木材の種類で何が違う?
家具選びが楽しくなる知識を解説
こんにちは。
Re:CENO TOKYOの人見です。
「お部屋づくりに、木の家具を取り入れたい!」
そんなとき、みなさんはどんな基準で
家具を選んでいますか?
デザインや色味、好みの雰囲気など、
見た目の印象で選ぶことも多いかと思います。
木製家具に使われている、
木材の種類や加工方法を知っておくと、
見た目や使い心地を、
さらに自分好みにすることができます。
そこで、今回は、
木製家具の魅力をもっと知りたくなる
「木材の種類」について、紐解いていきます。
家具選びの参考になりますと幸いです。
木材の種類は大きく分けて2つ
大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分類されます。
- 針葉樹(しんようじゅ)
葉っぱが細長い。
木の幹は空に向かって真っ直ぐ伸びる。 - 広葉樹(こうようじゅ)
葉っぱが平たく、丸みがある。
樹形は横に広がり、丸い形が多い。
このように、葉っぱの形状や、樹形からも、
見分けることができます。
また、針葉樹は柔らかく、
広葉樹は硬いのが一般的です。
それらの違いは、木の構造が関係しています。
木材としての特徴を、詳しく見ていきましょう。
柔らかくて軽量な「針葉樹」
柔らかくて、軽量なのが、魅力の針葉樹。
日本では、マツやモミの木が有名です。
幹の気密性が低く、空気を多く含むため、
木材にした時、柔らかくて軽い木材に仕上がります。
また、針葉樹を使った家具には、
こんなメリットがあります。
- 軽量で持ち運びが簡単
- 手触りや見た目が優しい印象になる
- 柔らかく安全性が高いので、
キッズ家具におすすめ
家具によく使用される、3つの木材をご紹介します。
① パイン
マツの木を加工した木材のことを
「パイン」 とよびます。
パインは50種以上も種類がありますが、
北米産のマツを加工したものを
パイン材と呼ぶのが一般的です。
木目の節が多く、
全体的に白っぽい黄色に近い色味が特徴的ですが、
経年とともに艶のある褐色に変化します。
木目に見られる節が、
ナチュラルな風合いで、カントリー調など、
温かみのあるテイストにおすすめです。
木肌が柔らかいパインは
ぶつかったときの衝撃を和らげてくれるため、
安全性が高いのも特徴。
怪我などのリスクが低くなるため
キッズ家具にも、適した木材です。
② スギ
スギは、幹がまっすぐに伸びることから、
「直ぐ木(すぐき)」が語源になったと
いわれています。
とにかく軽量なのが最大の特徴で、動かしやすく、
軽い家具をお探しの方は要チェックです。
折りたたみテーブルなど、
移動させることの多いアイテムにもおすすめ。
気密性が低いスギは、家具の反りの原因になる
湿気を逃がしやすく、狂いが生じにくい木材です。
多湿な環境でも、安心してお使いいただけます。
③ ヒノキ
ヒノキは、仏閣や神社を建てるための木材として
古くから用いられてきました。
伐採から200年の間は、強くなり続けると言われており
腐朽しにくく、耐久性が高い木材です。
日本最古の木造建築、法隆寺に
ヒノキが使用されていることからも、
その耐久性の高さが分かるかと思います。
白く、光沢感のある美しい木目は、
落ち着いた、清涼感あるお部屋に仕上げてくれます。
また、香りが広がりやすく、
ヒノキチオールによるリラックス効果も期待できます。
ヒノキチオールとは?
ヒノキチオールは、ヒノキ科の木から抽出される
芳香性のある物質です。
気分を落ち着かせる効果のほか、
抗菌効果もあり、ヒノキは、
まな板などのキッチン用品にも人気です。
硬くて耐久性に優れた「広葉樹」
硬く、耐久性に優れているのが、魅力の広葉樹。
日本では、サクラやカエデの木が有名です。
樹木に水分を多く蓄える広葉樹は、
幹の繊維がギュッと詰まっており、
硬くて重い木材に仕上がります。
そして、広葉樹を使った家具には、
こんなメリットがあります。
- 耐久性が高く、
長年使いたい家具に適している - 揺れに強く、
ソファー・チェアーのフレームにも良い - 硬くてキズに強いため、
筆跡が残りやすいテーブルにもおすすめ
家具によく使用される、3つの木材をご紹介します。
① オーク(ナラ)
オークは、重厚で硬いのが最大の特徴です。
日本のナラ材と似ていますが、
厳密には別物とされています。
強度が高いため、耐久性を必要とされる
ソファーやキッチン、キャビネットなどの大型家具、
床材としても人気の高い木材です。
木目が細かく、反りや割れが生じにくいのも、
家具の木材に適している理由のひとつです。
木目に現れる、虎斑(とらふ)模様が美しく、
この模様を目的にオークを選ぶ方も。
長年使い続けたい家具には、
オークを取り入れることをおすすめします。
虎斑(とらふ)とは?
虎の体の縞模様に似ている木目。
他の部分とは光沢が異なり、
虎の毛並みのような美しい輝きをもちます。
木の栄養を含んでいる場合にでる木目で、
良質な木材であることを意味しています。
② アッシュ(タモ)
アッシュは、
トネリコと呼ばれる樹木を原料にした木材です。
日本のタモ材と似ていますが、
厳密には別物とされています。
野球のバットでも使用されるほど頑丈で、
耐久性があり、家具として数十年以上使用できます。
さわやかな木目も特徴的で、ナチュラルテイストや、
北欧テイストに合わせやすい木材です。
経年変化が少なく、
長年使い続けても雰囲気が変わりにくいです。
変色も、わずかに黄色くなる程度なので
新しい状態の雰囲気を
長く楽しみたいという方におすすめ。
③ チーク
チークは、世界三大銘木のひとつでもあり、
古くから、高級家具や客船に用いられてきました。
湿気や水、虫害にも強く、
耐久性も高いので、長年使いつづけられる木材です。
天然の油分を含んでいるため、艶感があり、
高級感あるお部屋を演出することができます。
経年とともに、ゴールデンチークカラーと呼ばれる
黄褐色に変化します。
色味が濃くなり、重厚感や、高級感が増していくため、
経年変化を楽しみたい方にもおすすめです。
銘木とは?
銘木とは、木材の中でも、
形状や大きさ、色、材質等が優れたもの。
製材された材面の鑑賞価値が高く、
独特な趣をもち、優雅で美しい希少な木目を
もっているものとされています。
世界三大銘木とは?
家具によく使用される木材で、
「チーク」「ウォルナット」「マホガニー」が
こちらに値します。
木目の美しさや色合いにくわえて、
家具としての存在感や強度に長けており、
世界中で、多くの人に愛されています。
価格の上昇や、流通の少なさから、
入手が難しいため、
見つけたらチェックするのがおすすめです。
何を重視する? こだわり別「木材」の選び方
ここからは、
こだわり別に木材の選び方をご紹介します。
なりたいお部屋のイメージや、
普段の生活スタイルに合わせて選びましょう。
① 手触り
柔らかさが特徴の針葉樹は優しい触り心地。
温かみのあるお部屋にしたいときや、
子供用の家具にもおすすめです。
オーク、アッシュは硬く、
油分を多く含むチークはしっとりとした手触りです。
木材によって木の質感は、大きく異なります。
特に、毎日手に触れる、ソファーや、テーブルなどは
お店で、実際の木に触れてみることをおすすめします。
② 色合い
他の家具との組み合わせも考慮して、
家具の色を選びましょう。
近い色味の木材を使った家具を揃えると、
お部屋全体にまとまりが生まれます。
また、同じ色味で合わせることが難しい場合には、
色味ではなく、「トーン」を
統一させることがポイントです。
トーンとは、
色相環の中で明度・彩度が似たものを呼びます。
トーンを合わせると、家具の色味が異なっていても、
お部屋の雰囲気が損なわれることはありません。
トーンを合わせた家具の揃え方は、
以下の動画からご覧いただけます。
【動画】ナチュラルヴィンテージの作り方| Vol.2 トーンを合わせた家具を揃えましょう。
また、お部屋全体の色合いをしっかり見たいときは、
サンプル品を取り寄せて実物を見比べながら
選ぶのがおすすめです。
リセノでは、一部、家具のサンプルを
取り寄せることができます。
是非、質感や色味を、
手に取りながらお確かめください。
ソファ・チェア サンプル請求
テーブル 板サンプル請求
収納家具 板サンプル請求
ラグマット サンプル請求
カーテン・ブラインド サンプル請求
③ 軽さ
掃除の際に移動させたい、引っ越しが多いなど、
家具を動かすシーンが想定されるなら、
軽さにこだわりましょう。
軽い木材といえば、「針葉樹」です。
柔らかく、傷がつきやすい性質もありますが、
経年による味わいとして楽しむことができます。
家具に使われる「木材加工」の種類
加工の種類は、見た目にはもちろん、
価格帯にも大きく影響します。
- 無垢材(むくざい)
- 集成材(しゅうせいざい)
- 突板(つきいた)
- 合板(ごうはん)
- プリント材
それぞれに、メリット・デメリットがあるため、
用途によって使い分けをしましょう。
① 無垢材(むくざい)
無垢材(むくざい)とは、「木」そのもののこと。
森で育った木を、切って削って、
製材された木材のことを指します。
無垢材の家具は、天然木ならではの美しい木目や、
自然な風合いを楽しめます。
木の幹の太さが確保できる場合には、
一枚板のテーブルとしても人気の木材です。
しかし、温度や湿度の影響を受けやすく、
反りやゆがみが生じやすいので、注意しましょう。
② 集成材(しゅうせいざい)
集成材(しゅうせいざい)とは、
製材された無垢材を張り合わせて、
板状にした人工的な木材のことです。
木製家具のほとんどは、
この集成材を使用していることが多いです。
無垢材と比べて、反りやゆがみが出にくいのが特徴的。
無垢材の家具は、
材料として、ある程度木の幹の太さが必要になるため、
高額になってしまうのが、デメリットですが、
細い木をつなぎ合わせて大きい面積を作る、
集成材を使用した家具は、無垢材家具よりも
価格を抑えられるのが、大きなメリットです。
③ 突板(つきいた)
突板(つきいた)とは、
無垢材を0.2mmほどの厚みにスライスし、
芯材に貼り付けたものを指します。
無垢材の板を、家具の表面に貼り付けているため、
無垢材家具と遜色なく、木の風合いを楽しめます。
無垢材の弱点である、反りや、割れの心配が少なく、
また、木目が整えられた、
きれいなものとして仕上げられたものが多いです。
そして、無垢材・集成材より
価格が抑えられるのも嬉しいポイント。
芯材とは?
木屑などを固めてつくる、
家具の土台となる材料。MDFなど。
安価な無垢材(松や杉など)が、
芯材に使われることもあります。
また、無垢材と突板を
組み合わせている家具もあります。
「folk 伸長式ダイニングテーブル」は、
テーブルの脚を無垢材、
テーブルの天板には突板を使用しています。
テーブル天板のような、大きな面積で
無垢材を使用した場合、
反りや、割れが生じやすくなりますが、
天板を突板にすることで、
その心配を軽減してくれています。
突板の家具と比べて、無垢材家具は
価値として、「良いもの」とされる傾向がありますが、
それぞれにメリット・デメリットがあるため、
適材適所の観点から、
吟味していただけたらと思います。
【動画】「無垢家具」と「突板家具」の違いを学ぼう!
無垢材と、突板の見分け方は?
木の小口面(こぐちめん)を見てみましょう。
小口面とは、
木材を横に切ったときの断面のことであり、
木の繊維を断っている面です。
無垢材であれば、
小口面に年輪が見えていますが、
突板の場合、張り付けた板の
別の木目が見える状態となります。
③ 合板(ごうはん)
合板(ごうはん)とは、
複数枚のベニヤを重ねて
接着剤で貼り合わせた木材です。
木目を交差するように重ねているのが特徴で、
横から見るとミルフィーユのような
見た目をしています。
厚みはベニヤの重ねる枚数によって変えられるため、
薄い板から分厚い板まで、
様々な厚みの材料を作ることが可能です。
成形合板(せいけいごうはん)にして、
椅子の素材として使用されることも多いです。
薄くて軽量、かつ強度があり、
繊細なデザインを作ることができます。
成形合板(せいけいごうはん)とは?
成型合板とは、
合板に熱を加えながら型にはめて
曲面状に形作った木工技術のことを言います。
椅子に用いられることの多い技術で、
ゆがみや反りが出にくい製造方法です。
③ プリント材
プリント材とは、木の柄をプリントした紙を、
芯材に貼り付けたものを指します。
天然木を使用していないため、
無垢材を使用した家具の風合いには劣るものの、
価格をかなり抑えられるのが、大きな特徴です。
同じ木目を大量に作り出すことができ、
木目の個体差がありません。
フォーカルポイントとなる家具には向かないため、
脇役家具への使用がおすすめです。
フォーカルポイントとは?
フォーカルポイントとは、
「焦点となる場所」という意味。
お部屋の中でよく目にはいる場所のことで、
インテリアにおいては、
お部屋の印象を決定づける重要な場所です。
【動画】センスのいらないインテリア| 「フォーカルポイント」を学びましょう。
【動画】センスのいらないインテリア| 家具の素材 「無垢材・突板・プリント」の違いを知りましょう。
木材の種類、特徴を知って、家具選びを楽しみましょう。
それでは、今回のおさらいです。
- 「針葉樹」は柔らかくて軽量。
- 家具に使用される針葉樹3選
パイン/スギ/ヒノキ - 「広葉樹」は硬くて耐久性が高い。
- 家具に使用される広葉樹3選
オーク/アッシュ/チーク
▼こだわり別に家具を選びましょう
- 手触りは木材によって異なるため、
実際に触れてみる - なりたいお部屋のイメージに合わせた
木の色合い、トーンで選ぶ - 動かすシーンが多い場合には、
木材の軽さに注目する
いかがでしたか?
木材の種類と特徴を知っておくと、
なりたいお部屋のイメージに、
グッと近づけることができます。
木製家具は、一度購入してしまうと、
気軽な買い替えが難しいものですが、
お気に入りの家具と、
人生を長く共に過ごすことができるのも
木製家具の醍醐味です。
今回ご紹介した内容が、
家具選びの参考になりますと、嬉しいです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。