【蚤の市で見つけた偏愛品】
シスターのキャンドルスタンド
コロナ情勢は「古いもの界隈」にも
等しくやってきて、月に一回の蚤の市から、
さらに遠ざかる時期もあったり。
そんなディスタンスを埋めるべく身についたのは、
ネットで古いものを探すという、悪習。
情緒も節操もないけれど、ひと同士の出会いも
多様化しているのだから、一体何が悪いものかと、
開き直るのにも慣れてきたころ。
ひとつだけ分かったことは、古いものの神様は
ちゃんと画面の中にもいるということだ。
そのキャンドルスタンドに出会ったのは、
ヴィンテージを扱う北欧のサイト。
シスターを象った、2つ揃えのアートピース。
久々にビビッとくる。
送料の高さに怯む心に、囁く。
「いま逃したら、もう出会えないかも」
それは、古いもの歴2年の直感か。
それとも、自分を都合よく甘やかす悪魔か。
いつも通り、古いものの神様のせいにして、
意気揚々と個人情報をフォームに打ち込む。
英語のメールはよく分からないけれど、
「Order Update」の文字が送られてくるたびに、
心が踊った。
待ちわびた小さなダンボールを開ける。
それは、とても綺麗な品だった。
深みのあるテラコッタと、練乳みたいに白い修道衣。
キャンドル文化が息づく、北欧よりの使者。
さっそく、飾ってみる。
並んで置いてあると、何だか井戸端会議でも
している風情で、早くも親近感が湧いてくる。
「最近引っ越してきましたの」
「あら、私もですのよ」
そういえば、キャンドルを買うの忘れてたなぁ。