サイドテーブル「RattanMix Slide shelf」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。
こんにちは。ヤマモトです。
リセノのオリジナル家具「Re:CENO product」から
スライドシェルフをリリースします。
数字の「6」と「9」を重ね合わせた様なデザインで、
重なり幅を変えることで全体幅が変化し、スペースに
ぴったりフィットさせることができます。
本日のマガジンでは、このスライドシェルフについて
企画経緯とコンセプト設計を紐解いていこうと思います。
「造作家具のフィット感を、賃貸の今から。」
お部屋の間取りは、千差万別。
2つとして同じ間取りのお家はないというくらいに
お部屋には、様々な形があります。
同じ10畳のお部屋だとしても、柱の位置が違ったり、
窓の位置が違ったり、ドアの位置が違ったり。
だからこそ、置きたい場所にピッタリとフィットする
家具を探すのは、とても大変です。
スペースに隙間なくフィットしたインテリアは、無駄
がなく、洗練されて美しく、お部屋作りをする中で
「いつかは」と、憧れを抱く家具です。
新しくお家を建てるときや、リノベーションのタイミ
ングでは、こだわった造作(ぞうさく)家具を依頼
される方もいらっしゃるでしょう。
造作家具とは、その家、そのスぺースぴったりに専用
で作る家具のことで、大抵は大工さんに専用でサイズ
設計をしてもらって、作ってもらいます。
キッチンの天袋などは、スペースに合わせて作られる
造作家具の代表ですね。
ぴったり無駄なくフィットする造作家具は、収まりが
よく、スペースも最大限活用できます。
デメリットとしては、ひとつの家具をオーダーメイド
で製作する必要があるので、価格は通常の3倍~数倍
くらいしてしまいます。
1cm刻みなどでオーダーできる安価な収納家具もある
にはありますが、プリント紙を使ったような量産家具
が多く、満足して長く愛用できるクオリティには、
ほど遠いものが多いのが現状です。
僕自身も、スペースにフィットする家具を自宅に取り
入れたいものの、賃貸暮らしでもあり、造作家具を
依頼するには至っていません。
憧れだけど、手が届かない。でも、しょうがない。
悔しいけれど、インテリアではよくあります。
でも、なんとかこの「いまはまだ無理だから」という
「不」を解消できないものかと思考錯誤しているうち
に、2つの実現したい企画コンセプトにたどり着きました。
まず一つは、価格フィット。
「造作家具のように空いているスペースにぴったりと
収まる設計でありながら、造作家具よりも引き下げ
た手の届く価格を実現すること」
もう一つは、変化フィット。
「スペースにぴったりと収まる設計でありながら、
次の住まいでも、引き続き造作家具のように
フィットした状態で使える家具であること」
の2点を実現し、造作家具よりも実現性・持続性の高い
家具を作るということです。
そして、たどり着いたのが、横幅が自由に可変できな
がら、意匠性やサイジングも最適化したスライド式の
シェルフです。
テーマは「造作家具のフィット感を、賃貸の今から。」
今住んでいる部屋のスペースにジャストフィットして、
次の引っ越し先でも、またジャストフィットする。
そんな柔軟な家具をイメージして、設計しました。
この家具は、一番縮めると、幅100cmの収納になるの
で、一人暮らしの小さなスペースでもフィットします。
逆に、最も伸長させると幅195cmにまで伸びますので、
広々としたリビングにもフィットします。
そして、最も実現したかったお部屋のスペースに
ぴったりとフィットする姿は、100cm~195cmまで
の間であれば、自由自在というわけです。
「造作家具のフィット感を、賃貸の今から。」
の言葉通り、賃貸暮らしでも、造作家具のフィット感
を得られ、将来的な変化にも対応でき、長く愛せる
見た目と価格のバランスも取れているという点で、
リセノらしい良い家具ができたなと思っています。
薄くて、オープンな収納なので、
いろんな場所にジャストフィットします。
さて「造作家具のフィット感を、賃貸の今から」の
企画コンセプトはご理解いただけましたでしょうか。
では、インテリアの様々なシーンにぴったりフィット
する様子を、実際にいろんなシーンで表現しました
ので、見ていきましょう。
リビングの収納として
広めのリビングであっても、最長195cm幅までぴったり
とフィットさせられます。
リビングでゆっくりと読むための本を置いておいたり、
様々なインテリア小物やブランケットを置くなど、
たくさん収納できます。
また、ウレタン塗装で水や汚れに強く仕上げています
ので、リビングに花瓶で花を置いておいたり、観葉
植物を楽しむのも良さそうです。
ソファー横に置く収納として、間接照明を置いておく
のも、ちょうど良い高さになるので、おすすめです。
こちらでも、空いたスペースに無駄なく配置すること
が出来て、美しい収納を実現しています。
ダイニング横のサイドボードとして
こちらもおすすめの使い方で、ダイニングのサイド
ボードとしてのフィットです。
ダイニングエリアに、サイドボードを置くスタイルは
北欧インテリアなどでよく見る王道スタイルです。
ダイニングの壁は、よく目に入る割には、寂しくなり
がちな場所ですので、
「よく目に入る場所」=「お部屋の印象に重要な場所」
と理解して「フォーカルポイント」として、うまく
腰高の収納を活用して、アートと組み合わせることで
お部屋の印象を、ぐんと良くすることができます。
【動画】センスのいらないインテリア|「フォーカルポイント」を学びましょう。
また、ダイニングで食事をしながら、晩酌をしながら、
テレビを見られるご家庭も多いと思います。
ダイニング横にサイドボードを置いて、そこに小型の
テレビを置くことで、快適な視聴が可能です。
高さ80cmで設計しているので、ダイニングに座った
ときにも、ちょうど良い高さです。
また、導線を確保しづらい日本のダイニング設計を考
慮して、奥行きも30cmと薄くしていますので、導線を
大きく妨げることもありません。
【動画】センスのいらないインテリア|ダイニングまわりに必要なスペースを知りましょう。
写真のとおり、柱の幅にぴったりとフィットさせる
ことで、造作家具のような無駄のないインテリアを
実現できます。
玄関収納として
お部屋の中だけじゃなく、玄関収納としても
ジャストフィットします。
ここは、フローリングと玄関タイルの境界部までの
収納棚として活用しています。
出かける前に必要な鍵類や、マスク、香水などや、
出し入れの多いルームシューズを入れておくための
死角収納としても活躍しそうです。
また、市販の伸縮シューズラックなどを活用すれば、
たくさんのシューズを入れることも可能です。
玄関もフィット感があると、美しい場所ですね。
ソファ後ろに
少し例外的な使い方のアイディアとしては、ソファー
のサイズにぴったりとフィットさせるのも良いかなと
思います。
例えば、folkソファー(185cm)の後ろに付けること
で、ソファー後ろのスペースを有効活用できます。
テレビを見たいけれど、仕事もしないといけないと
いう場合には、簡易的なデスクとしての使い方もアリ
かもです。
LDKの間仕切りとして
奥行きは、薄めの30cmで、
高さは、圧迫感の出にくい80cm。
ですから、リビングとダイニングの間仕切りとしても
良い具合に活用できます。
目線に入らない低い家具で、ゆるやかに空間を区切る
ことによって、リビングが少しクローズな空間になり、
さらにリラックス感を得ることができます。
ソファーに座った時の目線の高さは、約120cmほど
ですが、高さ80cmの収納棚があることで、パーソナル
スペース感が高まるのが、リラックス感を感じるポイ
ントです。
リビングとダイニングのメイン導線には「1m」くらい
を取りたいところですから、幅を調整して、暮らしや
すい導線を確保いただけます。
ワンルームの間仕切りとして
ワンルームの小さめのお部屋では、居室と寝室を分け
るのが難しい場合が多いと思います。
でも、本来は、居室と寝室を分けた方が、リラックス
効果があり、ゆっくり眠ることができます。
この収納を間仕切りとして使っていただければ、
ワンルームにも、ゆるやかな区切りを作ることができます。
すこし広めのワンルームに2人暮らしなどの場合には、
目線を遮るように設置することで、ゆるやかなプライ
ベートスペースの確保に。
一人がベッドで寝ているときに、もう一人がテレビを
見るのが気が引けるなんてことも、すこし和らぐかな
と思います。
くの字に設置することもできますので、大きく区切り
すぎずに、顔だけを隠せるようにすることで、プライ
ベート感を感じさせるのも良いかもしれません。
また、小さなお部屋に置く際には、テレビボード兼
収納棚として使っても良いかなと思います。
この場合もポイントは、大きいお家に引っ越した際に
も、捨てることなく、ダイニングのサイドボードで使う
など、愛着をもって長く使い続けられるのが良いポイ
ントかなと思います。
その場、その部屋しのぎの質の低い家具を買うよりも、
良い家具を長く愛用していく方が、結果的に安く済む
ということもあると思っています。
「ついつい置き」のストレスをなくすには、
「死角収納」の活用がおすすめです。
このシェルフの活用法として、オススメしたいのが
「雑材かご」などを使った「死角収納」です。
「死角収納」とは、かごなどのアイテムを使うことで
目線の「死角となる場所」を作る収納テクニックです。
【動画】センスのいらないインテリア|「死角収納」で日々の片づけストレスを減らしましょう。
サイドボードでは、上の棚があることで、オープンな
かご収納でも、目線から隠れた死角にすることができたり、
玄関では下段にあることで死角になり、オープンな
収納でありながら、クローズドな印象を与えること
ができます。
オープンだから見えてはいるけれど、死角だから目に
つかないというのが、死角収納のポイント。
死角収納の良い所は、出し入れしやすいオープン収納
だから「ついつい一時置き」によって散らかりがちな
場所を、きれいに整頓しやすい点です。
みなさんのご自宅では、ダイニングテーブルの上に
ついついモノが散らかったりしていませんか?
家族みんなが毎日使う場所であり、大きな面積を占め
ているテーブルは「ついつい一時置き」に最適。
だからこそ、普段よく使うものや、毎日届く郵便物、
帰ってきて置いたままのバッグなど、いろんなモノ
たちのたまり場になってしまいがちです。
たまに片づけたらきれいにすっきりするのですが、
数日経ったら、また元通り。
地味に、ストレスになりますよね。
この「一時置き」をやめるためには、おうちの中で
「入れやすく、取り出しやすい収納場所」を近くに
作っておくのが、良い解決方法。
つまりは、扉の開け閉めが必要ないオープン棚であり
ながら、バラバラと散らばった姿が目に入りづらい
「死角収納」の出番です。
死角収納の実践は、とっても簡単。
オープンシェルフに「かご」を置いて、そこにモノを
ぽいっと入れるだけ。
オープンなかごであっても、視覚的に死角になるので
ざっと入れておいても散らかりが気になりません。
「死角収納」は、扉などのない「半オープン」な収納
ですので、手軽に「片づける」という流れができやす
く、家族みんなが実践しやすいのが良いところです。
また、扉付き収納の奥深くにしまい込まないため
「あれって、どこにしまったっけ?」と、迷子に
なりにくいのも特徴です。
もちろんテーブルの散らかりだけでなく、玄関などの
靴やルームシューズなども、うまく死角収納を活用す
ることで、すっきり整頓することができます。
ちなみに、インテリアの見た目の観点で言うと、雑材
のかごは、ナチュラルヴィンテージでいうところの
「アクセントアイテム」としての役割も果たします。
扉のついた収納も良いですが、あえて雑材のかごを
活用することで、アクセントアイテムが、お部屋の
風合いを上げる効果もあり、一石二鳥でもあります。
【動画】ナチュラルヴィンテージの作り方|Vol.4 お部屋をアクセントアイテムで、彩りましょう。
STYLING BOOK|# かご
このように、オープンの収納棚はかごを上手く使って
抜け感のある収納でお部屋の印象を軽くしたり、適度
にディスプレイを楽しめたりと、きっちりしすぎない
収納を実現できるのが魅力です。
「私は、ディスプレイとか苦手なんで......」
という方も多いと思いますが、ディスプレイや収納は
基本的なルールを知っておけば、センスがなくても
誰にでもきれいに仕上げることができます。
そのあたりの基本について「センスのいらない」動画
シリーズで丁寧にひも解いていますので、ぜひご覧い
ただければと思います。
センスのいらないコーディネートのルール(動画)
「オーク突板×ラタン」の落ち着きのある意匠性。
水や汚れにも強く、長く使えます。
さて、意匠デザインについても触れておきましょう。
このシェルフは「オープン棚」「ラタン背面棚」の
2タイプの空間から成り立っています。
オープン棚の内寸は、
上段:幅 96cm × 奥行き 30cm × 高さ 33cm。
下段:幅 96cm × 奥行き 30cm × 高さ 43cm。
ラタン背面棚の内寸は、
上段:幅 96cm × 奥行き 28cm × 高さ 29cm。
下段:幅 96cm × 奥行き 28cm × 高さ 39cm。
と、4つの空間は、少しずつサイズが異なります。
それぞれには、本棚として、漫画や雑誌、小物など
たくさんのアイテムを収納いただけます。
また、このスライドシェルフは、リセノではおなじみ
の「オーク突板×ラタン」仕様です。
オークの突板は、木本来の質感を感じられ、安価な
プリント紙仕上げとは、まったく異なる上質な質感
と、丈夫さが特徴です。
また、ウレタン塗装で仕上げていますので、水や汚れ
にも強く、花瓶や植物を置いたりするのにも最適。
長くきれいな状態で、ご愛用いただけます。
ちなみにリセノのウレタン塗装は「導管開き/艶消し」
という仕上げ方法をしています。
専門的な解説は複雑なため割愛しますが、この仕上げ
方法により、一般的にイメージされるウレタン塗装の
ように、テカテカとした塗膜感は少なく、落ち着きの
あるマットな仕上がりにしています。
また、木の凹凸感も感じられます。
「ウレタン塗装は、テカテカして、キライなんだよね。」
という先入観のある方にも、ぜひとも現物をご覧いた
だき、違いに驚いていただきたいなと思います。
また、もうひとつ特徴的なのは「ラタンの意匠」です。
ラタンを背面に張り込むことで、オープン棚でありな
がら、前に置いたモノの背景として美しさを感じさせ
ることができます。
抜け感のある素材ですので、光や空気も通し、閉塞感
を出しすぎないのも、良いポイントです。
カラーは「ナチュラル」と「ミッドブラウン」の2色展開です。
この製品のカラーは、ナチュラルとミッドブラウンの
2色展開です。
お部屋の家具と色味を合わせて、ご検討・ご導入いた
だければと思います。
また、ご要望が多い様であれば、新たにリリースした
「ヴィンテージレッド」カラーも追加しようかなと
思いますので、店頭やWebサイトよりスタッフ宛に
お声をお寄せいただければと思います。
こだわりを詰め込んだ「RattanMix Slide shelf」
2022年8月8日より予約発売を開始します。
というわけで、
「造作家具のフィット感を、賃貸の今から。」
の企画コンセプトどおり、様々なスペースにジャスト
フィットする家具が完成しました。
オープン棚ですから、ついつい「ディスプレイ用?」
と思われがちですが、オープン棚の本質は、出し入れ
のしやすい「本棚」などとしての活用です。
本は扉のある収納に入れてしまうよりも、ふと背表紙
が目に入るオープン棚の方が、手に取りやすく、読む
きっかけになると言われています。
本を読むのがお好きな方には、ぜひ素敵なオープン棚
を1台お持ちいただきたいなと思います。
また、本文でも提案しているように、かごを活用した
「アクセントアイテム×死角収納」を導入いただけれ
ば、暮らしのストレスを減らし、見た目にも趣きのあ
る棚に仕上げることができます。
ぜひとも様々なインテリアシーンへの活用をイメージ
いただき、購入をご検討に入れていただけると嬉しい
なと思います。
東京・京都・福岡店でも先行で展示していますので、
気になる方はぜひとも店舗にて、風合いや使い心地を
お試しいただければと思います。
スライドシェルフ RattanMix