事例‗壁白⑦.jpg
基本の白壁

事例‗壁白⑥.jpg
ほんのりベージュの色壁

事例‗壁白①.jpg
ほんのりベージュの色壁

事例‗色壁①.jpg
無彩色のグレー色壁

窓の配色

sensecolor25.jpg

壁とひとつづきに位置する「窓」も、基本は
壁の考え方と同じです。

目線の先にあり、お部屋の中で大きな面積を占めるため
お部屋の印象に大きく関わります。

窓自体はガラス(透明)ですので、実際のの配色は
「カーテンや、ブラインドの色」となります。

カーテン&ブラインド.jpg

前述のとおり、大抵のお部屋で窓は「白い壁」と隣り合
う場所にあるため、色の濃いカラーを選んでしまうと、
印象が強すぎてしまいます。

20230117121106.jpg

基本は

  • 白やグレーなどの無彩色
  • アースカラーであれば、薄いナチュラル色

を選んでおくと、お部屋が広く見えて、爽やかな空間に
仕上がります。

「ベースカラー」ですから、余計な色を入れるよりも
自然に、ナチュラルにしておくことで、家具や雑貨の
スタイリングが際立ってくるのです。

lys39.jpg △ 濃い色のカーテン

失敗しがちな例としては、ついつい黒色や濃い色、
柄入りのカーテンなどを選ぶ方がいらっしゃいます。

カーテンは、お部屋の70%を占めるベースカラーの
位置づけですので、ここに強い色や柄が入ってしまう
と、面積が大きいこともあり、お部屋の印象を大きく
引っ張ってしまいます。

lys40.jpg

大きな面積を占めるカーテンは、お部屋のベースを整え
る役割を担ってもらうのが最適ですので、シンプルな
色味のものを選ぶようにしましょう。

カーテンにこだわりを入れたい場合は、色や柄ではなく、
天然素材のカーテンなどを採用して、素材感の美しさで
個性を出す様にするのが良いでしょう。

窓の配色 参考例

参考画像

事例‗窓①.jpeg
スタッフ愛用率No.1は、お部屋が広くみえるアイボリーのリネンカーテン

窓周り②.jpg
2トーンカラーのカーテンは、天井が高く見える効果も

窓周り③.jpg
布類が集まる寝室は、ブラインドでスッキリと

事例‗窓②.jpg
天然素材のリネンカーテンは、柔らかい陽が差し込む

事例‗窓③.jpg
テーブル周りは、タッセルをつけてスッキリと

床の配色

床色‗2分割.jpg (上)フローリング/(下)カーペット

床のカラーは、おおよそ

  • フローリング = アースカラー
  • カーペット、タイル = 無彩色

のどちらかになります。

フローリングは、あたたかみのある印象に。

20230315.jpg

フローリングは、アイボリー、ベージュ、ブラウンなど
さまざまな色がありますが、おおよそ共通しているのは
どれも「アースカラー」であり、「木の色」を基にした
色味になっていることです。

フローリングは、床材の中でもっとも一般的で、最も
多く採用されています。

カラーサンプル.jpg

賃貸の場合は、最初から床にフローリングが張られて
いることがほとんどでしょう。

お家を建てられる方や、リノベーションされる方で、
フローリングの色味を選べる段階にいらっしゃる方は、
pinterestなどで集めた「自分好みのお部屋」に合う色
を選びましょう。

ナチュラル_床 濃いめのブラウン.jpgブラウンの床にナチュラルカラーの家具も良いですが...

ちなみに、人によっては

「本当は、ナチュラル色のインテリアが好きだけど、
 床色が濃いブラウンだから、どうしよう...」

と、賃貸で床色がすでに決まっていて、自分の好みと
合わずに、お困りの方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合にも、良い対処方法があります。

20230315-2.jpg 小さなお部屋では、大きなラグで床が見えない

もっとも手軽なのは、

「大きなラグマットを採用して、床の見えている部分を少なくする」

ことです。

そうすることで、床の大半が見えなくなるので、自分
好みの床に近づきます。小さなお部屋では、この方法
で上手にお部屋の印象を変えることができます。

また、広めのお部屋などでは、床の印象をもっと抜本
的に変える方法もあります。

それは、次にご紹介するカーペットを敷く方法です。

カーペットは、無彩色で上質な印象に。

lys13.jpg

お家を建てたり、リノベーションしたりする場合は、
フローリングではなく、カーペットを選択することも
できます。

また、賃貸などで床の色が好みと合わない場合には、
市販のカーペットや、タイルカーペットなどをフロー
リングの上から敷き詰めることで、カーペットの床に
変更してしまうことも可能です。

lys6.jpg

市販のカーペットや、タイルカーペットを使って、
DIYすれば、数万円程度で大きく印象を変えること
ができます。

カーペットの色味のおすすめは、無彩色の中間色で
ある「グレー」です。

グレー色の床は、ホテルのように上質な印象を与えて、
お部屋の雰囲気をがらっと変えてくれます。

sensecolor14.jpg (上)フローリング/(下)カーペット

床色を変えることで、こんなにも大きく印象を変える
ことができます。

画像のように

「ナチュラルの床に、ナチュラルの家具」

を置くと、よりあたたかみのある雰囲気になり、

「グレーの床に、ナチュラルの家具を置く」

と、家具の色が浮き立ち、家具の印象を引き立てる
効果もあります。

床の配色 参考例

参考画像

事例‗床③.jpg
一般的なアースカラー(ナチュラル・無垢)の床

事例‗床①.jpg
ミッドブラウンの床は、落ち着いた印象に

ひとり暮らし.jpg
小さな1Rは、ラグマット1枚で大きく印象が変わる

事例‗床④.JPG
床一面をグレーのカーペットにすることで、アイテム数が少なくても存在感が増す

Skype_Picture_2024_08_02T06_10_28_920Z.jpeg
アイボリーのカーペット×レッドのラグを組み合わせて、味わい深さを足す

天井の配色

天井‗寄り.jpg

天井のカラーは、大抵の場合、壁と同じ「白色」です。

白のように「明るい色」は、空間を広く見せる効果が
あるからです。

天井モルタル残し.jpg
モルタル残しの天井

リノベーションを施したお家の場合に、天井をグレー
のコンクリート色のままにしたり、高級な注文住宅の
場合は、天井に木を施したりすることがあります。

天井に白以外を使う場合は、空間に重厚感を与えること
ができます。

天井木製‗福岡店.jpg Re:CENO 福岡店は、天井に木を施して、高級感を訴求しています。

ただ、天井の明るさが下がる分、お部屋は重い印象に
なりますので、よほど明確に好みが決まっている場合
以外は、白色をおすすめします。

「メインカラー」の配色のヒント

配色_r1_c7.jpg

メインカラーは、

  • 25% = 家具、ラグ

でしたね。

家具の配色

★5-2_135x190の話(小さなリビング)_BIANCA-DIA_247A4543.jpg

家具のカラーは、おおよそ

  • 木製家具のナチュラル、ブラウンなど「アースカラー」
  • メラミン、プリント材などを使った「無彩色」
  • ファブリックのカラー

で構成されます。

家具は、木製のものが多いですから、必然的に木の色を
活かした、ナチュラル、ブラウンなどのアースカラーが
多くなります。

「木=地球に自然に存在する」ですから、まさにアース
カラーですね。

sensecolor2.jpg

前編でもご紹介したように、木の色といっても様々な
印象の変化があります。

同じお部屋でも、メインカラーである家具の色を変える
と大きく印象が変わりますので、自分の好みのイメージ
に合わせてお選びください。

ダイニング横‗引っ越し後.jpg

一方、お部屋の中に「木製家具」ばかりだと、すこし
重い印象を与えることもあります。

その場合は、テーブルや収納棚に「白」や「グレー」の
無彩色を取り入れることで、ベースカラーに溶け込む様
に存在感を減らすことができ、バランスの良いお部屋に
することができます。

1.jpg

また、白やグレーの家具を採用することで、お部屋に抜
け感を与えることができ、さっぱりした印象になります。

「pinterest」などで集めた理想のお部屋を見ながら、
アースカラーの家具と、無彩色の家具のバランスを
調整すると良いでしょう。

ファブリック(布)の配色

ニーチェア‗ファブリック.jpg

家具は、アースカラーや無彩色で作られているものが
多いですが、ソファーの生地や、チェアの生地など、
ファブリックが張られているものもあります。

ソファーは、特に「ファブリック(布)」の面積が大き
い家具ですので「ソファーの色選び = 布選び」だとも
いえます。

lys41.jpg △ ビビットなオレンジ色のファブリック

ただし、ソファーなどの大きな面積を占める家具に、
あまりに強すぎるカラーを選ぶのは、配色の面では、
すこし危険です。

こちらは、前編の「トーン」の項でご説明しましたね。

面積の大きいメインカラーですから、際立ちすぎた色を
選んでしまうと、お部屋全体の印象が引っ張られてしま
い、全体の調和に苦労してしまいます。

また、ソファーは、良いものになるほどに耐用年数が
長いですので、簡単には入れ替えることができません。

naturawi-blog1.jpg

リセノとしておすすめしているのは、ソファー自体は
シンプルな生地を選んでおいて、クッションやブラン
ケットの色味で、鮮やかさをプラスすることです。

つまりは、アクセントカラーによって、色を足してあげ
るのです。こうすることで、色味に飽きてしまっても、
気軽に色を変更することができます。

また、どうしてもソファー全体に強い色を選びたい場合
には、飽きてしまった時の対策として、

  • カバーを変えられるソファーを選ぶ
  • レピテーションを学んで、他のアイテムでも同じ色を使う

ようにしましょう。

レピテーションについては、お部屋に繰り返し同じ色を
使うことで、印象を調和させていくテクニックです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

家具の配色 参考例

参考画像

事例‗壁白④.jpg
ベージュのファブリックとブラウン家具をレピテーションすると、コントラストが美しい

After_1.jpg
お部屋を広く見せるアイボリーをレピテーション

★.jpg
床一面にグレーのカーペットを敷くと、さらに広見えする

事例‗床⑤.jpg
同じカラーの家具でそろえるとゴチャゴチャせず、小物が映える

ダイニング横‗引き.jpg
濃い色の床は、白色の家具を混ぜて圧迫感をへらす

ラグの配色

https://www.receno.com/rag/luce/img/2-b.jpg

ラグマットについても、配色のヒントをお教えしましょう。

ラグマットもベースカラーであり、占める面積が広いで
すので、お部屋の印象を大きく左右します。

自分の理想イメージを参考に、お好みのカラーをお選び
いただくと良いですが、ここでは、お部屋に統一感を
与えやすいおすすめのカラーをご紹介します。

ラグ①.jpg

リセノでは「統一感のあるリラックスできるお部屋」
作りを推奨していますので、ラグマットも他と同様に

  • 柔らかな印象を与える「アースカラー」
  • 上質な印象を与える「無彩色」

のどちらかを選ぶことで、お部屋全体の調和が高まる
方法をおすすめしています。

アースカラーと無彩色を、様々な場面で統一して選んで
いくことで「5%のアクセントカラー(アイテム)」が
より華やかなスパイスとして効いてくれるのです。

https://www.receno.com/rag/travel/img/1-b.jpg

ベースカラーのラグマットに、アースカラーを選ぶこと
で、お部屋にやわらかな色合いをプラスできます。

床の色に近いカラーを選ぶことで、馴染みが良くなり、
ほっこりとした温かな印象を与えてくれます。

ラグ⑥.jpg

夏には、ジュートなどの自然素材で編まれたラグマット
もおすすめです。植物の繊維で編まれており、こちらも
まさにアースカラーそのもの。

フローリングとの相性が良く、お部屋に統一感をもたら
してくれます。

ラグ‗グレー寄り.jpg

白やグレーなど、無彩色のラグマットを入れるのも
メインカラーのラグマットとしては、良い選択です。

アースカラーのラグマットと比較すると、無彩色のラグ
マットは、アースカラーのあたたかみをやわらげ、上質
で、クールな印象にお部屋を変化させてくれます。

フローリングの床や、木製の家具などが多いお部屋で、
すこし大人の雰囲気や、上質な雰囲気を持たせたい場合
には、グレーのラグマットを選ぶことで、印象を中和さ
せてくれるのです。

ラグ色‗NG.jpg NG例

唯一やってはいけないのは、

「お店で見て、かわいくて買ってしまった。」

というこんな強い色味が浮き立つようなラグ選びです。

大きな面積に強い色が入ってしまうことで、全体の調和
が崩れてしまい、せっかくのお部屋が台無しに。

ラグマット選びは、冒険しすぎないようにしましょう。

ラグマットの配色 参考例

参考画像

ラグ事例⑦.jpg
のっぺりしがちな無彩色のホワイトは、パイルの長さなど素材感で表情を足す

ラグ事例③.jpg
さりげないプリミティブな模様で彩る

ラグ事例⑧.jpg
チェック柄も、トーンを抑えたアースカラーのため悪目立ちしない

ラグ事例⑥.jpg
アクセントクロスのブルーと、シェーカーボックスの赤をラグマットのカラーで拾うと◎

ラグ事例⑤.jpg
トーンを抑えたレッドカラー。落ち着きを感じられる空間に

「アクセントカラー」の配色のヒント

配色_r1_c3.jpg

さて、最後の仕上げとなるアクセントカラーのヒントです。

アクセントカラーは、

  • 5%  = ファブリック(布)、雑貨など

でしたね。

ベースカラーによる土台、メインカラーによる主役に対
して、クッションや雑貨小物など、小さいけれどお部屋
のスパイスとなるインテリアたちです。

ファブリック(布)の配色

el-thyme-bl-blog1.jpg

ソファー生地などと異なり、ブランケットやクッション
など、取り換えの効きやすいアイテムは、アクセントと
して取り入れるべきインテリアのひとつです。

家具やラグがシンプルな配色で構成されていることで、
お部屋にスパイスとしての影響力を与えてくれます。

el-thyme-bl-blog15.jpg

例えば

  • 「ナチュラル×アイボリー」をお部屋のテーマに選び
  • 「ベース・メインカラーを統一した」スタイリングに
  • アクセントとして「ピンク系のクッションやブランケット」を足します。

そうすることで、強い発色ではない「淡い色」であって
も、十分に際立ったスパイスとして機能してくれます。

アクセントカラーだからと言って、特別に明るい色や、
活発な色、派手な色を選ぶ必要はありません。

お部屋の中で調和させながらも、すこしポイントとなる
ような色味を足してあげるだけで良いのです。

ブランケット‗寝室.jpg

また、寝具は「シンプルな白色」が清潔感があり、
一般的にも選ばれやすい色です。

ただ、大きな面積である寝具が、真っ白なだけだと、
お部屋の見心地としては、すこし物足りない印象に
なりがちです。

ですから、寝具の上にアクセントカラーとなるブラン
ケットを1枚かけてあげましょう。それだけでベッド
の印象は、とても良くなります。

同じカラー系統のクッションなどをレピテーションで
使ってあげると、より美しいベッドシーンの完成です。

el-thyme-bl-blog11.jpg

また、アースカラーと無彩色は、常に仲の良い配色の
関係ですので、チェアにアクセントとしてブランケット
を1枚かけるのはどうでしょう。

無彩色の面積が大きくなることによって、上質な印象を
強めることもできます。

アクセントとして、ファブリックをうまく使うことで
お部屋の印象はコントロールできるのです。

ファブリックの配色 参考例

参考画像

リネンクッションカバー ナトゥーラ.jpg
アースカラー(緑)のクッション・ブランケット

ブランケット‗ダイニング.jpg
アースカラー(緑)のブランケット

無彩色コーデ.jpg
無彩色(黒、グレー)のブランケット・クッション

素材レピのスタイリング事例‗リネン素材.jpg
アースカラー(ブルー)のブランケット・クッション

ブランケット‗寝室②.jpg
無彩色(ブラック)のブランケット・クッション

植物の配色

配色_r1_c13.jpg

植物のカラーも、お部屋の良いアクセントになります。

植物は、グリーン系統のアースカラーですが、特に大き
なサイズの観葉植物は、お部屋に大きなサイズの緑色を
与えてくれます。

lys34.jpg

サイズが大きな観葉植物も良いですし、小さなサイズ
のものをスツールに載せたり、たくさん集めるエリア
を作ったりも良いですね。

人工物ではない複雑な形状も相まって、お部屋の良い
アクセントになるのです。

アクセントカラー‗フラワーベース.jpg

花瓶に植物を活けるのも、お部屋の配色として良い
アプローチです。

赤、青、黄色、ピンクなど、いろんな色のお花を季節
ごとに活けることで、季節感を感じさせながらも、お
部屋に彩りを与えることができます。

また、花瓶の色合いも良いサイズの配色になりますので
アクセントカラーに使えます。

ドライフラワー.jpg

ドライフラワーも、かすれた色合いが情緒深く、落ち着
いた印象を与えてくれます。

植物は、お部屋にとって欠かせないアクセントですので、
いくつか配置すると良いでしょう。

植物のカラー 参考例

参考画像

lys35.jpg
植物は、お部屋の緊張感を和らげる効果も

植物②.jpeg
大きいサイズ×細かい葉っぱは、上質な印象に

植物③.jpg
棚の上には、手軽に手に入る小型の植物を並べてみる

20240925145822.jpg
アースカラーのお花で、ソファー横の空いた空間を彩る

247A5280.jpg
小型植物は、スツールで高低差をつける

雑貨・小物の配色

20240403-4.jpg

雑貨・小物たちのカラーも、アクセントカラーとして
お部屋に配色すると良いでしょう。

カーテンや、家具、ラグなどと違って、小さなアイテム
たちは、良くも悪くも、空間全体には大きな影響は与え
ません。

しかしながら、ちょっと目にするディスプレイに配色が
されていることで、かわいらしさやユニークさ、こだわ
りなどの印象を与えることができます。

sensecolor2-_r1_c2.jpg

無彩色の「ブラックの時計や、花瓶」などは、
引き締め効果をもたらしてくれます。

  • 「ヴィンテージレッドの深みのある家具」の中に、
  • ワントーン明るいオレンジの色味の「シェーカーボックス」を加え
  • ブラックを散りばめるることで、全体を引き締める

といったこともできます。

sensecolor2-_r6_c1.jpg

グレーの時計やテーブルライト、ホワイトの花瓶は、
すべて無彩色です。

  • さわやかなナチュラルカラーに
  • あえて無彩色の花瓶や時計を選んで、さり気なく彩る
  • アートにも薄めのブラウン

により、全体的な「調和」を重視したスタイリングも
良いでしょう。

ひとつひとつを目立たせるのではなく、全体の調和を
生かした配色です。

アイテム数の割に、とてもすっきりと見えますね。

配色_r1_c1.jpg

こちらは、家具のヴィンテージレッド色と合わせた
小物の配色です。

  • 家具と同色のボックスや、ブックエンド
  • 真鍮のゴールド色を、時計とお皿でレピテーション
  • 無彩色の白も差し込む

することで、落ち着きがありながらも、高級感も感じ
られる配色に仕上げています。

これらの例のように、配色をコントロールすることで、
自分だけの素敵な小物ディスプレイを楽しむことがで
できます。

ディスプレイについては、以下のエントリーもぜひ
合わせてお読みください。

雑貨・小物の配色 参考例

参考画像

事例‗雑貨③.jpg
初心者におすすめは、2つ同じアイテム+アクセント(真鍮など)で飾る

エモカット.jpg
トーンを揃えれば、無彩色とアースカラーをたくさんMIXしてもまとまる◎

アクセントカラー‗フラワーベース2.jpg
フラワーベースと同じ色のお花を選ぶと、失敗しづらい

事例‗雑貨①.jpg
アースカラー(オブジェやボックス)と無彩色(本)は、相性ばっちり

事例‗雑貨②.jpg
ユニークさや個性の研究は、手軽に購入できるお花から始めてみる

<コラム>派手なカラーは、隠しましょう。

20230406-44.jpg

さて、最後にひとつアドバイスを付け加えておきましょう。

無彩色とアースカラーに絞った統一感のあるお部屋の中
に、日用品などの派手な色が入ってしまうと、世界観が
崩れてしまいます。

例えば、本の背表紙や、洗剤のボトルなどは、売り場で
人の注目を集めるために、かなり派手な装飾がされて
いることが多いです。

コラム‗背表紙とる.jpg 本のカバーを外してディスプレイする

ですから、スプレーなどの派手な生活用品は、シンプル
なボトルに詰めかえる、本などは背表紙を外すことで、
シンプルな印象に変えることができます。

20230406-18.jpg いちばん楽なのは、扉付き収納

また、もっと手っ取り早いのは、隠す収納や死角収納を
使って、物理的に目に入りづらくすることです。

こうすることで、余計な色がお部屋に入り込みづらく
なり、美しい配色が保てます。

「余計な日用品は見せない」が、基本ですね。

20230410-09.jpg

すこしの工夫で、生活のノイズとなるアイテムたちの
印象を減らすことは可能です。

お部屋をきれいに整える際には、細かなところも合わ
せて整るようにしましょう。

セオリーのまとめ

sensecolor30.jpg

さて「配色で、調和と彩りを共存させる」のセオリー
前・後編はいかがでしたでしょうか。

「配色」と聞くと、専門的な知識がないとできないと
思いがちですが、紐解いていくと、そこにも基本とも
言うべきルールが見えてきます。

あらためてまとめますと、

スタイリングの課題

  • 配色が分からない
  • ごちゃごちゃした配色や、殺風景になりがち

解決のためのセオリー

  • 配色の黄金比率「70:25:5」
  • インテリアの95%を占める「無彩色とアースカラー」
  • 配色バランスを調整する
  • 自分にあった配色を知る
  • 配色のヒントを参考にする

スタイリングセオリーの効果

  • 統一感のある配色で、お部屋づくりができる

です。

配色は、ベース、メイン、アクセントという要素ごとに
紐解いて理解すれば、難しいものではありません。

配色をきっかけに、俯瞰的にお部屋の色構成を考えられ
るようになり、自分自身で配色をコントロールできる様
になると、ますますインテリアづくりは楽しくなります。

ぜひ、今回の配色のセオリーを基に、お部屋づくりを
ますます楽しんでいただければと思います。

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センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「配色」で、調和と彩りを共存させる(後編)

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リセノ制作部 12

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『Re:CENO Mag』