【おかえりカラー】気遣うこと、伝えること。
「ケーキは別腹!どんなに夜ご飯を
食べようが、絶対に入る!」
僕の妻は、どちらかといえば控えめで、
おとなしい性格です。
それが、おやつやデザート、
夏場はアイスクリームでしょうか。
とにかく、甘いモノの話になると、
目をキラキラとさせ、「食べる」
「入る」「大丈夫」と、まるで
5歳児のような言葉を並べ立て、
すぐにコーヒーの準備をし始めます。
決して馬鹿にしている訳ではないのです。
妻のかわいい一面として、うんうん、と、
相槌を打ちながら、その様子を眺めています。
梅雨前の涼しい時期に、僕たちは
テラス(テラスというには少し狭いけど)に、
キャンプ用のテーブルとチェアを準備して、
デザートタイムを楽しみます。
今日はまさに、その日。
ちょうどケーキを盛り付ける
タイミングで、妻が帰って来たので、
最後のイチゴを置いてもらい、完成です。
家から徒歩5分の西友で、
全てが完結するケーキ。
中のスポンジも、生クリームも、
最初からできていたものを
組み合わせただけで、見栄えも
決して美しいとはいえない。
それでも、一口食べた時の
高揚感が忘れられなくて、
思い出した時に作ります。
甘酸っぱいイチゴと、生クリーム。
君たちが手を組めば、最強だね!と、
そう心の声で呼びかけて、冷蔵庫にイン。
それでは、後ほど。
さて、夕飯の時間です。
本日のメニューは
◆和風ツナ昆布そうめん
◆ローストビーフ
この日は、最高気温が27度。
少し蒸し暑かったこともあり、
午後4時ごろに献立を考えていたら、
そうめんが真っ先に浮かびました。
「いただきます!」
ごま油の香ばしさが食欲をそそり、
塩昆布とツナの旨味が
口いっぱいに広がります。
黄身を絡めれば、まろやかさと
コクがアップ!
このレシピを考えた人、天才かも。
いや、天才に違いない!おいしい。
でも、欲張って3束分ゆでてしまい、
お腹がはち切れんばかりに!
きっとこの量を二人で分けるのが、
正解だったのでしょうね。
満腹。幸せ。
「ご馳走様です!」
レシピをシェアしますので、
本日の夕飯にいかがですか?
和風ツナ昆布そうめん
ー材料ー(1.5~2人分)
そうめん 3束
ツナ缶 1つ
塩昆布 大さじ2
めんつゆ 大さじ4(2倍濃縮)
ごま油 大さじ2
きざみネギ お好み
※我が家は大葉を代用しました。
ー作り方ー
①そうめん3束をゆでたらザルで湯切り
②ボウルで①、油切りしたツナ缶1つ、
塩昆布大さじ2、めんつゆ(2倍濃縮)大さじ4、
ごま油大さじ2を和えたら、盛り付けて完成
お好みで、刻みネギや卵黄をどうぞ。
ささっと、お皿を洗った後は、
手早くテラスの準備を始めます。
こんな時に、コンパクトチェアが
役に立ちますね。
あっという間に、
くつろぎ空間の出来上がり!
ランタンなども雰囲気が出て好きですが、
今日は、部屋で使っている
ポータブルライトを合わせました。
暗闇の中で浮かび上がるキノコ型の
シルエットが、なんとも愛おしい。
お待ちかねのショートケーキ!
「断面どう!?生クリームたっぷりでしょ?」
と、妻に褒めて欲しい僕。
5歳児なのは、僕の方かもしれません(笑)
イチゴの甘酸っぱさが後を引くおいしさ。
これよ、この瞬間を待っていました。
フォークの手を止めなければ、
あっという間に目の前のケーキが無くなる!
そんな焦りから、2口目を躊躇していましたが、
いや、待てよ。
6等分した残りがあるし、
明日も食べれるぞ、と、
ケーキの甘さにやられて、考えも甘くなり、
バクバクと食べ進めてしまいました。
最後の一口を前に、はっと我に帰ります。
妻と食べるペースを合わせるべきだった、と。
現在、妊娠6ヶ月の妻は、
お腹も前にぽっこりと出て、歩いたり、
立ち座りに少し時間がかかります。
そんな状況を察して、ペースを合わせるのも、
夫としての気遣いだと感じていたのに、
ケーキを食べるペースも合わせられないだなんて。
反省です。
申し訳なさを胸に、妻の皿に目をやると、
すでにケーキはありませんでした。
「あ、ごめん、もう無いよ」
「いつも思うけど、デザート系は、
食べるの遅いよね」
ふふ、妻よ。
それでいいのだ。
僕の気遣いなど
無かったことになるぐらい、
自分のペースを貫いて欲しい。
それで君の健康とお子の成長が守れるなら、
それに越したことはない。
力強い言葉を、どうもありがとう。
妻がケーキを食べ切る前に、
僕はエッセイ用の写真を撮影するべく、
カメラを構えていました。
すると妻が、
「そう言えばさ、今日ね、電車の中に
イケメンがいたの。」
と、一言。
カメラを向けた僕の手が、ピタッと止まります。
「あ、イケメンって言っても、席を譲ってくれた
行為に対してね。」
さすがの妻。
フォローの入れ方が絶妙である。
「さっと立ち上がって、どうぞ、って。
私が降りる時までずっと立っててくれて。」
「おかげで楽に出社できたよ。」
拝啓 妻に席を譲ってくれたイケメン様。
あなたに席を譲っていただいたおかげで、
妻もお腹の赤ちゃんも、
安心して移動することができました。
夫として感謝申し上げます。
ありがとうございました。
そして、僕が電車内で立っている妊婦さんを
見かけた時には、席を譲り、
この感謝の気持ちを別の方に
繋いでいきたいと思います。
「それは良かったね。僕も妊婦さんを見かけたら、
声をかけるようにするよ」
「え、気づけるかな?洗濯物取り込むのも、
シャツ1枚だけ忘れる人なのに。できるかな?」
まずは、妻の信頼を勝ち取ろう!
そう、心に誓った夜でした。