オイル塗装の家具のメンテナンス方法をご紹介します。
こんにちは。
品管チームのわたなべです。
今回のマガジンでは、オイル塗装の家具の
メンテナンスに関して、お話いたします。
オイル塗装の家具は、木本来の自然な仕上がりが
好きな方や、塗料に化学物質を使われていないものが
多く、アレルギーに敏感な方に支持されています。
ただオイル塗装は、日常の清掃に加えて、オイルを
使った簡単なメンテナンスが、定期的に必要に
なります。
オイルメンテナンスの実践方法と、メンテナンスに
関して、知っておいてほしいことを、詳しく
お伝えしていきます。
オイル塗装にメンテナンスが必要な理由は?
まずは、オイル塗装の家具のメンテナンスに関する
予備知識をお伝えします。
オイル塗装の特徴
オイル塗装は、ウレタン塗装などと違い、塗膜がない
ので、手で触れたときに、しっとりとした木肌の感覚
があり、木本来の質感を感じられる塗装方法です。
油分を木の内部に浸透させることで、適切な湿度を
保たせながら、表面についた水分をある程度、
弾くことができます。
メンテナンスしないとどうなるか?
上:オイルが揮発した状態/下:オイル塗装メンテナンス後
木部に浸透していた油分は、時間の経過とともに、
たんだんと揮発していき、抜けていってしまいます。
オイルが揮発してしまうと、何も塗っていないのと
変わらない状態に近づいていき、水分を弾かずに、
木の内部にどんどん染み込みんでしまいます。
表面についた汚れも、水分と一緒に染み込み、
シミになったり、変色したりしやすくなります。
またオイルがない状態の木材は、空気中の湿度や、
拭き掃除の水気に、ダイレクトに反応してしまい、
伸縮が頻繁に起こり、木が割れやすくなったりします。
油分のない木材に対して、オイルは化粧水みたいな
もので、カサカサになった木肌を、しっとりとした
状態に戻すと同時に、木を保護することができます。
オイル塗装の家具は、定期的にメンテナンスをして、
良い状態を保ちましょう。
オイル塗装のメンテナンスに必要なものは?
オイル塗装の手順をご紹介する前に、使う道具を、
ご紹介します。
- オイル(ワックス)
- ウエス
- サンドペーパー
オイル
塗装のオイルは、荏油(えごま油)や、亜麻仁油
(あまに油)といった自然由来の油を、主成分と
したものを使います。
オリーブオイルなどと違い、これらのオイルは、
乾性油といって、空気に触れるとゆっくりと酸化して、
固まる特性があり、塗った後にベタベタすることは
ありません。
またワックス成分が入っているオイルもあり、
うっすらとした保護膜をつくり、木を保護しつつ、
揮発を抑え、メンテナンスが必要となる期間が長く
なるものもあります。
このワックスも、蜜蝋(ビーズワックス)や
カルナバワックスといった自然由来の成分なので、
安心してお使いいただけます。
今回は、リセノで取り扱っているワックス成分入りの
オイルの「HOWARD フィーデンワックス」を、
使って説明します。
ウエス
オイルを塗りこんでいったり、余分なオイルを拭き
取ったりするのに、ウエスを使います。
ウエスとは、ホームセンターなどで売っている
工業用の柔らかい綿の布です。
わざわざ専用のものを用意せずとも、綿100%の柔ら
かい布であれば問題なく、着古したTシャツを切った
もので十分です。
サンドペーパー
サンドペーパーは、拭いても落ちないシミや汚れ、
見た目にムラがある状態の場合は、表面を削って、
整えるのに、使います。
見た目に悪くなっているところがなければ、サンド
ペーパーを使う必要はありません。
また、オイル塗装をくり返し重ねていくと、
だんだんと色が濃くなっていきますし、
紫外線の影響でも、表面が変色します。
こういった場合に、もとの薄い色が好みの方は、
サンドペーパーを使って、古いオイル成分を落として
から、塗り直しをするとよいでしょう。
サンドペーパーは粗さを表す数字がありますが、
オイル塗装のメンテナンスには、♯320か♯400のもの
が、おすすめです。
チェアのような曲面が多い家具には、サンドペーパー
ではなく「スポンジやすり」がおすすめ。
ムラなく、まんべんなく削れるので、
きれいな仕上がりになります。
突板の家具は、サンドペーパーで削ると、突板が薄くなっていき、最後にはなくなってしまいます。
削りすぎないよう、慎重に行いましょう。
オイル塗装のメンテナンスの手順
使う道具の準備ができたら、オイル塗装の
メンテナンスをしていきましょう。
① 木の表面を整える。
大きな汚れがついていたら、塗り広げることになるの
で、まずは拭き掃除をします。
水拭き、乾拭きをして、表面の水気が乾ききるのを
待ってから、オイルを塗り始めます。
上の項目で説明したように、サンドペーパーで、
表面の状態を整える場合は、このタイミングで、
行います。
汚れなどが気になる箇所ばかり研磨してしまうと、
その箇所だけオイルをよく吸い込んでしまい、
ムラができてしまいます。
家具全体を均等にサンドペーパーで削ることを
意識して行いましょう。
サンドペーパーで出た粉を、乾拭きでとったら、
塗装前の下準備は完了です。
② オイルを塗り込む。
「フィーデンワックス」を、ウエスに適量を取ります。
木肌の状態により、染み込む量が変わるため、
少しずつ塗り広げてください。
フィーデンワックスは、ジェル状なので、塗り広げ
やすく、ムラになりにくいので、メンテナンスに
慣れていない方でも、簡単に作業ができます。
木目に沿って、ワックスを全体に塗り広げていきます。
フィーデンワックスには、オレンジ由来の洗浄成分
「d-リモネン」が含まれており、家具についた汚れ
も、同時に除去できます。
そのため少しぐらいの汚れならば、事前の拭き掃除を
しなくても大丈夫です。
全体に塗り終えたら、そのまま20分ほど油分が
染み込むのを待ちます。
③ オイルを拭き取り、乾かす。
塗るのに使ったものとは別のウエスで、乾拭きを
おこない、木肌に染み込みきらなかった余分な油分を、
拭き取ります。
このとき、磨く力が強すぎると、どんどんツヤが
出てしまいますので、軽い力で様子を見ながら、
拭き取ってください。
乾拭き後は、半日程度乾かして、ベタベタしなく
なれば、メンテンナンス完了です。
オイル塗装のメンテナンスで知っておくべきこと
オイル塗装は、誰でも簡単にできますが、
以下のことを知ったうえで行っていただきたいので、
補足として、ご案内いたします。
オイル塗装後のウエスの捨て方に注意する。
亜麻仁油など乾性油は、空気に触れると、徐々に
熱を持つ性質があります。
乾性油をたくさん含んだウエスを、そのまま捨てて
しまうと、熱が溜まっていき、発火の恐れがあります。
必ず水につけてから処理するようお気を付けください。
今回使った「フィーデンワックス」は、発火の恐れは少ないです。
使用するオイル塗料の注意書きを確認して処分しましょう。
透明のオイルか、色付きのオイルか確認する。
オイルには、透明(クリアー)のものと、色付きの
ものがあるので、選ぶ際にご注意ください。
リセノで扱っている「オレンジオイル」と
「フィーデンワックス」は、どちらも透明(クリアー)
です。
色付きのオイルが塗られた家具に、クリアーのオイル
を上から塗って、メンテナンスをすることはできます。
しかし、サンドペーパーで削ると、色が落ちてしまう
ので、注意が必要です。
逆に、色を塗り替えたい場合は、サンドペーパーで
表面を削ってから、色付きのオイルを塗れば、
違う色にすることが、簡単にできます。
定期的なメンテナンスで、オイル塗装の家具をきれいに保ちましょう。
オイル塗装のメンテナンス方法は、いかがでした
でしょうか。
メンテナンスと聞くと、少し面倒な感じがしますが、
意外と簡単ですし、家具が生まれ変わったように
きれいになる様子を楽しめるので、
ぜひチャレンジしてみてください。
またオイル塗装のメンテナンス用品として、リセノで
取り扱っている「オレンジオイル」は、拭き掃除の
ついでに、できるほど簡単にメンテナンスができる
のでおすすめです。
汚れがつきやすいオイルの家具ですが、日々の拭き
掃除に気軽に使える「クリーナフィニッシュ」を
使えば、いろいろな汚れを落とすことができます。
石鹸成分を元にしたクリーナーなので、家具の塗装の
種類を問わずに使用いただけますし、家中のさまざま
な掃除にも使うことができます。
今回ご紹介した内容と、メンテナンス用品を上手に
活用して、日々のお手入れを気軽にしていただければ
幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。