昇降式テーブル「CIRCLE」の企画経緯とコンセプト設計についてお話します。
こんにちは。ヤマモトです。
オリジナル家具ブランド「Re:CENO product」より
新作のダイニングテーブルをリリースします。
新作ダイニングテーブルの最大の特徴は、高さを自由
に変えられる「昇降式」であることで、食事以外にも
仕事や勉強でも、真価を発揮するように設計しました。
また、円形、曲線、素材、サイズ感といった点の設計
によって「見心地と使い心地」にもこだわっています。
この記事では、この新作ダイニングテーブルの企画経
緯と、コンセプト設計を紐解いていこうと思います。
「リモートワーク」や「リビング学習」に。
高さを変えられるダイニングテーブル
コロナ禍を経て、自宅でのリモートワークを導入する
企業がとても増えました。
コロナが落ち着いた後も、社会として働き方が見直され
て、継続的に自宅でリモートワークをしている方も多い
ことと思います。
そんな中で、リモートワークをダイニングテーブルで
行っている方は、割と多いそうです。
一般的なテーブルだと、子供の勉強にはちょっと高い......
また、子供も自分の部屋で勉強するのではなく、両親
の目が届くように、ダイニングテーブルやリビングで
勉強する「リビング学習」が増えています。
「リビング学習」は、自室で勉強するよりも分からない
ときに親や兄弟に聞きやすかったり、リラックスして勉
強に臨めたりと、家族の目があることで子供が集中して
頑張りやすかったりするそうです。
つまりは、現代のリビングやダイニングは、今まで以上
に、おうち時間の多くの時間を過ごすためのより「大切
な場所」になってきていると言えるでしょう。
大人も、子供も、みんなLDKに集まって、食事以外の
多くの時間を過ごすのが、現代の暮らしの特徴と言え
そうです。
リモートワークは、猫背になりやすい。
さて、そんな「リモートワーク」や「リビング学習」
において、近年、問題になっているのが、姿勢が悪く
なって、体を痛めてしまうという問題です。
例えば、大人のリモートワーク。
会社であれば、昇降式のチェアやデスクなどで、長時間
の仕事に最適な環境が用意されています。
一方、自宅は会社とは違って、ダイニング選びの基本は
「食事をする」ことに焦点が当てられます。
例えば、ノートPCを使ってリモートワークをする方は
とても多いと思いますが、普段のテーブルとチェアで
仕事をすると、こんな風に猫背で仕事をすることにな
ってしまいます。
これでは、体がしんどくなるのは、必然ですよね。
リモートワークを長くしている方は、体を痛めたこと
によって、ノートPCを高くするガジェットを用意した
り、ダイニングとは別の場所にデスク環境を用意したり
と、工夫をされた方もいらっしゃるでしょう。
特に、ノートPCの高さを上げるだけで、猫背はずいぶ
んと改善されるので、良いアイデアです。
ただ、お子様のいらっしゃるご家庭の場合には、子供
の「リビング学習」は、これでは解決できません。
リビング学習には、テーブルを少し下げたい。
子供の「リビング学習」の環境を整えるためには、大人
が普段使っているよりも、すこしテーブルを下げてあげ
ることで、子供にフィットした高さになります。
特にリビング学習がさかんな「小学生」の平均身長は、
「125cm~140cm」ほどです。
そうすると、どうしても大人と同じダイニングテーブル
では、少し高い状態になります。
リラックスして、姿勢を崩しても良い食事とは異なり、
勉強はしっかりと集中してやる必要がありますし、長
時間に及ぶこともあります。
ですから、しっかりと子供の学習をアシストするため
には、最適なテーブルの高さに手軽に合わせられるの
は、とても重要というわけです。
一時的なことではなく、リビング学習は数年間続きま
すから、しっかりとフィットした環境を整えてあげる
のが良いですね。
もちろん大人のリモートワークの時には、フィットす
る高さに合わせて使用すると、仕事に集中して、能率
が上がるとともに、体を痛めなくてすみます。
「最低55cm」から「最高74cm」まで。
フットペダルで、らくらく「無段階調整」
さて、そんな近年起こりがちな「不」の解消を目指して
開発したのが、今回の昇降式ダイニングテーブルです。
このダイニングテーブルは、
- 最低テーブル高さ 55cm
- 最高テーブル高さ 74cm
に変えることができます。
通常の食事用ダイニングテーブルとして使う際には、
おおよそ「68cm~72cm」ほどが最適な高さです。
チェアの高さは、おおよそ「42cm」ほどですから、
理想的な差尺である「26~30cm」で食事をするには、
68~72cmの高さのダイニングテーブルが最適です。
一方、リモートワークや、リビング学習の際には、
食事とは異なる高さが最適です。
最適な高さは、
- 大人 と 子供
- 身長
- 書き仕事 と PC仕事
などでも異なりますから、一概に〇cmが最適という
のをまとめるのは難しいですが、自らが疲れない高さ
は、まさにそれぞれでしょう。
その点、このダイニングテーブルは、フットペダルを
踏みながら天板を引き上げたり、押し込んだりするこ
とで、手軽に高さを変えることができます。
ですから、大人から子供まで、仕事や勉強のしやすい
高さにすぐに合わせられて、最適な姿勢で、集中して
取り組めるというわけです。
食事の後のカフェタイムには、すこし低くすることで、
圧迫感が減り、よりリラックスした時間を過ごすこと
ができます。
円形テーブルで、大人数にも対応可能。
中央1本脚で、足元も広く使えます。
このダイニングテーブルのもうひとつの特徴は、ご覧
いただいている通り「円形」ということです。
「ダイニングテーブルといえば、長方形だよね。」
というイメージがある方には、丸い形状のダイニング
テーブルを選ぶメリットが分かりづらいところがある
ことでしょう。
ここでは、円形ダイニングテーブルのメリットを
ご紹介していきましょう。
「円形」は、お部屋に柔らかな印象を与えます。
住宅や住宅設備、また、家具やインテリアに至るまで、
お部屋の中にあるものは、できるかぎり効率よく配置
するために、四角形にデザインされています。
小さなスペースにたくさんを詰め込むには、四角形が
もっとも効率が良いからです。
また、場所を取らないという点以外にも、製造において
も角がある方が作りやすいからという理由もあります。
丸く角をあしらうのには、手間暇がかかりますからね。
四角形は、製造の効率が良く、面積効率も良いため、
お部屋にあるものは必然的に四角形になっていくのです。
ただ、「角」があるというのは、心理的に緊張感をもた
らしてしまいます。
この画像のように、同じ場所に、同じサイズのテーブル
を置いたとしても「四角形」と「円形」とでは、こんな
にも印象に差があります。
とがったものからは、脳が知らず知らずのうちに危険性
を読み取るからと言われています。
また、整然としたものを見ると、整った印象を受ける
反面「きっちりとしないといけない」という緊張感も
感じます。
きっちりとかしこまった場所に行くと、自分もきっちり
としないといけないと「ピシッと背筋が伸びる」感覚に
なりますよね。あれと同じ心理現象です。
効率性の高い「四角形」に対して、効率性は低いけれど
見た目に柔らかさを感じ、完成していない余白を感じさ
せるのが「円形」です。
心身ともにリラックスを求める自宅であるからこそ、
「円形」を取り入れることで、よりリラックスを感じる
効果を高めることができるのです。
長方形よりも、フレキシブルな人数に対応します。
また、円形テーブルの良さは、長方形と比べて大人数
にもフレキシブルに対応できるところです。
長方形の場合、座れる場所が「対面 もしくは 横」
に限定されます。
長方形だと、座る人数が決まっています。
それぞれのスペースは決まっていますから、例えば
通常のダイニングであれば、横に2人ずつ、縦に1人ずつ
といった感じで、サイズによって決まってしまいます。
角に座るのは、良くないですからね。
一方、円形テーブルの場合は「角」がないため、座る
人数はフレキシブルに変えることができます
ご友人などが集まることが多いご家庭では、みんなが
テーブルに一堂に会すのには、実は円形に軍配が上がり
ます。
みんなでひとつのテーブルを囲むというのは、その場
の一体感が上がるためには大事な要素ですから、円形
が思いのほか役立つというわけです。
角がないというのは、心理的な安心感のほかにも、
物理的な良さがあるのです。
45度回転レイアウトで、効率的にお部屋を使えます。
「心理的な安心感と、フレキシブルさは理解できたけど、
うちの小さなダイニングでは、やっぱり無理だわ。」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
大きいサイズの円形テーブルは、イメージするにも、
かなりの面積を占めてしまうような気がしますね。
でも、そんな時には「45度回転レイアウト」を試して
見るのはどうでしょう。
そのまままっすぐに置いてしまうと、かなりの広さを
取ってしまうのは、間違いありません。
が、45度回転してみましょう。
そうするだけで、以外にも専有面積をぐっと抑えるこ
とができます。
すべてのお家のレイアウトに上手にフィットするわけ
ではないと思いますが、お住まいのダイニングエリア
にうまくはまりそうであれば、気持ちの良いダイニング
を作れることでしょう。
天板は、手触りが良く、安全な「曲線仕上げ」
脚やフットペダルにもこだわっています。
さて、ここまで現代の生活における
- 昇降式テーブルの利点
- 円形テーブルの利点
をご紹介してきました。
この項では、いわゆる「デザインの良さ = 見心地」に
焦点を当てて、紐解いていきます。
手触りが良く、安全な「曲線仕上げ」天板
天板は「オーク材の突板仕上げ」に、ふち部分の曲線
には「オークの無垢材」を採用しています。
天板を「突板仕上げ」にしているのは、無垢材だと重す
ぎて、機構がスムーズに動かない為、軽量化を図ってい
るからです。
この軽量化のおかげで、お子様や女性でも、ひとりで
簡単に昇降させることができます。
また、ふち部分に「オークの無垢材」を使っているの
は、柔らかな曲線を作るためです。
通常「突板仕上げ」の天板の場合、突板はシート状に
なっているので、曲線をつくることはできません。
突板は、直線の面にしか貼れません
ですが、子供が勉強で使ったり、友達と集まったりする
ことを想定したテーブルですので、角が立ったテーブル
だと、触り心地も良くないですし、万が一、顔などを
ぶつけた時には、とても危険です。
ですから、天板の角は、どうしても曲線にしたかった
のです。
ですから、軽量化した天板のふち部分に、わざわざ
無垢のオーク材を追加して、天板の曲線を作り出して
います。
手の込んだ仕様ですが、それによって、気持ちよさと
安全性の両方を与えています。
こだわりの「円柱仕様」の昇降機構
また、その「気持ちよさと、安全性」については、
中央の昇降機構にも、同じ配慮をしています。
中央の太い脚部分には、オークの無垢材で昇降機構を
隠す様にデザインしています。
一般的な昇降脚は、四角形
昇降機構は、基本的に「四角形」しか存在しないので、
実はこの脚の内部には、四角形の昇降機構が隠されて
います。
ただ、見た目にも良くなく、安全性の面でも角が立た
ないように、特別仕様にて、円形のオーク材をあしらい
ました。
みんなで座った際にも、足があたりがちな中央部分です
ので、足が触れた際にも、気持ちよさを感じていただけ
ると思います。
また、中央一本脚ですので、通常の4本脚のダイニング
テーブルよりも、足元の空間が広いのも良い点と言える
でしょう。
また、さらに小さなこだわりとして「フットペダル」
にも、木製カバーを特注して被せています。
全体が上質なオーク材で仕上げられていますので、フッ
トペダルだけが、金属の安っぽいものが付いているとい
うのは、どうにもいただけません。
小さなこだわりではありますが、フットペダルは思い
のほか毎日のように使う可能性があるので、そこにま
で配慮しました。
「ウレタン塗装」で、水や汚れに強いから
長くきれいにお使いいただけます。
僕たちの家具は、設計や、細やかな工夫以外にも、物
理的に長く使えるようにデザインをしています。
それは「ウレタン塗装」を施していることです。
ウレタン塗装は、水や汚れに強く、メンテナンス不要
で、非常に長持ちする塗装方法です。
以前は「ウレタン塗装をすると、テカテカしてしまう」
という問題があり、リセノの家具では、美しさの観点
から、使用することを避けていました。
が、今は工場との連携で「艶消し/導管開き」という
マットな仕上がりのウレタン塗装方法を見出し、その
塗装方法にてウレタンを施しています。
つまり、気になる「てかり」はなく、とてもマットな
仕上がりでありながら、長持ちするようにしています。
毎日の食卓としても水に強く、メンテナンスも不要です
ので、長く楽にご愛用いただけると思います。
サイズは、大きさの異なる2つをご用意。
お好みに合わせて、お選びください。
サイズは、選べる2つのサイズをご用意しました。
直径100cmタイプ
直径100cmタイプは、すこし小ぶりなタイプ。
1人暮らし~2人暮らし、またお子様が小さなご家庭に
ぴったりのサイズ感です。
小ぶりといっても100cmありますので、2人くらいで使
う場合なら、かなりゆったりとしたサイズ感で使うこと
ができます。
食事と、リモートワークの両方に使うには、ちょうど
良いサイズ感です。
直径120cmタイプ
直径120cmタイプは、かなりゆったりとしたサイズ感です。
4人で座ってもゆとりのある使い方ができますし、友人
などを招いてのパーティーでは、6人や8人での食事も
詰めれば、みんなで食卓を囲めます。
大きなサイズのダイニングがあることで、食事以外にも
滞在時間が長くなります。
ダイニングでの会話も増えそうですね。
北欧家具の様な「ヴィンテージレッド」を含む
美しい4つのカラー展開です。
カラー展開につきましては、4色をご用意しました。
- 定番でお部屋馴染みの良い爽やかな「ナチュラル」
- 北欧家具をイメージした「ヴィンテージレッド」
- 深みがあり、こっくりと趣深い「ミッドブラウン」
- モダンな印象を与える「ブラック」
の4色を作りました。
ナチュラルカラー
ナチュラルは、ナチュラルヴィンテージのお部屋作り
の中でも、さわやかで、明るい印象のスタイリングが
お好きな方に、おすすめのカラーです。
さわやかなオーク色が、毎日の食卓を彩ります。
家具の色味は、明るいほどにお部屋は広く見えます。
一人暮らしの小さなお部屋の方や、リビングをできる
だけ「軽やかに、広く見せたい」という方にもおすす
めしたいカラーです。
ヴィンテージレッド
北欧の1950年代頃のヴィンテージ家具をイメージした
コンセプトカラーです。
赤味のあるブラウンカラーが、ヴィンテージ家具の様な
趣きと上質さ、そして落ち着きを感じさせてくれます。
リセノでは、この「ヴィンテージレッド」カラーの
家具をさまざまに作っています。
北欧ヴィンテージと組み合わせながら、お部屋の調和
を作っていくのもおすすめです。
ブラウンカラー
ブラウンは、深みを感じられる色味で、ナチュラルで
はすこし物足りないという方におすすめのカラーです。
男性っぽい印象を受けるブラウンカラーですが、以外
にも、リセノスタッフの中でも女性スタッフに人気の
カラーです。
「こっくりと深みのある」色で、ぼくたちは「ミドル
ブラウン」と呼んでいます。
ブラウン色の家具と合わせて、リネンのファブリック
などと合わせることで、深みがありながらも、さわや
かな印象を兼ね備えた、絶妙のバランスのスタイリン
グに仕上がります。
ブラックカラー
ブラックカラーは、モダンな色味で、お部屋のテイスト
を大人っぽくしてくれます。
黒色は「無彩色」なので、ほかの色味を邪魔せず、
お部屋を引き締める効果があります。
床にグレーのカーペットなどを敷きこみ、真鍮のインテ
リアを取り入れることで、上質な空間にスタイリングす
ることができます。
こだわりを詰め込んだ「昇降式テーブル CIRCLE」
お好みに合わせてお選びください。
というわけで「昇降式テーブル CIRCLE」の企画経緯と
コンセプト設計を紐解きました。
リモートワークや、リビング学習の増えた現代では、
ダイニングテーブルは、食事以外でも多岐にわたって
利用が想定されます。
高さを変えられることで、仕事や勉強にもフレキシブル
に活用できますので、テーブルとデスクの役割を兼ね備
えたテーブルを採用することで、大きなテーブルを導入
して、広々としたダイニングシーンを実現していただけ
ればと思います。
Re:CENO product|昇降式ダイニングテーブル CIRCLE