照明「oil parch pendant」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。
こんにちは。ヤマモトです。
Re:CENO productに、新たにペンダント照明が
仲間入りします。
オレンジ色の柔らかな光でお部屋を照らすシンプルな
照明ですが、レザーが光っているような独特な意匠と、
生活を便利に、快適に変えるような工夫を隠し入れて
います。
本日のマガジンでは、この照明のコンセプト設計を
紐解いていこうと思います。
ナチュラルヴィンテージなインテリアに合う
「カーフレザー」のような意匠
この照明の最大の特徴は、独特の意匠と質感を持った
シェードにあります。
ひとことで言うと、まるで「レザー」のように見える
のが特徴です。
ぱっと見た感じはまるでレザーのように見えるのです
が、このシェードは、実は「紙」で出来ています。
紙自体にカーフ(仔牛)のしわのようなランダムな
エンボス(凹凸)加工を施していて、その加工により
レザーのようなしわに見せています。
特性の紙に、独自調合のオイル塗装
このエンボスを施した特性の紙に、リセノでは
オリジナルで塗装を施しています。
それも3種類のオイルを独自に調合し、手作業で
何度も塗り重ねる塗装をしています。
「紙に印刷して色を入れる」というのは一般的ですが、
「紙にオイルで塗装」というのは、家具屋ならではの
発想でしょう。
1点ずつ手作業で塗装していくのは、なかなか手間の
かかる作業ですが、印刷ではのっぺりとした均一な
印象しか出ないのに対し、手で塗りこむと独特の陰影
が出来て、下のようなムラのある仕上がりになります。
この手間をかけて、紙がまるでレザーのような意匠を
もつ独特のシェードに仕上がります。紙自体がオイル
の塗装に耐える強いものというのもポイントです。
照明は点灯しているときの美しさはもちろんのこと、
日中は消灯しているので、そのときの美しさも
実はとても重要です。
Re:CENO productの家具のような「海外の田舎」の
インテリアの様な「いなたい空間」づくりにおいて、
目線にくる部分に、昼夜問わずしっくりくるような
照明を作りたかったのです。
紙をシェードにするのは、なかなかに難しい。
独自の仕様を考案しました。
「なーんだ。ただの紙か」
と思われるかもしれませんが、紙をシェードに
仕立てるには、実は細かな苦労があります。
通常、シェードは布などで出来ていることが多いの
ですが、布であれば素材自体に柔らかさがあるので、
シェード布を上下の円形のフレーム部分に巻きつけ
て、固定ができます。
これが今回のように紙だと、紙自体が固いため、
自由に折り曲げることができず、また、折りジワも
ついてしまうので、フレームに巻きつけて固定する
ことができません。
和紙のように「薄く、軽い」素材であれば、のりで
固定も可能なのですが、この場合フレームを細かく
通したりする必要があり、シンプルな美しいデザイン
にはなりません。
(提灯を思い出してもらえると分かりやすいです)
今回の紙は、厚いぶん重みがあり、提灯の手法も使えません。
こんな理由で、紙をシェードに利用するのは簡単そう
に見えて、実は案外実現が難しいのです。
今回も「レザーのような紙ペンダント」という
コンセプトまでは早かったのですが、この部分をどう
解決するかに、とても時間がかかりました。
解決策は、フレームを無くして浮かせる。
さて、課題を解決するために、あれやこれやと
工夫をこらすのが、リセノの製品づくりです。
今回もサンプルを作っては直し、作っては直しを
繰り返しました。自作のサンプルも、今回は特に
たくさん出来上がりました。
(ちなみにリセノのスタイリングにちょこちょこと
登場するこのデスクライトも、この時にできた試作品です。)
当初は、一般的なシェード製作手法である「のり」で
フレームと紙シェードの固定を試しましたが、
出来上がってすぐは良いものの、使っていくうちに
照明の熱でのりの固定が弱まり、シェードがフレーム
から外れて、落ちてしまいます。
どうにかフレームとシェードを留められないかと
レザーで巻いたり、鋲を打ったりといろいろと試し
ましたが、なかなか思い描くようなすっきりとした
デザインにならず、どうもイメージが違います。
悪戦苦闘の末に思いついたのが、「いっそのこと
留めにくいならば、フレームを無くしてしまおう」
というアイディア。
フレームを無くして、ネジでシェードを固定する
という前例のない方法を試してみたのです。
シェードの内側から上下4箇所のネジで固定することで
本来はあるはずの円形のフレーム自体を無くすことに
成功しました。
外側から見えるのは、金色のマイナス真鍮ネジのみに
なり、すっきりときれいな意匠に。
上下の円形フレーム自体を無くしながらも、ネジで
しっかりと固定することで、きれいな円形を保つこと
が出来たのです。
上下の円形フレームをなくすことで、
影がなくなり、より独創的なシェードに。
上下の円形フレームをなくしことで、もうひとつ
メリットが生まれました。
それは、上下のシェード影が無くなることです。
下の画像でわかるように、通常のシェードであれば
上下にフレームがあり、そこが光を通さず、
影になってしまいます。
これが、今回は上下4箇所のネジで留めることで円形の
フレームがなくなったので、上下の影も無くなりました。
照明の端から端まで、すべて光っています。
ほんのわずかなポイントですが、これにより、まるで
宙に浮いているかのようなすっきりとした光を放つ、
より美しいペンダントライトに仕上がりました。
生活シーンに合わせて、実用的に。
「調色・調光電球」のLED電球を採用しました。
さらに以前から個人的に自宅で使っている
スマート電球をいよいよ取り入れました。
スマート電球とは、調光・調色が出来たり、
GoogleやAmazonのデバイスと連携して声で操作
できたりする次世代的な照明です。
明るさの調整
専用のアプリと連携させるだけで、スマホで
明るさや色味を調整することが可能です。
タイマー機能もあり、大変便利です。
いくつか使用イメージをご紹介します。
普段使いはこれがオススメ!
色味 [オレンジ] × 明るさ [明るい]
明るさ100%だと、60W相当×3灯=180Wほどの明るさ
を取れるので、上の画像のようにかなり明るさを取れます。
オレンジ色の素敵な空間です。
まったりとした落ち着いた夜に。
色味 [オレンジ] × 明るさ [暗い]
色味をオレンジ色のままに、明るさをぐっと下げると
より落ち着いた明かりを演出できます。
週末に自宅でお酒を傾けたり、DVDを見たりといった
まったりとしたい時に最適。
寝室にも良い感じです。
やる気を出したい時に最適!
色味 [ホワイト] × 明るさ [明るい]
リビングやダイニングで仕事や勉強をしたい時には
しっかりとやる気を出す「白色」がおすすめです。
普段は「白色」のいわゆる蛍光灯のような明かりでは、
素敵なインテリアシーンとはいえないですが、必要な
ときだけ変えられるのというは、とっても便利です。
ソケットは、オリジナルコードの
1灯・3灯タイプを選べます。
ちなみに調光・調色のスマート照明を、より柔軟に
使っていただけるように、ソケットは、1灯と3灯を
選んでお買い求めいただけるようにしています。
リビングやダイニングなどの明るさの最大を確保したい
場所には「3灯」がおすすめ。
逆に、寝室などのそれほど明るさを求めない
落ち着いた空間には「1灯」がおすすめです。
ソケットは、シェードの意匠に合わせて、
ブラウンのねじねじコードと組み合わせて、
オリジナルで作りました。
電球のストレスを無くし、柔らかな光を。
布シェードを標準装備です。
また、より快適にお使いいただける工夫として、
シェードの下部には、電球が直接目に入らないように
布シェードを付けています。
直接に電球が目に入るというのは、意外とストレスが
かかるものです。
布シェードを付けることで、電球が直接目に入らない
とともに、布越しの柔らかな光が下に向けていくよう
にしています。
というわけで、リセノ初のオリジナル照明。
いよいよ発売いたしました!
というわけで、苦労をして製作したオリジナルの
ペンダントライトが、いよいよオンラインで発売
となりました。
オンラインショップの販売ページはこちら
東京・京都店でも展示していますので、気になる方は
ぜひとも店舗にて、シェードの風合いやスマート照明
の使い心地などを試していただければと思います。