【蚤の市で見つけた偏愛品】
横顔も美しい手編みのカゴ
リセノにカゴ好きは多い。
もちろん、自分も例外ではない。
果物を入れたりパンを入れたり、
なんでも素敵に収めてくれる。
カゴがあるとなにかと便利で、
いくつ持っていても良いと思える
アイテムのひとつである。
我が家にもたくさんカゴがある。
ただ、ものを収めるというより、
デザイン性が高いがゆえに
飾りたくなるカゴが多い。
その中でも特にお気に入りで、
何年も前から壁に掛けて
飾っているこのカゴ。
サイズ感、編み方、色。
すべてのバランスが好みで、
ずっと眺めていたい。
どのカゴよりも渦巻き具合が強く、
目の錯覚で動いているようにも見える。
何十年もの時代を刻んで
ここへやってきたのだろうと
ぼーっと眺めていると、
まるで吸い込まれていくみたい。
気が遠くなるような、
目眩がするような、
そして少し胸を締めつけられる
この感覚は嫌いではない。
なにより、横顔が美しい。
性別があるならば女性かな?
どうやって編んだんだろう?
どこから編み始めて、
どこで終わるのかな?
この模様を思いつくのに、
どれだけ試行錯誤したんだろう?
横顔を眺めながら
そんなことを考えていると、
また軽い目眩に襲われる。
どうやら僕の心も
このカゴの中にすっぽりと
収まっているようだ。