【わたしの愛用品】ダイニングチェアに黒がおすすめな理由。 モダンデザインから感じる名作椅子のエッセンス
こんにちは。
カメラマンの辻口です。
先日、開発中のサンプルを見たときからずっと
気になっていた、リセノの「folk round arm」を
自宅に迎え入れました。
「北欧の名作チェア」のようなエッセンスが
感じられるモダンなデザインと、
ブラックカラーという遊び心。
心惹かれた理由や、実際の暮らしで使う中で
感じたことについて、お話したいと思います。
飽きのこない「北欧モダン」なデザイン。
小さな積み重ねのモノづくり
folk round arm(以下、folkチェア)は、
背もたれと肘掛けが半円状に一体化した
「ラウンドアーム」と、ペーパーコードの
座面を持つシンプルな造形のチェア。
会社の休憩室で、最初にこのチェアの
開発サンプルを見た時に「ちょっと、
北欧の名作っぽいな」と感じたのを覚えています。
「名作家具」というのは、歴史の中で永く人々に
愛され続け、今に至るまで暮らしの中で使われ
続けてきたファニチャーの総称です。
名作と呼ばれる家具の条件を挙げるとすれば、
「トレンドに左右されないデザインであること」
「質実剛健であること」「使い心地が良いこと」
といったところでしょうか。
folkチェアのデザインから開発までを担当した
リセノスタッフから制作にまつわる
お話を聞いた時、このチェアに名作の
エッセンスを感じた理由を理解しました。
例えば、このチェアの象徴であるハーフアーム。
1つの木材を、木工技術の「曲げ木」で
加工した部材で作られているそうです。
そうすることで、複数の木材を使う
「接ぎ木」のものよりも耐久性があがるんだとか。
永く使える椅子にするための
工夫なのだと教えていただきました。
また、このチェアのもう一つのアイコンである
「ペーパーコード」で編まれた座面。
ペーパーコードというのは、撚った紙を樹脂で
コーティングしたもので、耐用年数は10年〜15年と
いわれており、新たに張り替えることもできます。
柔軟性があるので、使っていくたびに
座る人の体に合わせて座り心地よく変化していくそう。
長い暮らしの中で育っていく、そんな素材だそうです。
他にも、ほどよい丸みを持たせた「貫き」や
脚部の細かいデザインのこだわり、数値を厳密に
計測してテカリを抑えた塗装。
開発者だけが知っている、制作の裏側。
そうした、一つ取ってみると些細に思えるような
たくさんの小さな工夫が、このチェアを
形作っているのだと知りました。
「曲げ木だから」「ペーパーコードだから」といった
表面的なことではなく「永い暮らしの中で、より良い
存在であってほしい」という開発スタッフの心遣いに、
僕は「名作」の匂いを嗅いだのだと思います。
チェアに「黒」という選択肢。
思いの外、馴染みます。
僕がこのチェアに興味を惹かれた
もう一つの理由は「ブラックカラー」が
ラインナップされていたことです。
リセノではウッドカラーを基調としたものが
ほとんどだったので、「冒険」のつもりで
あまり見慣れない黒の椅子を選びました。
自宅に置いてみて感じたのは、拍子抜けするほど
「しっくり部屋に馴染む」ということです。
理由は、いくつかあると思います。
先ほどもお話したとおり、元々が奇をてらわない
シンプルな造形であること。自然素材である
ペーパーコードが程よくミックスされていること。
もっと基本的なところでは、黒は無彩色・収縮色で、
ファッションにおいても万能カラーであるという
ことにふと思い当たりました。
自宅にfolkチェアを迎え入れたことで覆った、
「家具におけるブラックは、クセの強いカラー」
という先入観。
黒のチェアに同じような印象を
持っている方がいたら「黒、けっこういいですよ」
と教えてあげたいです。
ハーフアームとペーパーコード。
「寛容」な座り心地です。
さて、ここまで見た目のお話をしてきましたが、
実際の座り心地はどうでしょうか。
デザインの特徴にもなっているハーフアーム。
肘掛けとしての使い方がまず連想されると
思うのですが、僕の場合は「懐の広い背もたれ」
として重宝しています。
folkチェアに座ってくつろいでいると、
いつのまにか斜めを向いたりして、自分が
自由に姿勢を崩しているのに気が付きます。
ハーフアームがぐるりと半円を描いているので、
まっすぐ座っていなくても、背もたれが
良い感じに背中を迎えてくれるんですよね。
「行儀が悪くて嫌だなぁ」と自分でも思うのですが、
家に遊びにきた友人が、folkチェアで同じように
姿勢を崩しているのを見て「あぁ、これは椅子が
そうさせているんだ」と、思わず笑ってしまいました。
ペーパーコードの座り心地が気になっている方も
いると思うのですが、簡単にいうと「板座の
チェアと、クッションのチェアとの中間」と
いったところでしょうか。
僕はどちらのチェアも家で使っているのですが、
板座のチェアは頑丈な反面、チェアパッドが
欲しくなるような、硬めの座り心地が気になります。
クッション張りのチェアは長時間座っていられる
快適さがある反面、最近は中材の「ヘタリ」が
気になってきているところです。
ペーパーコードは、座り心地も丈夫さも、
やはりちょうどその中間くらいなんですよね。
チェアに何を求めるかは人それぞれだと
思うのですが、ペーパーコードがどちらにも
劣るもではないということだけ、お伝えして
おきたいなと思います。
家具選びから見えてくる、
「好き」と「暮らし」
folkチェアに心惹かれた理由と実際の使い心地、
いかがでしたでしょうか。
僕は椅子が好きで、1つ選ぶのにも
つい色々と考え込んでしまうのですが、
それはとても楽しい時間でもあります。
家具を選ぶということは、自分の「好き」や「生活」
を見つめて、より良く暮らすことについて考える
貴重な機会だと思っています。
ちょっと大げさかもしれませんが、そんな視点で
家具を選んでみるのも面白いかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。