【ひとり、静かに。】空っぽのこころで、見つめる。
慌ただしく引っ越しを終えてから、
あっという間に1か月。
お休みの日には、
長く会えていなかった友人と食事をしたり、
気になっていた展覧会へ足を運んだり。
道中、これがよく聞く山手線か~と
そわそわしたりして、
まだまだ、旅人気分です。
1時間並んで食べた、餃子
そんな、ある晴れた日、
ふと、自宅から職場までの道のりを
自転車で行けないだろうかと
思い立ちました。
というのも、京都に住んでいたころは、
よく自転車で出かけていたのです。
相棒(自転車)と、京都のとある喫茶店
風を感じながら、鴨川沿いを
ひたすら走る時間が好きでした。
Googleマップで検索し、
片道35分の表示に一瞬慄いたものの、
とりあえず、行ってみるか。と
自転車を走らせました。
しばらく漕ぐと、川沿いの土手に到着。
視界が開けて、気持ち良い。
整備された道の傍には、
いろんな野花が咲いていて、
あたりを紋白蝶がひらひらと舞っています。
ふと目の前に影が落ち、見上げると、
翼を広げた一羽の鳥が
空をするりと泳いでいました。
その姿を追いかけるように、また走り出す。
凝り固まっていた
あたまとこころがほどけて、
思考が巡る感覚。
できるだけ遠くを見つめて。
息を大きく吸って、吐いて。
ありきたりだけれど、
空の広さを思い出したりして。
慣れない土地で暮らす中、
自分でも気づかないうちに
コップが満たんになっていたのかも。
一度、空っぽになると、
今まで見えなかったものにも
少しずつ、気付けるようになりました。
こんな場所で、咲いてたんだな。
目を離したすきに、
忘れ去られてしまうような景色や感情。
どこにいたって、見落とさないように。
あたまも、こころも、からだも、
できるだけ、空っぽに。