【やわらかく、ひびく。】なにもない日曜の朝散歩
桜の時が過ぎ、
ハナミズキが満開を迎えたある日曜の朝。
ふと思い立って、散歩に出かけることにしました。
今週は休もうと、
久しぶりに何も予定を入れなかった週末。
せっかくの何もない週末だけど、
せっかくの何もない週末だからか、
やりたいこと、やらなきゃと思うことが
次々と頭に浮かんできます。
平日に溜めてしまった掃除に洗濯に、
部屋の模様替え、気になっていた動画や本もある・・
あわよくば、ごはんの作り置きだってしておきたい。
せかせかと洗濯物を干しているとき、
ふとベランダからの景色に手が止まりました。
奥に見えるは、大文字山の「大」の字。
最近、近くの建物が解体されて、
部屋から望めるようになったんです。
そんな抜けた光景を見て、心の視界も少し開けます。
と同時に、知らぬ間にググッと
戦闘モードに入っていた自分に気付きました。
自分を休めると決めた週末のはずが、
「やらねば」モードでアクセルをふかして
頭から煙を上げていたようです。
というわけで、たまには積極的試合放棄を決めて、
外に出ることにしたのでした。
家を出て、視界に飛び込んできたのは
大小2本のひこうき雲。
まっすぐな2本の線は
何もない真っ青な空だからこそ、一層映えています。
美しい雲を引き立てる、そんな空の余白を見て、
なんだかハッとします。
やることを足し算しすぎて、
頭も心も余白が少なくなっていたかもしれないな・・
その後はぐるぐると、神社に行ってみたりもしたけど、
予想外の人混みに怯んで迷走し、
結局、近所のカフェに落ち着いたのでした。
まだまだ人の少ない時間帯。
窓辺に座って、ただただぼーっと佇んでみると、
周りと自分が溶けて、ほっとする感覚。
今日欲しかったのは、この感覚だったご様子。
ちびちびとコーヒーとケーキをいただいて、
いつもよりゆっくりのペースで家に帰りましたとさ。
長らくのパンデミックも本格的に明け、
世の中の空気が一層ぐるぐる回りだした感覚もします。
今までのこと。新しいこと。
いろんなことが頭に浮かんでくるけれど。
たまには意図的に引き算して、
ゼロみたいな時間も作っていこうかな。
自分にうだうだを許した日曜の朝は、
なにもなかったけれど、贅沢な時間でした。