【 晴れのち、キッチン 】
ゆっくり育てていく暮らしの道具と
先日、ずっとほしいと思っていた
鉄フライパンを買いました。
調理器具にこだわりたくなってきたあたり
大人になったなぁと思う。
私はなにかほしいものがあるとき、
「ほんとにいるかな?」と何度も自分に
問いかけてから、えいっと買う慎重派。
だからこそ、買おうと決心したときに
売り切れてしまっていることもしばしば。
買ったあとには
「こんなにいいなら、もっと早く
買っておけばよかったな〜」なんて
ある意味後悔することも、よくあります。
だけど、とある日のお昼休憩。
いつものように、職場のスタッフたちと
インテリア談義に花を咲かせていたとき、
こんな言葉が耳に残りました。
「ほしいものは、早く買ったほうが幸せになる。」
その説を熱く語ってくれた後輩によれば
「値段を時間で割ると、早く買ったほうがお得。
それに、その分たのしめる時間が長くなるから
早く買った方が幸せです!」
とのこと。
節約しなきゃと言いつつも
大好きな名作家具を買っては、
ほこほこ幸せそうにしている彼を見ていると
その説も腑に落ちるし
ステキな考えだなと思います。
なんでもかんでも、ではなくて
この歳になると「永く使うだろうな」
「いつになっても欲しいんだろうな」が
ぼんやり分かるような気もするから。
それはたしかに、早いほうがいいよね。
ということで。
いつかいつかと、何度もカートに
入れては消してを繰り返していた
鉄フライパンの購入ボタンを押したのでした。
ずっと憧れていた鉄フライパン。
お手入れが大変というのは、有名な話です。
使いこなせる自信があまりなかったので
まずは小さめから挑戦しようと
卵焼き用のサイズを選びました。
届いて、まず初めにしたのは「油ならし」。
油ならしとは、一度火にかけて温めた
鉄フライパンに、薄く油をひいて
馴染ませるという工程。
これをすることで、食材が
こびりつかなくなるらしい。
ちなみに、数年前この工程を知らなかった私は
買ったばかりのスキレットを
ダメにしてしまった経験ありです。
「今度こそ、大事に使うんだ!」と
説明書の手順を追いながら、油ならしをする。
さて、早速つかってみます。
記念すべき第1回目の料理は、
シンプルに「目玉焼き」。
毎朝たべているので、味の違いがわかるかも
と思ったからです。
火をかけると鉄板がすぐに温まって
卵を落とすと「ジュワッッ!!」と
勢いのある音が響きます。
もうこの時点で、今まで使っていた
テフロン加工のフライパンとは全然ちがう...!
想像以上に火の通りがよくて
ちょっとびっくり。
あわてて火をゆるめて、
鮮やかに変わっていく卵を見つめます。
なんだか外側がいつもより
カリカリになって、おいしそう~。
となりで焼いたウインナーと、レーズンパン。
それから、冷蔵庫のサラダと作り置きをあつめて
ワンプレートごはんの完成です。
わくわくしながら目玉焼きを一口かじると...
めちゃくちゃおいしい!
半信半疑だったけど、
フライパンがちがうだけで
こんなに味って変わるんですね。
ああ、やっぱり
もっと早く買えばよかったな。
これから毎朝、こんなにおいしい
目玉焼きを食べられるんだと思うと
このフライパンを迎えてよかったです。
ちなみに、鉄フライパンは
使うたび油をひくお手入れが必要とのこと。
急いでいる朝なんかは
面倒に思ってしまいそうだけど、
きっとその手間が「味わい」になって
「愛着」になるのだと思います。
いい感じに育つまでは
時間もそれなりにかかりそう。
いつかいつかと迷わず、思い切って
買ったのは正解だったみたいだな〜。
そんなことを考えていたら
あの言葉が頭に浮かびました。
「ほしいものは、早く買ったほうが幸せになる。」
なるほど、たしかに。
優柔不断な私だけど、これを機に
ついにお買い物上手になれるかも...。
時間に余裕があるときは、なるべく
このフライパンで料理をすること。
永く使いつづけたいものは早めに買うこと。
そうやって、これからは
暮らしに寄り添う道具たちも
大切に大切に育てていこう。