【 悠々、閑々。】旅で見つめた「好き」を集めて。
明け方、まだ6時過ぎだというのに
いつもよりほんのりと窓の外が明るい。
立春がもう間近にもかかわらず、
突如やってきた大寒波は
あたり一面を真っ白に染めました。
こんなに積もった雪を見たのは
いつぶりだろうと、早朝の寒さも忘れて
思わず外へと逸る気持ち。
寒空に、朝焼けがぼんやりと広がっていく。
鴨川の北のほうまで積もる雪を見て、
ふと思い出したのは数年前のこと。
ちょうどこの季節に訪れた、
イタリアのローマで見た
真っ白な雪景色です。
ずっと勤めていた会社を辞めて
せっかくだからと思い立ったひとり旅は、
イタリアとスペインに1ヶ月。
滞在期間や手段などを色々と悩んだあげく、
特にスケジュールも宿も決めずに
とりあえず行ってしまおう、と飛び立って。
(ひとり旅なので、自分の写真は足元くらいです。笑 )
もともと旅行好きなわたしですが、
海外に1人で行くのは初めてのこと。
友達と旅するときとは、
また違った風景がそこにはありました。
いまでも息遣いを感じるような歴史ある建物や
異国の雑貨、活気あふれるバルに陽気なおじさま、
道端で出会うかわいい猫たち。
たまたま出会った人たちと、
生まれ育った国の話や人生の話を
たくさんしたりして。
ハプニングもつきものだったから、
気づいたのは、案外自分が臆病な人間で
それ以上にタフな人間でもあるということ。
(話すと長くなるので、またどこかで...)
赴くままに自分の足で歩きながら
これまでにないくらい自分と向き合った時間。
その時間は、いまのわたしの暮らしに
しっかりと繋がっています。
写真を撮ったり言葉を綴ったりすること、
それから、嫌になって辞めたはずの
インテリアのお仕事がやっぱり好きだいうこと。
未知の経験をして、あらためて見つめた
「好き」という気持ち。
わたしの部屋は、そんな心地のよいものが集まっている。
旅は発見の連続だけれど、いちばんの発見は
外ではなく自分のなかにあるのかもしれません。
「三寒四温」というように
大寒波が過ぎたベランダには、すこしだけ
あたたかな日が差し込むようになりました。
しばらく行けていなかったけれど、
今年はたくさん旅に出よう。
自分のなかの「好き」と出会う旅に。