【濱田日記】ネガティブな自分に勝つ
時代やその場の雰囲気を纏うレコードとか
カセットテープみたいな、
アナログな音楽に心が惹かれる。
今よりも昔はいい時代だよな〜って
わかったような気で偉そうに呟くと、
「お前らとは深みがちゃうねん」
と父が言った。
少し鼻につく言い回しだけど、
妙に納得ができたし、
自分の内面にあるネガティブセンサー
みたいなものに反応する言葉ではあった。
「深み」ってなんだろう。
確かに、自分達のセンスやスキルを
生業にしている人たちは、どこか自分とは
違っていて、うまく表現できないけれど
「深み」という言葉にすごく似た感覚がある。
表面的に取り繕うことはできたとしても、
見抜かれてしまうもの。
これが自信を持てない要因なのかも...
とネガティブがいつも通り姿を表す。
父の様子をしばらく観察していると、
レコード、カセットテープ、CD、ハイレゾ。
同じ曲を全部聴き比べて、にやにやしてた。
そんな楽しみ方ってあるんだと感心しながら
「昔はどんな風に情報を集めてたの〜?」
と聞いてみた。
友達が集まるジャズバーに入り浸ったり。
「あそこの店員めちゃくちゃ詳しいらしいぞ」
と、噂話を嗅ぎつけてはひっきりなしに
足を運んでみたり。
とにかく時間とお金と体を使ったらしい。
ネットをうまく使いこなす人たちにとって、
「百聞は一見にしかず」って言う言葉は
死語かもなーなんて感じていたけれど、
父のそんな行動を見て、聞いて、
興味のあることに没入し体験して感じる
ってことがいかに大事なのか。
ものすごく当たり前でシンプルなことだけど、
それを忘れてしまっていたような気がした。
今はいろんな情報が飛び交っていて、
体やお金を使わずとも、体験が溢れている。
凄く便利になっている反面、
ついついわかった気で語ってしまう。
興味のあることを深みへと昇華させるためには、
夢中になることにもっと集中しなくちゃ
いけないんだよね。
何かにBETする覚悟みたいなものが、
自分には足りなかった。
今カメラをやったり、グッズ制作をしてみたり、
少しでも可能性のあることに
トライしている段階だけど、
どんな方向を向いていいかわからなくなる時がある。
でも本当に好きなものって、インテリアや家具
なんだよなーと、胸がすこし痛くなった。
そんな思いに耽りながら、
なんでも簡単にわかる現代に比べ、
情報を半強制的に必死で集めなきゃいけない
不便な時代が、ものすごく魅力的に映った。
「改めて昔っていい時代だねっ」て言うと、
「今もいい時代やぞ、自分次第やろって。」
... ...
「 ふっか〜!」
とこんな調子で、父とのやりとりをお届け。
ネガティブな僕は、
現状の自分ではインテリアで勝負できない。
と自信を持てずにいましたが、
ここで後ろ向きだった自分に喝!
を入れて再出発したいと思います。
何事も自分次第なんだから。