【おかえりカラー】初夏のマタニティフォト
7月初旬。
妻は、妊娠8ヶ月目に突入し、
産休期間に入りました。
「マタニティフォトでも撮りに行かない?」
僕からのこんな提案がきっかけで、
マタニティフォトを撮影することに。
そうと決まれば早速準備だ。
ツバが少し大きめの麦わら帽子を被って、
お互い白の洋服にして。
そうだ、小物もたくさん持っていこう。
僕は何かを始める前に
いつも形から入るタイプで、
マタニティフォトで連想したイメージを
バババッと妻に伝えてみました。
それを正論で諭すのが、妻の役目。
「私が麦わら帽子を被ってるの
見たことある?」
「白のワンピース着てるの
見たことある?」
「小物は少しでいいよ、重いよ」
無いです。ありません。その通りです。
どんな時も自然体を大切にする妻には、
惚れ惚れしてしまいます。
家にあるものを簡単にまとめて、
車で15分ほどの大きな公園にやってきました。
この日は、どんよりとした曇り空。
木陰から差し込む、優しい光を求めて、
撮影スポットを探します。
隣で歩いていると分かりづらいですが、
こんなにも大きかったんですね。
撮影スポットが決まり、しばし小休憩。
近くの自販機から戻った妻が、
ニヤニヤしながら
買った飲み物を見せてきました。
「見て、おいしそうでしょ?」
レトロな見た目で、爽やかさ全開の缶ジュース。
これは、期待が高まりますな。
喉の乾きを潤す妻。
カメラの調整をする夫。
喉の乾きをさらに潤す妻。
カメラの調整をしながら、
喉をゴクリと鳴らす夫。
お妻さん、僕にも一口くださいな。
記念すべき1枚目。
お互い初めての経験で、
緊張感が伝わる画に。
もっとリラックスしてもらおうと、
カメラをタイマーに切り替えて、
僕も画角内に入り込みます。
さらに緊張感が増しました。
何かの儀式でしょうか?
まるで女王様と家来。
「わらわのお腹を撫でるがよい」
「ははー。ありがたき幸せ」
こんな会話が聞こえて来そうです。
ここで僕は、ピンと思いつきました。
僕もお腹をぽっこりさせればいいんだ。
幸いにもデブ活が習慣化されている僕にとって、
お腹を突き出すなど造作もないこと。
お互い自然と笑みがこぼれて、
やっと緊張がほどけて来ました。
「今、何ヶ月ですか?」
「8ヶ月なんですー」
「もうすぐですねー」
暑さで汗が吹き出すし、
風で髪はあちこちに飛ぶし。
「マタニティフォトって難しいね」
と、二人で笑ってしまいました。
パタパタと近づく2羽のカモ。
どうやらアラログのラタンバスケットを見て、
餌がもらえると思ったようです。
ごめん、何も入ってないんだ。
もうちょっとだから見守っててね。
腕に蚊が止まっていたのを見つけて、
慌てふためく妻。
今まで見たことがないほどの驚きで、
まるでホラー映画のワンシーンのよう。
妻のレアな表情を納めることができて、
これは思わぬ収穫です。
撮影も終わり、帰ろうかという時に、
僕があることを思い出して妻に話します。
「そういえば、この間、妊婦さんに席を譲ったよ」
「偉いじゃん。ほんとに助かるんだよ」
そんな妻からの言葉を聞いて、
誰かのお手伝いができて良かったなと、
改めて実感しました。
これからも当たり前の行動として、
妊婦さんに席を譲りたいと思います。
この目線の先にある立派な木のように、
時間をかけてゆっくりと育つ赤ちゃん。
出産予定日まで残り2ヶ月。
それまでは妻に、
できる限りのサポートをしていきます。
それにしても、
うちの子はどんな子なんだろうか。
早く会ってみたい。