センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-10-11.phpセンスのいらないインテリア【スタイリング編】|「配色」で、調和と彩りを共存させる(後編)
さて「配色で、調和と彩りを共存させる」の後編です。
前編では
- 「配色の黄金比」
- 「配色」の基本
- 「インテリアで使われる色」
- 「配色」のコントロール
について紐解きました。
後編では、色選びのヒントについて実例を交えて解説
していきます。
それでは、はじめましょう。
自分にあった「配色」を知る方法
さて、いよいよお部屋づくりの実践編に向けて、
後編のスタートです。
後編では、前編で学んだ「配色の基本」に基づいて、
実際に自分のお部屋を作っていけるように解説をして
いきます。
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お部屋の配色を考える前にまずしてほしいのは、自分
がどんな色やテイストのお部屋が好きなのかを、自らで
しっかりと把握することです。
いろんな人のお部屋を見て、
「このお部屋が、なんか好き。」
「このお部屋に、なんとなく惹かれる。」
みたいな感じで良いので、自分が良いなと思うお部屋を
自分自身で知ってほしいのです。
これが決まっていないと、ゴールが分からなくなって、
途中で迷子になってしまうからです。
自分が目指すお部屋を知るのには、さまざまな方法が
あります。
いろんな雑誌を見るのも良い勉強ですし、テレビなど
で住宅関連のものを見るのも良いでしょう。
中でも、僕たちの経験から、もっともおすすめなのは、
pinterestや、instagramなどで理想のお部屋をクリップ
していくことです。
たとえば、pintestのサイトで「お部屋 おしゃれ」など
のワードで検索してみましょう。
その中から自分が良いと思ったお部屋を、どんどんと
クリップしていって、好きなお部屋の写真を貯めてい
きます。
そして、10枚~30枚くらい好きなお部屋が貯まってき
たら、あらためてそれらの写真を1枚ずつみながら、お
部屋ごとの共通点について、分析してみます。
例えば、この写真のお部屋であれば
- ベースカラーは「ホワイト」
- メインカラーは「ヴィンテージレッド、グレー、ベージュ」
- アクセントカラーは「うすいピンク」
ということが分かります。
そうすると、自分自身が
- ベースは、ホワイトのすっきりしたお部屋が好きかも?
- メインは、ナチュラル系より、深みのある色の家具が好きかも?
- 淡いピンクの色味が、かわいくて好きかも?
というように、客観的に自分の好みを、配色の黄金比
と照らし合わせながら、自分自身で把握することがで
きます。
これを1枚だけではなく、クリップした画像を1つずつ
分析していくことで、おそらくは共通する好みの要素
が分かるようになってくるはずです。
この方法は、とてもシンプルですが、とても効果の
高い方法です。
僕たちインテリアのプロも、同じようにたくさんの
お部屋を見て、その中の構成要素の共通点を探しだし、
お部屋のコンセプトに活かしたりします。
ぜひとも、まず最初の一歩として、好きなお部屋集め
をやってみてもらえればと思います。
自宅で実践できる「配色のヒント」
さて、続いては、自宅で実践する際に参考にできる様に
配色についてヒントを書いていきます。
「ベースカラー」の配色のヒント
ベースカラーは、
- 70% = 壁、窓、床、天井
でしたね。
順番に見ていきましょう。
壁の配色
壁のカラーの基本は、無彩色の「白」です。
ベースとなるキャンバスにあたる場所ですので、あまり
色は入れないのが「基本であり、王道」です。
新しくお家を建てる場合などには、白を基調としましょう。
お家によっては「アクセント壁/クロス」と呼ばれる
一面だけに色が入った壁をつくる場合もあります。
賃貸であっても、D.I.Yで手軽に壁紙を張れるような商品
もたくさん出ていますので、やってみたいという方もい
らっしゃるでしょう。
壁は、お部屋の「70%を占めるベースカラーの一員」
ですから、お部屋の印象を大きく変えることができます。
一方、
「やってみたけれど、気に入らない。」
「最初は良かったけど、飽きた。」
といった時にも、その大きな印象の変更をしづらいと
いうデメリットもあります。
壁に色を入れる時には、事前に自分の好みをpinterest
などで見つけて、じっくりと考えてから実行する様に
しましょう。
あくまでも
壁は、白が「基本」であり、「王道」でもある。
であり、長く使っていく土台となる「ベースカラー」
ですので、シンプルにしておくのがおすすめです。
参考例のおしゃれなお部屋たちも、壁は白が基本です。
壁の配色 参考例
参考画像
基本の白壁
基本の白壁
ほんのりベージュの色壁
ほんのりベージュの色壁
無彩色のグレー色壁
窓の配色
壁とひとつづきに位置する「窓」も、基本は
壁の考え方と同じです。
目線の先にあり、お部屋の中で大きな面積を占めるため
お部屋の印象に大きく関わります。
窓自体はガラス(透明)ですので、実際のの配色は
「カーテンや、ブラインドの色」となります。
前述のとおり、大抵のお部屋で窓は「白い壁」と隣り合
う場所にあるため、色の濃いカラーを選んでしまうと、
印象が強すぎてしまいます。
基本は
- 白やグレーなどの無彩色
- アースカラーであれば、薄いナチュラル色
を選んでおくと、お部屋が広く見えて、爽やかな空間に
仕上がります。
「ベースカラー」ですから、余計な色を入れるよりも
自然に、ナチュラルにしておくことで、家具や雑貨の
スタイリングが際立ってくるのです。
△ 濃い色のカーテン
失敗しがちな例としては、ついつい黒色や濃い色、
柄入りのカーテンなどを選ぶ方がいらっしゃいます。
カーテンは、お部屋の70%を占めるベースカラーの
位置づけですので、ここに強い色や柄が入ってしまう
と、面積が大きいこともあり、お部屋の印象を大きく
引っ張ってしまいます。
大きな面積を占めるカーテンは、お部屋のベースを整え
る役割を担ってもらうのが最適ですので、シンプルな
色味のものを選ぶようにしましょう。
カーテンにこだわりを入れたい場合は、色や柄ではなく、
天然素材のカーテンなどを採用して、素材感の美しさで
個性を出す様にするのが良いでしょう。
窓の配色 参考例
参考画像
スタッフ愛用率No.1は、お部屋が広くみえるアイボリーのリネンカーテン
2トーンカラーのカーテンは、天井が高く見える効果も
布類が集まる寝室は、ブラインドでスッキリと
天然素材のリネンカーテンは、柔らかい陽が差し込む
テーブル周りは、タッセルをつけてスッキリと
床の配色
(上)フローリング/(下)カーペット
床のカラーは、おおよそ
- フローリング = アースカラー
- カーペット、タイル = 無彩色
のどちらかになります。
フローリングは、あたたかみのある印象に。
フローリングは、アイボリー、ベージュ、ブラウンなど
さまざまな色がありますが、おおよそ共通しているのは
どれも「アースカラー」であり、「木の色」を基にした
色味になっていることです。
フローリングは、床材の中でもっとも一般的で、最も
多く採用されています。
賃貸の場合は、最初から床にフローリングが張られて
いることがほとんどでしょう。
お家を建てられる方や、リノベーションされる方で、
フローリングの色味を選べる段階にいらっしゃる方は、
pinterestなどで集めた「自分好みのお部屋」に合う色
を選びましょう。
ちなみに、人によっては
「本当は、ナチュラル色のインテリアが好きだけど、
床色が濃いブラウンだから、どうしよう...」
と、賃貸で床色がすでに決まっていて、自分の好みと
合わずに、お困りの方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合にも、良い対処方法があります。
小さなお部屋では、大きなラグで床が見えない
もっとも手軽なのは、
「大きなラグマットを採用して、床の見えている部分を少なくする」
ことです。
そうすることで、床の大半が見えなくなるので、自分
好みの床に近づきます。小さなお部屋では、この方法
で上手にお部屋の印象を変えることができます。
また、広めのお部屋などでは、床の印象をもっと抜本
的に変える方法もあります。
それは、次にご紹介するカーペットを敷く方法です。
カーペットは、無彩色で上質な印象に。
お家を建てたり、リノベーションしたりする場合は、
フローリングではなく、カーペットを選択することも
できます。
また、賃貸などで床の色が好みと合わない場合には、
市販のカーペットや、タイルカーペットなどをフロー
リングの上から敷き詰めることで、カーペットの床に
変更してしまうことも可能です。
市販のカーペットや、タイルカーペットを使って、
DIYすれば、数万円程度で大きく印象を変えること
ができます。
カーペットの色味のおすすめは、無彩色の中間色で
ある「グレー」です。
グレー色の床は、ホテルのように上質な印象を与えて、
お部屋の雰囲気をがらっと変えてくれます。
(上)フローリング/(下)カーペット
床色を変えることで、こんなにも大きく印象を変える
ことができます。
画像のように
「ナチュラルの床に、ナチュラルの家具」
を置くと、よりあたたかみのある雰囲気になり、
「グレーの床に、ナチュラルの家具を置く」
と、家具の色が浮き立ち、家具の印象を引き立てる
効果もあります。
床の配色 参考例
参考画像
一般的なアースカラー(ナチュラル・無垢)の床
ミッドブラウンの床は、落ち着いた印象に
小さな1Rは、ラグマット1枚で大きく印象が変わる
床一面をグレーのカーペットにすることで、アイテム数が少なくても存在感が増す
アイボリーのカーペット×レッドのラグを組み合わせて、味わい深さを足す
天井の配色
天井のカラーは、大抵の場合、壁と同じ「白色」です。
白のように「明るい色」は、空間を広く見せる効果が
あるからです。
モルタル残しの天井
リノベーションを施したお家の場合に、天井をグレー
のコンクリート色のままにしたり、高級な注文住宅の
場合は、天井に木を施したりすることがあります。
天井に白以外を使う場合は、空間に重厚感を与えること
ができます。
Re:CENO 福岡店は、天井に木を施して、高級感を訴求しています。
ただ、天井の明るさが下がる分、お部屋は重い印象に
なりますので、よほど明確に好みが決まっている場合
以外は、白色をおすすめします。
「メインカラー」の配色のヒント
メインカラーは、
- 25% = 家具、ラグ
でしたね。
家具の配色
家具のカラーは、おおよそ
- 木製家具のナチュラル、ブラウンなど「アースカラー」
- メラミン、プリント材などを使った「無彩色」
- ファブリックのカラー
で構成されます。
家具は、木製のものが多いですから、必然的に木の色を
活かした、ナチュラル、ブラウンなどのアースカラーが
多くなります。
「木=地球に自然に存在する」ですから、まさにアース
カラーですね。
前編でもご紹介したように、木の色といっても様々な
印象の変化があります。
同じお部屋でも、メインカラーである家具の色を変える
と大きく印象が変わりますので、自分の好みのイメージ
に合わせてお選びください。
一方、お部屋の中に「木製家具」ばかりだと、すこし
重い印象を与えることもあります。
その場合は、テーブルや収納棚に「白」や「グレー」の
無彩色を取り入れることで、ベースカラーに溶け込む様
に存在感を減らすことができ、バランスの良いお部屋に
することができます。
また、白やグレーの家具を採用することで、お部屋に抜
け感を与えることができ、さっぱりした印象になります。
「pinterest」などで集めた理想のお部屋を見ながら、
アースカラーの家具と、無彩色の家具のバランスを
調整すると良いでしょう。
ファブリック(布)の配色
家具は、アースカラーや無彩色で作られているものが
多いですが、ソファーの生地や、チェアの生地など、
ファブリックが張られているものもあります。
ソファーは、特に「ファブリック(布)」の面積が大き
い家具ですので「ソファーの色選び = 布選び」だとも
いえます。
△ ビビットなオレンジ色のファブリック
ただし、ソファーなどの大きな面積を占める家具に、
あまりに強すぎるカラーを選ぶのは、配色の面では、
すこし危険です。
こちらは、前編の「トーン」の項でご説明しましたね。
面積の大きいメインカラーですから、際立ちすぎた色を
選んでしまうと、お部屋全体の印象が引っ張られてしま
い、全体の調和に苦労してしまいます。
また、ソファーは、良いものになるほどに耐用年数が
長いですので、簡単には入れ替えることができません。
リセノとしておすすめしているのは、ソファー自体は
シンプルな生地を選んでおいて、クッションやブラン
ケットの色味で、鮮やかさをプラスすることです。
つまりは、アクセントカラーによって、色を足してあげ
るのです。こうすることで、色味に飽きてしまっても、
気軽に色を変更することができます。
また、どうしてもソファー全体に強い色を選びたい場合
には、飽きてしまった時の対策として、
- カバーを変えられるソファーを選ぶ
- レピテーションを学んで、他のアイテムでも同じ色を使う
ようにしましょう。
レピテーションについては、お部屋に繰り返し同じ色を
使うことで、印象を調和させていくテクニックです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レピテーション」のセオリーをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-07-19.php家具の配色 参考例
参考画像
ベージュのファブリックとブラウン家具をレピテーションすると、コントラストが美しい
お部屋を広く見せるアイボリーをレピテーション
床一面にグレーのカーペットを敷くと、さらに広見えする
同じカラーの家具でそろえるとゴチャゴチャせず、小物が映える
濃い色の床は、白色の家具を混ぜて圧迫感をへらす
ラグの配色
ラグマットについても、配色のヒントをお教えしましょう。
ラグマットもベースカラーであり、占める面積が広いで
すので、お部屋の印象を大きく左右します。
自分の理想イメージを参考に、お好みのカラーをお選び
いただくと良いですが、ここでは、お部屋に統一感を
与えやすいおすすめのカラーをご紹介します。
リセノでは「統一感のあるリラックスできるお部屋」
作りを推奨していますので、ラグマットも他と同様に
- 柔らかな印象を与える「アースカラー」
- 上質な印象を与える「無彩色」
のどちらかを選ぶことで、お部屋全体の調和が高まる
方法をおすすめしています。
アースカラーと無彩色を、様々な場面で統一して選んで
いくことで「5%のアクセントカラー(アイテム)」が
より華やかなスパイスとして効いてくれるのです。
ベースカラーのラグマットに、アースカラーを選ぶこと
で、お部屋にやわらかな色合いをプラスできます。
床の色に近いカラーを選ぶことで、馴染みが良くなり、
ほっこりとした温かな印象を与えてくれます。
夏には、ジュートなどの自然素材で編まれたラグマット
もおすすめです。植物の繊維で編まれており、こちらも
まさにアースカラーそのもの。
フローリングとの相性が良く、お部屋に統一感をもたら
してくれます。
白やグレーなど、無彩色のラグマットを入れるのも
メインカラーのラグマットとしては、良い選択です。
アースカラーのラグマットと比較すると、無彩色のラグ
マットは、アースカラーのあたたかみをやわらげ、上質
で、クールな印象にお部屋を変化させてくれます。
フローリングの床や、木製の家具などが多いお部屋で、
すこし大人の雰囲気や、上質な雰囲気を持たせたい場合
には、グレーのラグマットを選ぶことで、印象を中和さ
せてくれるのです。
NG例
唯一やってはいけないのは、
「お店で見て、かわいくて買ってしまった。」
というこんな強い色味が浮き立つようなラグ選びです。
大きな面積に強い色が入ってしまうことで、全体の調和
が崩れてしまい、せっかくのお部屋が台無しに。
ラグマット選びは、冒険しすぎないようにしましょう。
ラグマットの配色 参考例
参考画像
のっぺりしがちな無彩色のホワイトは、パイルの長さなど素材感で表情を足す
さりげないプリミティブな模様で彩る
チェック柄も、トーンを抑えたアースカラーのため悪目立ちしない
アクセントクロスのブルーと、シェーカーボックスの赤をラグマットのカラーで拾うと◎
トーンを抑えたレッドカラー。落ち着きを感じられる空間に
「アクセントカラー」の配色のヒント
さて、最後の仕上げとなるアクセントカラーのヒントです。
アクセントカラーは、
- 5% = ファブリック(布)、雑貨など
でしたね。
ベースカラーによる土台、メインカラーによる主役に対
して、クッションや雑貨小物など、小さいけれどお部屋
のスパイスとなるインテリアたちです。
ファブリック(布)の配色
ソファー生地などと異なり、ブランケットやクッション
など、取り換えの効きやすいアイテムは、アクセントと
して取り入れるべきインテリアのひとつです。
家具やラグがシンプルな配色で構成されていることで、
お部屋にスパイスとしての影響力を与えてくれます。
例えば
- 「ナチュラル×アイボリー」をお部屋のテーマに選び
- 「ベース・メインカラーを統一した」スタイリングに
- アクセントとして「ピンク系のクッションやブランケット」を足します。
そうすることで、強い発色ではない「淡い色」であって
も、十分に際立ったスパイスとして機能してくれます。
アクセントカラーだからと言って、特別に明るい色や、
活発な色、派手な色を選ぶ必要はありません。
お部屋の中で調和させながらも、すこしポイントとなる
ような色味を足してあげるだけで良いのです。
また、寝具は「シンプルな白色」が清潔感があり、
一般的にも選ばれやすい色です。
ただ、大きな面積である寝具が、真っ白なだけだと、
お部屋の見心地としては、すこし物足りない印象に
なりがちです。
ですから、寝具の上にアクセントカラーとなるブラン
ケットを1枚かけてあげましょう。それだけでベッド
の印象は、とても良くなります。
同じカラー系統のクッションなどをレピテーションで
使ってあげると、より美しいベッドシーンの完成です。
また、アースカラーと無彩色は、常に仲の良い配色の
関係ですので、チェアにアクセントとしてブランケット
を1枚かけるのはどうでしょう。
無彩色の面積が大きくなることによって、上質な印象を
強めることもできます。
アクセントとして、ファブリックをうまく使うことで
お部屋の印象はコントロールできるのです。
ファブリックの配色 参考例
参考画像
アースカラー(緑)のクッション・ブランケット
アースカラー(緑)のブランケット
無彩色(黒、グレー)のブランケット・クッション
アースカラー(ブルー)のブランケット・クッション
無彩色(ブラック)のブランケット・クッション
植物の配色
植物のカラーも、お部屋の良いアクセントになります。
植物は、グリーン系統のアースカラーですが、特に大き
なサイズの観葉植物は、お部屋に大きなサイズの緑色を
与えてくれます。
サイズが大きな観葉植物も良いですし、小さなサイズ
のものをスツールに載せたり、たくさん集めるエリア
を作ったりも良いですね。
人工物ではない複雑な形状も相まって、お部屋の良い
アクセントになるのです。
花瓶に植物を活けるのも、お部屋の配色として良い
アプローチです。
赤、青、黄色、ピンクなど、いろんな色のお花を季節
ごとに活けることで、季節感を感じさせながらも、お
部屋に彩りを与えることができます。
また、花瓶の色合いも良いサイズの配色になりますので
アクセントカラーに使えます。
ドライフラワーも、かすれた色合いが情緒深く、落ち着
いた印象を与えてくれます。
植物は、お部屋にとって欠かせないアクセントですので、
いくつか配置すると良いでしょう。
植物のカラー 参考例
参考画像
植物は、お部屋の緊張感を和らげる効果も
大きいサイズ×細かい葉っぱは、上質な印象に
棚の上には、手軽に手に入る小型の植物を並べてみる
アースカラーのお花で、ソファー横の空いた空間を彩る
小型植物は、スツールで高低差をつける
雑貨・小物の配色
雑貨・小物たちのカラーも、アクセントカラーとして
お部屋に配色すると良いでしょう。
カーテンや、家具、ラグなどと違って、小さなアイテム
たちは、良くも悪くも、空間全体には大きな影響は与え
ません。
しかしながら、ちょっと目にするディスプレイに配色が
されていることで、かわいらしさやユニークさ、こだわ
りなどの印象を与えることができます。
無彩色の「ブラックの時計や、花瓶」などは、
引き締め効果をもたらしてくれます。
- 「ヴィンテージレッドの深みのある家具」の中に、
- ワントーン明るいオレンジの色味の「シェーカーボックス」を加え
- ブラックを散りばめるることで、全体を引き締める
といったこともできます。
グレーの時計やテーブルライト、ホワイトの花瓶は、
すべて無彩色です。
- さわやかなナチュラルカラーに
- あえて無彩色の花瓶や時計を選んで、さり気なく彩る
- アートにも薄めのブラウン
により、全体的な「調和」を重視したスタイリングも
良いでしょう。
ひとつひとつを目立たせるのではなく、全体の調和を
生かした配色です。
アイテム数の割に、とてもすっきりと見えますね。
こちらは、家具のヴィンテージレッド色と合わせた
小物の配色です。
- 家具と同色のボックスや、ブックエンド
- 真鍮のゴールド色を、時計とお皿でレピテーション
- 無彩色の白も差し込む
することで、落ち着きがありながらも、高級感も感じ
られる配色に仕上げています。
これらの例のように、配色をコントロールすることで、
自分だけの素敵な小物ディスプレイを楽しむことがで
できます。
ディスプレイについては、以下のエントリーもぜひ
合わせてお読みください。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「ディスプレイ」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-09-06.phpセンス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レピテーション」のセオリーをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-07-19.php雑貨・小物の配色 参考例
参考画像
初心者におすすめは、2つ同じアイテム+アクセント(真鍮など)で飾る
トーンを揃えれば、無彩色とアースカラーをたくさんMIXしてもまとまる◎
フラワーベースと同じ色のお花を選ぶと、失敗しづらい
アースカラー(オブジェやボックス)と無彩色(本)は、相性ばっちり
ユニークさや個性の研究は、手軽に購入できるお花から始めてみる
<コラム>派手なカラーは、隠しましょう。
さて、最後にひとつアドバイスを付け加えておきましょう。
無彩色とアースカラーに絞った統一感のあるお部屋の中
に、日用品などの派手な色が入ってしまうと、世界観が
崩れてしまいます。
例えば、本の背表紙や、洗剤のボトルなどは、売り場で
人の注目を集めるために、かなり派手な装飾がされて
いることが多いです。
本のカバーを外してディスプレイする
ですから、スプレーなどの派手な生活用品は、シンプル
なボトルに詰めかえる、本などは背表紙を外すことで、
シンプルな印象に変えることができます。
いちばん楽なのは、扉付き収納
また、もっと手っ取り早いのは、隠す収納や死角収納を
使って、物理的に目に入りづらくすることです。
こうすることで、余計な色がお部屋に入り込みづらく
なり、美しい配色が保てます。
「余計な日用品は見せない」が、基本ですね。
すこしの工夫で、生活のノイズとなるアイテムたちの
印象を減らすことは可能です。
お部屋をきれいに整える際には、細かなところも合わ
せて整るようにしましょう。
家具を買う前に「見せる収納」と「隠す収納」のメリット・デメリットを理解しましょう。
https://www.receno.com/pen/storages/u7/2023-04-17.phpセオリーのまとめ
さて「配色で、調和と彩りを共存させる」のセオリー
前・後編はいかがでしたでしょうか。
「配色」と聞くと、専門的な知識がないとできないと
思いがちですが、紐解いていくと、そこにも基本とも
言うべきルールが見えてきます。
あらためてまとめますと、
スタイリングの課題
- 配色が分からない
- ごちゃごちゃした配色や、殺風景になりがち
解決のためのセオリー
- 配色の黄金比率「70:25:5」
- インテリアの95%を占める「無彩色とアースカラー」
- 配色バランスを調整する
- 自分にあった配色を知る
- 配色のヒントを参考にする
スタイリングセオリーの効果
- 統一感のある配色で、お部屋づくりができる
です。
配色は、ベース、メイン、アクセントという要素ごとに
紐解いて理解すれば、難しいものではありません。
配色をきっかけに、俯瞰的にお部屋の色構成を考えられ
るようになり、自分自身で配色をコントロールできる様
になると、ますますインテリアづくりは楽しくなります。
ぜひ、今回の配色のセオリーを基に、お部屋づくりを
ますます楽しんでいただければと思います。