フロアライト「LinenMix Oak/Brass FLOOR LIGHT」の企画経緯とコンセプト設計についてお話します。
こんにちは。ヤマモトです。
Re:CENO productから、1年半ぶりに新作フロアライト
を、2種類同時にリリースします。
2種類は同じリネンミックス素材のシェードを用いて
・オーク材のスタンド
・真鍮のスタンド
を用いたフロアライトです。
フロアライトは、インテリア選びで重要視されづらい
アイテムですが、その実、費用対効果が非常に高く、
素敵なお部屋に欠かせない隠れた重要アイテムです。
今回は、インテリアにおけるフロアライトの重要性を
ご紹介しながら、製品の企画経緯とコンセプト設計を
紐解いていこうと思います。
フロアライトで、多灯照明のスタートを。
お部屋づくりの「はじめの一歩」
リラックスできる快適なお部屋作りに欠かせないのが
「多灯照明」です。
日本は、かつての政府政策や、光に強い遺伝の影響に
よって「天井からの白く、強い光」でお部屋を照らす
ことが文化として根強くあります。
このあたりの詳しいお話は、以下にて解説しています。
「BRASS FLOOR LIGHT」の企画経緯とコンセプト設計についてお話します。
みなさんも「天井からの白く、強い光」でお部屋全体
を照らしているという方も、まだまだ多いことでしょう。
ですが、インテリアを素敵にしたいという方に、最も
おすすめしたいのが「まずはじめに、照明を見直す」
ということです。
僕も、友人から
「インテリアを良くしたいんだけど、何から始めたらいい?」
と質問をもらうことがありますが、そんな時には迷わず
「何もともあれ、まずは照明を変えよう。」
と言っています。
友人からは
「えっ? ソファーとか、テーブルとかの家具じゃないの?」
と大抵驚かれますが、僕の答えは「照明から」の一択です。
理由としては、
- 夜の灯りが変わると、お部屋のリラックス感がぐんと上がる。
- 家具は効果も大きいが、金額も高い。照明は金額の割に、効果が大きい。
- 最適な照明は、お部屋の不都合を隠してくれる。
といったところで、とにかく照明を見直すことの効果
が高いのです。
STARBUCKSのような少し明るさを抑えた空間や、
老舗のバー、高級なホテルなど、照明にこだわった
空間づくりは、たくさんのお店が実施しています。
みなさんの中にも、コーヒーが飲みたくてというより
リラックスできる空間で、ひと息つくためにカフェを
訪れるという方も多いと思います。
その点からも、お家でゆっくりする時間に、照明の柔
らかな光があると、リラックス効果が一気に高まる事
がお分かりいただけるでしょう。
また「天井からの白く、強い光」は、散らかった部屋
のすべてを白日の下にさらしてしまいますが、多灯照
明にすれば、柔らかな光が必要な場所だけを照らすの
で、それ以外の場所は暗くて見えません。
見たくない場所を「暗闇の奥」に隠すことで、お部屋
のリラックス感をぐんと増すことができます。
ですから、まずはじめに取り組むべきは「多灯照明」なのです。
【動画】ナチュラルヴィンテージの作り方|Vol.5 多灯照明で、お部屋を彩りましょう。
「フロアライト」は、いろんな部屋で大活躍。
多灯照明の主役のひとりです。
前述の動画リンクをご覧いただければ分かるように、
多灯照明の基本は
・天井照明
・フロアライト
・テーブルライト
の3点セットで考えることです。
その中でも、フロアライトは、目線の高さに来ること
もあり、インテリアの見た目を良くする点においても
抜群の効果を発揮してくれます。
よりご理解いただける様に、お部屋ごとのフロアライト
の効果的な使用例を見てみましょう。
リビング
リビングでは、ソファー横にフロアライトを配するの
がおすすめです。
ソファーでゆっくりと友達と話すときや、映画を見る
ときには、天井の灯りは消すか、弱めにして、フロア
ライトの灯りを点けましょう。
柔らかな光がお部屋を包むことで、ソファーでのリラ
ックス感が大きく増します。
本を読むときにも、ソファー横にだけ灯りを点けるこ
とで、ゆったりとした時間を感じさせてくれます。
北欧では、この様に「必要な場所に、必要な分だけ」
の灯りを点けるのが一般的です。
日中には、目線の高さにインテリアがあることで、
目線を留める「フォーカルポイント」としての役割も
果たしてくれます。
【動画】センスのいらないインテリア|「フォーカルポイント」を学びましょう。
ダイニング
ダイニングに置くフロアライトは、テーブルを照らす
ための「補助灯」としての役割を持ちます。
ダイニングテーブル上に設置するペンダントライトと、
キッチンからの灯りに付け加えることで、立体的な
明るさを演出することができます。
そして、数千円から導入できますので、電球選びの際
には、できればスマート電球を導入しましょう。
食事の時には明るくしていたダイニングを、食事終わり
の晩酌タイムや、ゆっくりとする時間には、スマート
電球で調整して、暗くするのです。
【動画】センスのいらないインテリア|暮らしに「スマート電球」を取り入れましょう。
そうすることで、ダイニングをお気に入りのカフェや
バーの様に、リラックス空間にすることができます。
また、日中は、ダイニング横のサイドボードと一緒に
置くことで、フォーカルポイントに立体感を加えて
くれます。
アートなどと合わせて、より立体感を出すことで、
見た目の美しさをダイニングにプラスしてくれます。
寝室
寝室のフロアライトは、就寝前の落ち着いた時間を
演出するためのマストアイテムです。
1日をONで過ごしてきた心とからだを、柔らかな灯り
で落ち着かせることで、睡眠の質をあげる効果があります。
寝室でも、明るさを調整できる機能があると、より
照明の良さが際立ちますので、ぜひスマート電球を
導入されることをおすすめします。
ワンルーム
ワンルームでも、フロアライトを加えた多灯照明にす
ることで、とても雰囲気の良い空間に仕上げることが
できます。
ワンルームは、リビング・ダイニング・寝室のすべて
の機能を、1つの場所にまとめたインテリアです。
そのミニマルな空間だからこそ、照明をきれいに配置
することで、自分だけの秘密基地のような特別な空間
に仕上げることができます。
日中も、リビングやダイニング同様に、目線の高さに
あることで、インテリアの良いアクセントになってきます。
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ご覧いただいた様に、フロアライトは様々なお部屋で
活躍してくれます。
お昼も、夜も、印象を大きく変えてくれますので、
良いフロアライトの導入は、とても大切なのです。
「コットン」と「リネン」を合わせた生地で、
自然素材の美しさと、透過性を求めました。
さて、製品についても、ひも解いていきましょう。
今回のフロアライトの特徴のひとつは「コットン」と
「リネン」の混合生地を使ったシェードです。
コットンとリネンを合わせたこの生地は、それぞれの
素材ならではの柔らかさが合わさり、自然素材特有の
風合いを感じられます。
もともとは、洋服やエプロン、バッグなどのアパレル
用として作られていた生地を、照明用の生地として
使っています。
ペンダントライトは、ダイニングなど暮らしの中心に
あることが多く、必然的に目線の高さに来ますので、
そこに「柔らかで、やさしい風合いの照明」がある
ことで、少しでも日々が柔らかな気持ちになれば
いいなと思ってデザインしました。
また、今回の「コットンリネン」生地は、厚さ0.1mm
という、とてもとても薄い生地を採用しています。
元はアパレル用の生地なので、薄手の夏服などに
使うための生地だそうです。
自然素材の布であっても、厚手のものになると、透過
性が低く、光を通さないので「明るさが足りない」と
いうことが起こりがちです。
今回の照明も、ペンダントライトに「自然素材の良さ」
を加えるべく、当初はジュート(麻生地)を想定して
製作を進めていましたが、ジュートは厚手のため透過
性が低く、完成後に「なんだか暗いね。ダメだね」と
いうところから、改めて生地探しまで立ち返りました。
照明工場からもさまざまな生地を提案いただく中で、
なかなかフィットするものがなく、視点を変えたアパ
レル生地に着目することで、その答えが出ました。
「コットンリネン」を採用できたことにより、布を通
した柔らかな光がお部屋に広がり、お部屋をゆったり
と、リラックスできるものに変えてくれます。
もうひとつ注目してほしいのは、
「消灯時の美しさ」です。
とてもベーシックな形状で、トラディショナルともい
える今回のフロアライトですが、素敵な生地が夜のお
部屋に、柔らかな光を与えてくれました。
そして、この生地の良さとして、もうひとつ注目して
いただきたいのが「お昼の消灯時の美しさ」です。
照明は「夜が主役」というイメージがあるかもしれま
せんが、フロアライトは、日中にもよく目にします。
フロアライトは、目の高さに来るインテリアですので、
朝も、昼も、いつも目に入りやすいのです。
ですから「消灯時にも、美しい」というのは、実は
とても重要なのです。
その点、このコットンリネンには、見た目に柔らかさ
があり、自然素材らしいディテール感も兼ね備えています。
また、張り方にも工夫を凝らし、生地を「斜め張り」
にすることにより、さらに柔らかな印象を際立たせています。
スタンド部分は「オーク」と「真鍮」。
2種類からお好みに合わせてお選びください。
スタンド部分は「オーク仕様」と「真鍮仕様」の2種類
を作りました。
それぞれの特徴をご紹介していきましょう。
「オーク」仕様
オーク仕様は、無垢のホワイトオークを土台部分と、
スタンド部分の両方に使っています。
シンプルな意匠ですが、オーク材の木目が美しく、
ソファーや、ダイニングテーブルのトーン合わせにも
最適です。
オーク仕様については、ナツメ球(ミニ球)が付けら
れる仕様ですので、常夜灯としてもお使いいただけます。
また、オーク仕様は木部のカラーを、ナチュラル色と
ブラウン色の2色を作りました。
土台部分にも無垢のオーク材を使った贅沢な仕様です。
ソファーや、ダイニング、ベッドなどの家具の木部分
のカラーを合わせてお選びいただくと、インテリアと
しての統一感も出していただけると思います。
「真鍮」仕様
真鍮仕様は、土台部分と、スタンド部分の両方を真鍮
で製作しました。
クリア塗装をしているので、経年変化はほとんどせず
に、いつまでもきれいなままでご利用いただけます。
土台部分は「ヘアライン仕上げ」と呼ばれる繊細な
筋目をいれた加工です。
この加工により、真鍮の高級感をさらに上げてくれています。
ちなみに「Brass&Layered」は三ツ矢脚でしたが、
今回は、前述の通り、円形の土台にしています。
三ツ矢脚は、国内に例のないデザイン製の高い意匠で
すが、その分どうしても加工費が高額になってしまいます。
今回は、もう少しお求めやすい価格にすることで、よ
り多くのお客様に届いたらいいなと思い、円形土台を
選択しました。
オーク/真鍮 仕様の違い
「オーク仕様」と「真鍮仕様」の細かな2つの違いに
ついて触れておきましょう。
まず、シェード部分は「オーク仕様は直径35cm」に対
して「真鍮仕様は直径40cm」と少し大きくしています。
これは、オーク仕様が「木のぬくもり」を感じさせる
ような少しいなたい、やわらかなイメージ訴求をして
いるのに対して、真鍮仕様は「スタイリッシュ」な
イメージを訴求しているためです。
真鍮仕様は、電球ソケット部分も、あえて横から見え
る様にすこし低めに設置し、真鍮の美しさを際立てて
います。
スタンドの径も、真鍮仕様のほうが少し細くしていて
高級ホテルにあるような「洗練された印象」を強く出
しています。
また、真鍮仕様は、電球ソケットに余計な装飾がない
方が美しいと感じましたので、プルスイッチではなく
「中間スイッチ」を採用しています。
脚で踏んで消すことができるので、便利さもあります。
逆にオーク仕様はソケット部分の棒を引っ張ることで
電源をON/OFFする「プルスイッチ式」です。
このスイッチ棒も、オーク材にて製作しています。
オーク仕様には、ソケット部分にナツメ球がつく仕様
ですので、常夜灯としてもお使いいただけます。
「真鍮仕様」と「オーク仕様」は、とても近い意匠で
はありますが、細かな美しさを求めて、微妙に変化を
付けています。
お好みに合わせてお選びいただければと思います。
リネンの美しい光を、天井照明にも。
「ペンダントライト」もあります。
同じ「リネンミックス」のシェードを使ったペンダント
ライトもございます。
こちらは、先日発売済で、大変好評いただいています。
リネンの柔らかな風合いを、フロアライトとペンダント
ライトで、レピテーション(繰り返し)するのも素敵
と思います。
Re:CENO product|ペンダントライト LinenMix
【動画】センスのいらないインテリア|「レピテーション(繰り返し)」を学びましょう。
こだわりを詰め込んだ「LinenMix Oak/Brass FLOOR LIGHT」
2022年9月21日より順次発売します。
というわけで、新たに発売するフロアライトの企画の
経緯とコンセプト設計を紐解きました。
フロアライトは、インテリア計画において「計画に入
らない or 優先順位が低い」アイテムだと思いますが、
実は、かなり良い働きをしてくれます。
リセノでは、かなり以前から「多灯照明」について
みなさんに理解いただきたく、表現を続けています。
今回のフロアライトについては、様々な生産の工夫を
して、以前にリリースした「Brass Floor Light」より
も、お求めやすくした価格設定にしました。
この製品をきっかけに、より多くの家庭に、多灯照明
の良さが広がるきっかけになればいいなと思っています。
京都・東京・福岡の店舗にもすでに導入済ですので、
ぜひお店で体感いただければと思います。
フロアライト LinenMix Oak/Brass FLOOR LIGHT