
「どこに」「何を置く」の2点を押さえて、フォーカルポイントをつくりましょう!
https://www.receno.com/pen/coordinate/u19/2022-02-21.php公開日 2025年09月19日(金)
こんにちは。リセノ編集部の増田です。
今回は、リセノのプロサポートに
お客様からよくご相談いただく
8畳リビングのレイアウトについてです。
1人暮らし~2人暮らしにおすすめの
コンパクトな8畳リビング。
特に都市部の賃貸住宅で、よく見られる間取りです。
こういった小さな間取りでよく出てくるお悩みが、
ドアや窓など備え付けのもので
壁が埋まってしまっていること。
隣のお部屋とつながるドアや、採光のための窓、
備え付けのクローゼット...。
いろんなもので壁が埋まっていて、
家具を置くための場所が取れないこともあります。
こういった間取りでは、
家具のレイアウトが難しいですよね...。
ドアや窓に重ならないように家具を置こうとしても、
なんだかしっくりこない、
暮らしにくいということが起こります。
そこで今回は、
ドアや窓が多くて壁のスペースが少ない
リビングのレイアウトのコツを解説いたします。
マガジンをお読みいただければ、
どのような点に注意して家具を配置すればよいか、
そのポイントを学んでいただけます。
ぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです。
お部屋選びの際に、
日当たりの良さを重視する方は多いですよね。
窓がたくさんあって、明るく開放的なお部屋。
自然光を取り込めてうれしい反面、
実は家具のレイアウトが難しい...
ということも少なくありません。
特に都市部では、限られた敷地で、
多くの住戸を確保する必要があります。
限られた床面積を有効に使うために、
リビングには各部屋へのドアや採光用の窓が集まり、
四方の壁が埋まってしまうケースが多いのです。
さらに、「収納不足」が課題の日本のお家では、
そこにクローゼットなどの収納スペースも加わります。
LDKでは、追い打ちでキッチンが加わることも。
空いている壁の方が少ない...ということになります。
リセノスタッフ・木下宅
先日YouTubeで公開した、
動画クリエイター・木下宅のPro-Afterの動画でも、
まさに同じ悩みが上がっていました。
皆さまの中にも、そういった間取りのリビングに
お住まいの方がいらっしゃるかもしれません。
このような「壁が少ない」リビングは、
家具のレイアウトが通常より難しいのです。
ここからはその理由を3つ、詳しく解説していきます。
理由を理解することで、対策を立てやすくなります。
まず、壁が空いているお部屋に比べて、
置ける家具のサイズが限られる場合があります。
ソファーや収納棚などの大きな家具は、
壁に寄せて配置すると安定します。
また、壁に寄せて配置することで、
お部屋の中央のスペースも広く取れます。
ですが、ドアや窓などで壁が埋まっていると、
壁に寄せて置ける家具のサイズが限られてしまいます。
残された壁にフィットする家具を選ぼうとすると、
かなり小さくなって、不便に感じてしまうことも...。
ドアや窓から離して家具を置こうとすると、
人の移動を妨げてしまう可能性があります。
「お家の中心」であるリビングは、
ドアや窓が複数あることが多く、
人の出入りも頻繁に発生します。
何も考えずに家具を置いていくと、
通り道を塞ぐことになりかねません。
ドアや窓の前に家具を置くのはもちろんNGですが、
そこから離して置いていたとしても、
実は移動の妨げになってしまう...というケースも。
各部屋やベランダへの移動ルートを考慮して、
それを遮らないように家具を置くことが大切です。
お部屋の片側にレイアウトの偏りが発生
ドアや窓を避けて家具を置いていくと、
空間のバランスが崩れてしまうこともあります。
ドアや窓があると、その方角には家具を置けず、
しかたなく反対側に家具を集めることになります。
すると、お部屋の中で、
レイアウトの偏りが発生してしまいます。
お部屋の一方はごちゃごちゃで、
もう一方はスカスカ...なんて状態に。
過ごしやすさだけでなく、
見た目のバランスの美しさも考えるとなると、
さらにレイアウトが難しくなっていきます...。
ここまで、ドアや窓が多いリビングの
レイアウトの難しさをご説明しました。
それでは、そういった「壁の少ないリビング」では、
どのような点に注意して
レイアウトをしていけばよいのでしょうか。
ここからは、ドアや窓が多いリビングの
レイアウトのポイントをご説明していきます。
まずは、お部屋の
フォーカルポイントを見つけることです。
フォーカルポイントとは、お部屋の中で
もっとも視線が集まる場所のこと。
この場所を美しく整えることで、
リビング全体の印象が大きくアップします。
先ほどご説明した通り、「壁の少ないリビング」は
空間のバランスが崩れやすいです。
だからこそ、最初にお部屋の軸となる
「フォーカルポイント」を整えて、
そこを中心に組み立てていくのがおすすめです。
フォーカルポイントの代表例は、
お部屋の入口から最初に見える場所です。
多くの場合、
出入り口の対角線の角がそれにあたります。
たとえば、この場所に「テレビ」があると、
一番目立つ場所に「黒くて四角いもの」が陣取り、
リビング全体がちょっと味気ない印象に。
△ フォーカルポイントに無機質なテレビ
それでは、リビングのフォーカルポイントを
彩るのにおすすめのアイテムをご紹介します。
まずは、リビングの主役であるソファーです。
ソファーはそれ単体で美しいデザインのものも多く、
フォーカルポイントに置くことで、
その美しさを最大限に活かすことができます。
フォーカルポイントに置く際は、
ソファーの顔である正面を入り口側に
向けていただくと、さらに効果が高まります。
続いて、キャビネットなどの収納家具も
フォーカルポイントにおすすめです。
キャビネットを置く際は、その上に
アートや雑貨などをディスプレイして、
美しく彩ってみましょう。
キャビネットのみだとやや単調な印象ですので、
その上にしっかり見どころをつくることによって、
リビング全体の雰囲気が良くなります。
「どこに」「何を置く」の2点を押さえて、フォーカルポイントをつくりましょう!
https://www.receno.com/pen/coordinate/u19/2022-02-21.php
「フォーカルポイント」をばっちり決めたら、
次に人の通り道、
すなわち生活動線を計画します。
よく使う通り道はどこかを理解して、
それを避けるように家具を置くことで、
暮らしやすいレイアウトになります。
生活動線の計画は、メインとなる主動線と、
より細かい副動線にわけて考えることで、
整理しやすくなります。
「主動線」は、
お部屋からお部屋への移動です。
たとえば、廊下からリビングに入り、
その先の寝室へ向かう、など。
ベランダへの出入りも含みます。
リビングにあるドア(窓)とドア(窓)の
移動ルートを線で結んでいただくと、
主動線を導き出せます。
「副動線」は、
お部屋の中での移動です。
特に考えておきたいのは、以下の3つです。
このように、備え付けの設備の位置をチェックし、
それを使用するための通り道を考慮しておきます。
先ほどの主動線に副動線を付け加えることで、
大まかな生活動線を割り出せます。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レイアウト」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-08-09.php 「フォーカルポイント」を優先して整え、
その後に「生活動線」を計画することで、
置くべき家具の種類や位置が絞れてきます。
あとはドアや窓を必要以上に塞がないよう注意しつつ、
全体のバランスを見て家具を配置していきましょう。
最後に、ここまでご説明してきたポイントに沿って、
実際に8畳リビングのレイアウトをつくっていきます。
こちらの空っぽのLDKを例に、
「夫婦2人暮らし」を想定して
家具のレイアウトを計画します。
ご覧のとおり、ドアや窓、収納、キッチンで、
四方の壁が埋まっているお部屋です。
「リビングダイニング」の例にはなりますが、
ダイニングスペースはコンパクトにまとめて、
「リビング中心」のレイアウトを考えます。
それでは、
まず「フォーカルポイント」を見つけましょう。
代表的なのは、
お部屋の入口から最初に見える場所でしたね。
お部屋の出入り口の対角線の角に、
キャビネット+ディスプレイを配置します。
フォーカルポイントを彩ったことで、
お部屋に見どころが生まれました。
リビングの軸となる場所が整いましたので、
続いて「生活動線」を確認してきます。
生活動線は、
まずメインとなる主動線を確認しましょう。
こちらのリビングを見てみると、
四方向にドアや窓などの出入り口があります。
今回は、
お部屋の中心から各出入り口への移動しやすさ
を考慮します。
リビングの中心を通ることで、
どの出入り口にもスムーズに
アクセスできるレイアウトを考えます。
つまり、
リビングの中心には移動を妨げるものを置かない
ということになります。
続いて、副動線も確認していきます。
今回は、お部屋にクローゼットがありますね。
このクローゼットの前は、モノの出し入れなど
何らかの作業をすることが想定されますので、
しっかり空けておくようにします。
主動線と副動線を計画することで、
家具を配置してはいけない場所が明確になりました。
生活動線を避けつつ、
大まかにこのようなレイアウトを計画します。
それでは最後に、実際に家具を配置していきます。
リビング、ダイニング、収納(テレビ)の
順番で配置していきましょう。
リビングには、ゆったりとくつろげる
ソファーを配置します。
床にラグマットを敷くことで、
リビングとダイニングを視覚的に区切り、
さらにリラックス感のある空間に。
ポイントは、
ソファーの前に置くテーブルの選び方。
今回は、生活動線を十分に確保するため、
コンパクトなサイドテーブルを選びました。
センターテーブルの場合、生活動線を狭めてしまう
大きめのセンターテーブルを置いた場合、
生活動線が狭くなり、移動しづらくなってしまいます。
また、ソファーの足元にはプフを置いて、
足を伸ばしてくつろげるようにしました。
「オットマン」も同じ役割を果たしますが、
センターテーブルと同様に場所を取ってしまいやすく、
省スペースのプフを選んでいます。
ダイニングは、2人用の直径100cmのテーブルと、
チェアを2脚置きました。
ポイントは、
生活動線を確保しながら配置すること。
寝室への移動や、ベランダへの出入りを妨げない
ちょうどよい位置にレイアウトします。
もうひとつのポイントは、
円形のダイニングテーブルを選んだこと。
円形は、四角形とは異なり「角」がなく、
周囲を移動しやすいというメリットがあります。
今回は、見た目のやわらかさと
生活動線の確保しやすさを意識して、
円形のダイニングテーブルを取り入れています。
最後に、収納家具とテレビを配置します。
ダイニング横のスペースに高さ90cmほどの
キャビネットを並べて、その上にテレビを置きました。
収納家具とテレビボードを兼用することで、
壁の少ないリビングでも、
収納量とテレビを両立させることができました。
少し背の高いキャビネットにテレビを乗せて、
リビングのソファーに座った状態でも
画面を見ることができるようにしています。
最終的なレイアウトは、このようになりました。
壁がドアや窓などで埋まっており、
空間の使い方が難しかった8畳のリビング。
「フォーカルポイント」と「生活動線」の
2つを意識してレイアウトすることで、
見た目のバランスと暮らしやすさが整った空間に。
くつろぎや収納力もうまく取り入れながら、
快適なお部屋に仕上げていきました。
リセノでは、独自に研究を重ねた
「インテリアのセオリー」に基づき、
プロによるアドバイスを行っています。
難しい「インテリア選び」だからこそ、
インテリアのプロが寄り添って相談に乗り、
アドバイスをすることが必要と考えています。
セオリーがあるから迷わないし、
センスがなくても取り入れられる。
ぜひ、みなさまのインテリア選びが
楽しいものになるように、
サポートできればと思います。
ご興味がありましたら、リセノの各店舗や、
こちらのページからお気軽にお申し込みください。
今回のマガジンで作成したレイアウトは、
無料の3Dシミュレーションツール
「Homestyler(ホームスタイラー)」で作成しました。
とても直感的な操作で、どなたでも
お部屋の3Dモデルを作っていただけるツールです。
リセノでは、初心者の方でもHomestylerを
使っていただけるように解説動画を公開しています。
興味がございましたら、ぜひあわせてご覧ください。
写真のような3Dで、お部屋の完成イメージを再現。初心者でもかんたんに始められます。
https://www.receno.com/pen/knowhow/u4/2025-04-25.phpいかがだったでしょうか。
それでは、今回のおさらいです。
▼「壁が少ないリビング」のレイアウトが難しい理由
▼ドアや窓が多いリビングレイアウトのポイント
今回のマガジンが、
皆さまのお部屋づくりのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「6畳のリビングにソファーは置ける?」「お部屋を広く見せる方法を知りたい!」そんなお悩みにお答えします。
https://www.receno.com/pen/livings/u85/2025-06-27.php細長い「縦長」「横長」リビングのレイアウトでお困りの方へ、レイアウトのポイントをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/livings/u85/2025-06-20.phpリビングのレイアウトは、「ソファーの配置」から考えるのがおすすめです。暮らしの人数やライフスタイルにあわせた実例を紹介します。
https://www.receno.com/pen/livings/u85/2025-06-17.php12畳LDKのレイアウト術! 縦長LDKでも快適に過ごすお部屋づくり
リビングとダイニングのバランスが難しい「縦長LDK」のレイアウト。 ライフスタイル別に事例をご紹介します。
16畳の長方形LDKのレイアウト術! 「横長」「縦長」間取りの家具配置のコツは?
16畳LDKで一番も多い「長方形間取り」。おすすめのレイアウトとポイントを解説します。
10畳LDKのレイアウト術! 「どうしても動かせない家具」の対処法とは?
「コンセントの位置や間取りの制限で、どうしても動かせない家具がある...」そうお悩みの方へ、レイアウトのコツをご紹介します。
8畳リビングのレイアウト術! 「ドアや窓で壁が埋まっているお部屋」の配置のコツとは?
日本の住宅でよく見られる、ドアや窓で壁が埋まってしまっているリビング。このようなお部屋のレイアウトのコツを解説します。
家具の配置で、居心地の良さが変わる!リビング・ダイニングのレイアウトの基本をご紹介します。
リビング・ダイニングの配置の基本を知って、家族みんなが暮らしやすい空間を作りましょう!
テーブルのないリビングのメリットと、快適に過ごすためのコツを知ろう!
何となく置いてしまうことの多い、リビングテーブル。無くした場合のメリットや、快適に過ごすコツをご紹介します。