【さて、どう暮らそう。】子どもの心を育むダイニングのインテリア
こんにちは。
空間コーディネーターの平野美香と申します。
日々、暮らしのそばにあるインテリア。
街には、素敵なお店がたくさん溢れ、
インテリアの参考になる場が増えました。
SNSが普及した今、素敵なお宅や空間の写真に
触れる機会も多くなりました。
「あんな風に暮らしてみたいな」
と思いを巡らせるのと同時に、
「子育てしながらバタバタな毎日の
我が家では、無理なのかな。」
と諦める気持ち。
子育て世代の方との打ち合わせでは、
必ずと言っていいほど、出る話題です。
- インテリアを優先すると、使い勝手や機能性は劣る
- 使い勝手や機能性を優先するとインテリアを楽しめない
こう思われている方って、
沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、実はそれって固定概念かもしれません。
子育てをしながら、インテリアを楽しむことは、
どんなお宅でもできることだったりします。
見た目に素敵だなと思うインテリアも、
実は、機能面の方が勝っている、なんてことも。
私は、子育て世代のお客さまに
それを叶えて差し上げたいという気持ちで、
日々のお仕事に向き合っています。
「子どもと一緒にインテリアを楽しむことは、
子どもの豊かな心を育むことになる。」
大事なところはそこ。そんな風にいつも思います。
忙しい日々での「子ども」との向き合い方
我が家の子どもたちは、この春に、
小学6年生と3年生になりました。
息子は、小学校最後の年。
つい最近入学したように思っていたけど、
あっという間です。
我が家では、2人とも0歳から保育園に
お世話になりました。
朝一から18時までを保育園で過ごし、
家で過ごす時間は、朝起きてから出発までの
1時間と、帰宅して寝るまでの2時間ほど。
改めて、一緒に過ごす時間は、
とても少なかったのだなと感じます。
とは言え、忙しすぎて全く記憶がないとか、
子育てが大変すぎた...ということもなく。
それはなぜだろう?と振り返ったときに、
これが理由かなと思うことが2つあります。
① 働くなら、子どもに申し訳ないと思わない
こう思えたのには、当時出会ったお客さまが
仰っていたこんな言葉に背中を押してもらったから。
「保育園で過ごさせてごめんね...と思わない。
親が、働いてお仕事を思いっきり楽しんでいる
背中を子どもに見せてあげること。
子どもは、親の背中をちゃんと見ているから。」
その当時、この言葉をくれたお客さまは、
もうすぐ還暦を迎えられるお年頃でした。
お子さんが小さい時からずっと働いてきたという
ご経験から、この言葉をかけてくださいました。
この言葉があったから、保育園に登園することを
親子共に楽しむことができるようになった。
そんな気がしています。
また、子どもたちから保育園での出来事を
聞くのが、私の帰宅してからのお楽しみに
なっていきました。
② 子どもも一緒に家事に参加できるインテリアを考えた
そしてもうひとつ。少ない時間の中で、
「家事」と「子どもとの時間」のどちらも
大切にするため、こんな工夫をしました。
自宅の環境を
「子どもたちも心地よく、整えやすい空間」
にしたこと。
子どもが小さい頃、帰宅して真っ先に
やることはご飯作り。
母親が家事をしている間も楽しい時間を共有できる
ように、特にキッチン・ダイニングまわりの
インテリアをどうするのか?を考えました。
「子どもがいるご家庭」におすすめのダイニング作り
実際に、我が家で実践してよかったことが
2つあります。
① ダイニングの傍に、小さな食器棚を置くこと
メインで使う食器棚は、キッチンに置いてあります。
お料理を盛ったりするお皿は、基本そこに収納。
そして、ダイニングそばの小さな食器棚には、
取り皿とグラス、湯呑みを収納。
夕飯がテーブルに並んでいくときに、
子どもたちが小さな食器棚から取り皿やコップを
出してくれて、テーブルにセッティング。
この食器棚は、子どもたち専用です。
子どもたちがその時の気分で選ぶ器を見るのも、
母の楽しみでした。
そのおかげか、今では二人とも
「このお料理には、この器!」という
お気に入りがそれぞれにあります。
② カウンターの上に、食卓で使うものを並べておくこと
子どもたちが小さい時も今も、
カウンターキッチンの家に住んでいます。
カトラリーをゾーニングしたり、
大鉢に果物を入れておいたり。
コーヒーセットも、すべてカウンターに並べます。
そうすると、朝がとっても楽です。
果物を切って、コーヒーを淹れて、
その間に、お箸は子どもたちが並べる役割。
登園前のバタバタしがちな時間が、
ずいぶんと時短になっていました。
また、お客さまから、
「キッチンには何を飾っていますか?」
とご質問いただくことがあります。
私の場合、キッチン周りにおいては、
「飾る」という発想はなく、
「いかに使うか」に尽きるスタイルです。
雑多な印象になりがちな細々したアイテム。
コツは、カウンターの中にひとつ、
大きめの枝モノを混ぜて置いてみること。
それだけで、空間がまとまります。
家事がはかどり、
子どもたちも自分たちに役割がある。
そして、インテリアも楽しめる。
一石二鳥以上の効果です。
「お手伝い」ではなく、「役割ね!」のおまじない
子どもって、「お手伝いして!」と言うと
案外面倒がったりするもの。
「これ、役割ね!」って伝えると、
やる気を出してくれたりもします。
家族は、大切なメンバー。
子どもが親を手伝うという発想ではなく、
家族の一員として役割を担う。
まずはそこから考えて、
インテリアをどう楽しんでいくか。
子育て世代の方には、そんな紐解きが大切だと
子どもたちが成長した今、思います。
そして、二度と戻ってこない「今」の時間を
存分に楽しめるように。
インテリアは、生活の一部だからこそ、
手の届かないものと捉えず、沢山の想いを叶えて、
子どもたちの豊かな心を育んでいけるように。
そういえば、心を育むために、
もうひとつ大事にしていたことがありました。
それは、会話が通り、家族の表情がどこにいても
見える家具の配置や空間づくり。
このお話は、また次回。