【ひとり、静かに。】金曜日の夜。束の間の甘いひととき
金曜日の夜、と聞いて
みなさんは何を思い浮かべますか?
週末に向けてそわそわと、
なんだか心躍るような
浮足立つような気持ちになる方が
多いのではないでしょうか。
日暮れが早くなりました。
かく言う私も、その一人。
あれもしたい、これもしたいと、
週末の予定を思い浮かべては、
はやる気持ちを抑えられません。
先日の週末は、鴨川でケーキを頬張りました。
というのも、私は前職で
ウェディングプランナーとして勤めていたので、
これまで、週末は基本的に仕事。
いわゆる「金晩」という
概念がありませんでした。
だからか余計に、
束の間の、この甘いひとときが、
しみじみとありがたいのです。
(サービス業をはじめとした、
週末にお仕事されている
皆様への敬意も忘れません...!)
そんな私の、近頃のお気に入りは、
大好きなお店で食事と読書を楽しんだ後、
近所の銭湯に浸かる、というフルコース。
デザートのシュークリーム。
自分へのご褒美は、多ければ多いほど良いのです。
食事をしたのは、おひとり様専用のお店。
全てのテーブルが壁に向かって配置されている、
BGMのない、静かな空間です。
トントントンとリズムよく野菜を刻む音や、
カトラリーとプレートの
ぶつかる音だけが響く1室で、
壁に向かって黙々と、食べる、食べる、食べる。
初めて訪れた時は、
まるで自習室のような雰囲気に
ドキドキしたのですが...。
不思議と、心地よい時間が流れているなと思うのは、
金曜日の夜に、ひとりで美味しい食事をする、
と決めた同士たちの気配を
背中に感じるからでしょうか。
足を伸ばして、熱い湯に浸かりながら
ぼんやりと考える。
ここでは、全員が裸になる。
各々が好きなように過ごして、
他人のことは、きっとあんまり、関係ない。
食事をした、あの店だってそう。
嘘のない、正直な姿で、
1人1人が、ただただ食事に向き合う。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
なんだかそのことが、たまらなく嬉しいのです。
さて、帰ったら読みかけの本を読もうか。
珈琲を淹れて、映画を見ながら
夜更かしも捨てがたい。
金曜日の夜。
つかの間の甘いひと時を、もう少し延長して。
秋の夜長はこれからです。