【蚤の市で見つけた偏愛品】
凛々しさ漂う小棚
商店街のように、馴染みの店が並ぶ。
どこへ立ち寄っても、幼いころから、
僕を知ったような笑顔を向け、店主が挨拶をくれる。
「おかえり」と「ただいま」のよう。
それが、蚤の市の居心地のよさの所以に思う。
近くにあるものを見ればいいのに、
なぜだか、遠くにあるものばかりが気になる。
せっかちな僕が、こんなところにも現れて、
嫌気はさすけれど、凝りはしない。
そんなとき、50mほど先に、ときめきを見つけた。
(僕、目だけは、とっても良いんです。)
これだから、止められない。
足音を近づけながら、
すでに、お部屋に迎えたあとの妄想にふける。
キッチンのRUSに置いたら、コーヒーを淹れる時間も
お気に入りのマグカップの居心地も最高だろうな~。
目の前に対峙した瞬間、ポロッとこぼれた。
僕:「この棚をください。」
店主:「はえ~な!!可愛いもんね(笑)」
僕:「はい!そうなんです。(満面の笑み)」
もはやどちらが、店主か分からないほどの愛着ぶり。
あれから、半年以上過ぎた。
いい感じに、馴染んでるなじんでる。