
「どこに」「何を置く」の2点を押さえて、フォーカルポイントをつくりましょう!
https://www.receno.com/pen/coordinate/u19/2022-02-21.php公開日 2025年06月20日(金)
更新日 2025年06月19日(木)
こんにちは。リセノ編集部の増田です。
今回は、リセノのプロサポートに
お客様からよくご相談いただく
10畳のリビングレイアウトについてです。
一口に「10畳」と言っても、
お部屋の間取りは千差万別です。
たとえば「正方形」の間取りと
「長方形」の間取りでは、
レイアウトで気を付けるポイントが異なります。
特に細長い「長方形」の間取りは、
とお悩みの方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、
以下の代表的な3パターンのリビングダイニングで、
10畳のリビングレイアウトの事例をご紹介します。
あわせて
「リビングを広く見せる工夫」についても
ご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
レイアウト事例をご紹介する前に、
10畳のリビングの広さについてご説明します。
「1畳」とは、その名の通り「畳一枚分」の広さです。
地域によって大きさに違いはありますが、
不動産業界では「1畳=1.62㎡以上」と
定義されています。
10畳の広さはおよそ「16.2m²」となり、
正方形のお部屋であれば、おおよそ4m四方。
長方形のお部屋では、間取りにもよりますが
「5.4m×3m」ほどの広さが一般的です。
10畳のリビングはおよそ16.2m²と、
二人暮らし~三人暮らしの方におすすめです。
お子さまが1人いらっしゃる3人家族のご家庭でも、
ストレスなく過ごせるくらいの広さです。
4人家族でも問題なく暮らせますが、
窮屈にならないよう家具の配置に工夫が必要です。
今回のマガジンでは、
もっとも代表的な以下の3パターンの
リビングレイアウトを解説いたします。
縦長リビングは、お部屋の入口から見て
縦方向に細長く伸びたリビングのことです。
多くの場合、ダイニングとリビングが
縦にひと続きになっています。
空間に奥行きを感じられる一方、
家具の配置バランスには注意が必要です。
また、マンションなどの集合住宅の場合、
入口から見て正面奥に掃き出し窓が付いている
ケースが多いです。
横長リビングは、お部屋の入り口から見て
横方向に細長く伸びたリビングのことです。
お部屋の入口の位置にもよりますが、
多くの場合、リビングとダイニングを左右に
割り当てるようなレイアウトになります。
縦長リビングと同じく奥行きを感じられますが、
家具の配置や動線の確保がポイントです。
今回のマガジンでは、
お部屋の「長辺側」に大きな窓が付いている
間取りで、レイアウトを考えていきます。
正方形リビングは、その名のとおり
正方形に近い形をしたリビングのことです。
長方形のお部屋とは違い狭い部分がなく、
家具のレイアウトの自由度は高くなります。
ですが、自由度が高くなる分、
家具の配置バランスを取るのが難しいことも。
今回のマガジンでは、リビングスペースが
正方形になっているリビングダイニングを例に
レイアウトを考えます。
まずは、縦長リビングのレイアウトのコツと
事例についてご説明します。
縦長リビングのレイアウトのポイントは、
以下の3つです。
◎お部屋の奥まで動線が通っている
入口から見てキッチン、ダイニング、リビングと
ひと続きになっていることが多い縦長LDK。
お部屋の奥に向かってスムーズに移動できるように、
「動線」を確保することが大切です。
人が1人通るのに最低限必要な動線は、
60cmとして測ってみてください。
△動線を遮ってしまっている
このように動線を遮るように家具を配置すると、
日々暮らす中で不便を感じることに。
特に横幅の狭い縦長リビングの場合は、
ソファー、センターテーブル、テレビボードを
一列に並べると、動線を塞いでしまうこともあります。
お部屋の広さにあわせて、
センターテーブルをサイドテーブルに変えたり、
家具の数を厳選したりすることも有効です。
動線を確保するうえで、
やはり重要なのが「ソファー」の配置です。
ソファーはリビングの中でも大きな面積を占める
家具ですので、動線を塞がないように
置くことが重要になります。
横幅の狭い縦長リビングでは、
ソファーを壁付けして配置いただくと
スペースを確保しやすくなります。
このように、ソファーをリビングとダイニングを
区切る「アイランド型」に配置したい場合は、
動線を遮らない横幅のものをお選びください。
お部屋の奥行きが長い縦長リビングは、
入口から奥まで視線が一直線に抜けると、
開放的なレイアウトになります。
ですので、家具の高さをできるだけ抑えて、
お部屋の奥まで見渡せるように意識してみてください。
背の低い家具は圧迫感が少なく、それだけで
お部屋を広く感じさせるメリットもあります。
△背の高い家具が視線を遮っている
こちらはやや極端な例ですが、
途中に背の高い家具を配置してしまうと、
圧迫感があり手狭な印象を受けてしまいます。
先ほどのようにソファーをアイランド型に置く際も、
背もたれの高さが低いものを選びましょう。
また、リビング全体で家具の高さを揃えることで、
より統一感のある美しい印象に仕上がります。
それでは、
「夫婦二人暮らし」のご家庭を想定して
レイアウトの実例を考えてみます。
今回は、
「ソファーでゆったりくつろぎながら、
テレビ番組や映画鑑賞を楽しみたい」
というライフスタイルを叶えるリビングです。
まず、お部屋の入口から見た時に、
ソファーの美しい意匠が真っ先に
目に入るようにソファーを置きました。
そこからリビングの奥、対角線の角へと視線が抜け、
奥行きを感じるレイアウトを作っていきました。
テレビはソファーの対面に置き、
ソファーでゆったりくつろぎながら
テレビを観られる配置にしています。
ソファーを壁付けにして、
リビングの中心には大きな家具を置かず、
動線を確保していることがポイントです。
「リビングの中心が空いていて寂しく感じる...」
という方は、動かしやすい「サイドテーブル」や、
「プフ」などを置いていただくと良いでしょう。
もしセンターテーブルを置く場合は、
人が通るスペースを確保できるかご確認ください。
続いて、横長リビングのレイアウトのコツと
事例についてご説明します。
横長リビングのレイアウトのポイントは、
以下の3つです。
横長のリビングは、実際に暮らしの中で
「どのようにお部屋を移動するか」をイメージして
家具を配置することがポイントです。
たとえば、
リビングとダイニングがひと続きのLDKの場合。
キッチンからダイニングテーブルに料理を運んだり、
ダイニングからリビングに移動したりと、
頻繁に使う「主動線」があるかと思います。
特に奥行きが狭い横長リビングの場合は、
ソファーや収納家具などで「主動線」が
塞がれていないかを確認しましょう。
LDKの場合、
これら3通りの移動をストレスなく
行えるかどうかがひとつの目安になります。
横長のリビングダイニングでは、
2つの空間の境目があいまいになり、
まとまりのない印象になってしまうことも。
レイアウトを考える際は、「ゾーニング」を
取り入れていただくのがおすすめです。
「ゾーニング」とは、ソファーやラグなどを置いて
視覚的に空間を区切る手法のことです。
このようなひと続きのリビングダイニングの場合、
リビングにラグを敷いていただくことで
リビングスペースが明確になり、
ダイニングと視覚的に分けることができます。
これによって、「食事するための空間」と
「ソファーでリラックスする空間」のように、
生活空間にメリハリが生まれます。
家具がぽつぽつと点在しているような状態から、
すっきりまとまりのある空間に変わります。
横長リビングでは、お部屋の長辺側に
大きな窓が付いていることも多いです。
特に強く陽が差し込んでくる方角の窓は、
手前にテレビを置くと「逆光で見えない...」という
ことも起こりえます。
また、掃き出し窓の手前に家具を置くと、
ベランダへの出入りがしにくくなる可能性も。
ソファーやテレビボードなど、
大きめの家具を複数置くことを検討される方は、
窓の位置も意識しながらレイアウトしてみましょう。
それでは、「夫婦二人暮らし」のご家庭を想定して
レイアウトの実例を考えてみます。
今回は、
「リビングとダイニングをゆるやかに区切り、
それぞれまとまりのある空間を作りたい」
というスタイルを叶えるレイアウトです。
お部屋の入口から見て、左手側がリビング、
右手側がダイニングになります。
入口の正面にはオープンシェルフを配置し、
お気に入りの本や雑貨をディスプレイ。
お部屋の見どころになるだけでなく、
リビングとダイニングの間の余白を埋める
役割も果たしています。
リビングとダイニングを区切るように
3人掛けソファーを贅沢に配置。
ソファーは背もたれの低い「ロータイプ」を選び、
お部屋の奥まで視線が通るようにしました。
ラグも敷いてゾーニングすることで、
リビングとダイニングを区別しています。
ローソファーを選んだことで、
ダイニングからもテレビを観ることができます。
夫婦それぞれリビングとダイニングにいても、
お互いコミュニケーションを取りやすいです。
また、キッチン・リビング・ダイニングを
行き来する「主動線」も、最短距離でストレスなく
移動できるレイアウトにしています。
実際の暮らしをイメージしながら
家具を配置していくことで、見栄えだけでなく
生活もしやすいリビングになりました。
最後に、正方形リビングのレイアウトのコツと
事例についてご説明します。
正方形リビングのレイアウトのポイントは、
以下の3つです。
正方形のリビングは、長方形に比べ狭い場所がなく、
レイアウトの自由度が高くなります。
一方で、このように家具を壁際に寄せて配置すると、
中央にぽっかりと
「デッドスペース」が生まれてしまいます。
正方形のリビングは、なんとなく家具を
配置していくと、お部屋の中央に限らず、
「ぽっかり空いたスペース」が発生しやすいのです。
配置する家具をリストアップしておき、
それらを計画的にレイアウトする必要があります。
正方形リビングのレイアウトのコツは、
「空間を分割して家具を配置する」ことです。
リビングをあらかじめ「ソファーでくつろぐ場所」
「観葉植物を置く場所」などのように分けておき、
空間を埋めるイメージで家具を配置していきます。
そうすることで、お部屋の一部のみぽっかりと
スペースが空いてしまうという事態を避けられます。
こちらは正方形のみに限った話ではございませんが、
レイアウトは「お部屋の見どころ」を決めると
考えやすくなります。
リビングの中で、特に「美しく際立たせたい!」
という家具やインテリアを決めて、
それを最も目立つ場所に配置するのです。
最も目立つ場所とは、
「お部屋の入口から最初に見える場所」。
ぱっと視界に入りやすい場所だからこそ、
そこにリビングの主役となる家具を配置すると、
格段に印象が良くなります。
お部屋の見どころが決まったら、
あとはその場所を中心に他の家具を配置していきます。
たとえば見どころに「ソファー」を置くなら、
「その横にはフロアライトを置きたいな」
「ソファーの前にはラグを敷こう」など、
レイアウトのアイデアが浮かびやすくなります。
お部屋のレイアウトは、最も目立たせたいところから。
迷った時に参考にしていただけるとうれしいです。
それでは、「夫婦二人暮らし」のご家庭を想定して
レイアウトの実例を考えてみます。
今回は、
「趣味の読書時間をゆっくり楽しむ
一人用ラウンジスペースのあるリビング」
をテーマにレイアウトを組んでみます。
まずは正方形のリビングを、
「ソファーに座ってテレビを観るスペース」と
「読書用のラウンジスペース」の2つに
大まかに分割します。
そのうえで、リビングの「見どころ」として
入口からまず目に入る場所に、
ラウンジチェアとフロアライトで
一人用の休憩スペースを作りました。
ソファースペースとラウンジスペースで
それぞれ会話もしやすいように、
ラウンジチェアの対角線にソファーを配置。
ソファーの奥にはアートを飾ってディスプレイを作り、
ラウンジチェアから眺めるお部屋の景色が
美しくなるように考えました。
テレビはソファーの正面に。
ぽっかりと空いたスペースのない
リビングレイアウトが完成しました。
それでは最後に、「リビングを広く見せる工夫」を
ひとつご紹介します。
それは、「フォーカルポイント」を意識して
レイアウトしていただくことです。
▼「フォーカルポイント」とは?
お部屋の中で最も興味を惹き、注目を集める場所のこと。
お部屋の印象を大きく左右するため、ここを美しく仕上げることで、お部屋の印象がアップします。
リビングを広く見せたい場合は、
「お部屋の奥」にフォーカルポイントを作りましょう。
そうすることで、お部屋の奥へと視線を誘導し、
「広がり」「奥行き」を感じさせることができます。
お部屋の奥を彩るのにおすすめのアイテムは、
以下のようなものが挙げられます。
① 背の高い観葉植物
また、お部屋の奥にしっかり視線が抜けるように、
背の高い家具で遮らないようにすることも重要です。
「どこに」「何を置く」の2点を押さえて、フォーカルポイントをつくりましょう!
https://www.receno.com/pen/coordinate/u19/2022-02-21.phpセンス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レイアウト」のセオリー前編をご紹介します。
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今回のマガジンで作成したレイアウトは、
無料の3Dシミュレーションツール
「Homestyler(ホームスタイラー)」で作成しました。
とても直感的な操作で、どなたでも
お部屋の3Dモデルを作っていただけるツールです。
リセノでは、初心者の方でもHomestylerを
使っていただけるように解説動画を公開しています。
興味がございましたら、ぜひあわせてご覧ください。
写真のような3Dで、お部屋の完成イメージを再現。初心者でもかんたんに始められます。
https://www.receno.com/pen/knowhow/u4/2025-04-25.phpいかがだったでしょうか。
それでは、今回のおさらいです。
▼縦長リビングのレイアウトのポイント
▼横長リビングのレイアウトのポイント
▼正方形リビングのレイアウトのポイント
▼リビングを広く見せる工夫
今回のマガジンが、
皆さまのお部屋づくりのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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