【ぼくとコペン】大人への危機感と、最高のアテ
最近、休日になると走り回っている。
愛車のコペンではなく、自らの足で。
ただただ「走る」ことをするのは、いつぶりだろうか。
働き始めて、車なんて持ち出したもんだから、なおさら
自分の足で走ろうなんてことはしようとしない。
車なら行きたいところにいつでも行けるし、早い。
なにより、まったく疲れというものを知らない。
ただ右足でアクセルを踏んでいれば、
いつの間にか着いてしまうのだから。
初めて、自分で運転した時のあの感動。
また一つ大人になったような気がして、
興奮したのを今でも覚えている。
そんな「大人」を重ねてきた僕だけど、ここにきて
その高揚感は危機感へと変わってきている。
昔に比べて、持久力がない。パワーもない。
だけど、お腹周りがちょっと気になるような。
よく聞く「20代後半から気を付けろ」なんて話。
怖いと言いながらもどこか他人事で、
そんなこと気にも留めていなかった。
道で見かける、首にタオルをかけ汗だくになって
走るおじさんを、車窓越しにクーラーで涼みながら
心の中で「ガンバレ〜」と応援さえしていた。
なるほど、あの光景はもしかしたら
未来の自分の姿だったのかも。
始めはそんな焦りからではあったけど、
走ること自体に関しては苦手意識はない。
むしろ、車にはない視点で街並みを見れるし、
体はもちろん、心もスッキリするような気がする。
しばらく、今の家に住んでいるのに、
初めて見るカフェだったり良い感じの景色だったり
新たな発見もある。
遠くに行けることばかり考えて、
こんな近くにあるものに気づけていなかったんだな。
元の体を取り戻せる。
心と体がスッキリする。
新たな発見がある。
お〜、これは一石三鳥くらい。
なんだか良い趣味になりそうだし、
これを習慣づけていこう。
あえて、決まったコースは決めずにその日の気分で、
右に行ったり左に行ったり。
そっちの方が発見が多くなるし、面白味もありそう。
そして今日もしっかり走り終えた。また一歩、
元の体へ近づけたような気がする。
すぐにお風呂で汗をながしてさっぱりして。
そのあとは、週末お決まりの晩酌準備。
好みのつまみでお腹を満たす夜は、
この上ない至福のとき。
気分に合わせた食材を買って、自由に作って。
そして、走ってへとへとになった後の冷えたビールは、
いつもより格段に美味しいと気付く。
まずい。最高のアテを見つけてしまった。