【くちぶえエッセイ】
娘を隔離した5日間
「お熱があるので、お迎えお願いできますか?」
嫌な予感...。
そのまま病院へ駆けつけて、
検査の結果は、コロナ陽性...。
ついに我が家にも来てしまった。
この日から5日間、
娘の隔離生活が始まりました。
このドアの向こうでひとり、
我が子が苦しんでるのかと思うと、
胸が張り裂ける思いでした。
そばにいてあげられない、もどかしさ。
今すぐ抱きしめてあげたいけど、
私まで倒れてしまってはいけない。
苦しい気持ちを振り切って、
ひとまずマスクをつけ、各所の消毒、換気。
そして...さあ、どうしましょうか。
「コンコン。」
ドアをノックして、
食事はドアの前に置くスタイルに。
小さな体で、小さなお盆を持って
部屋に入っていくうしろ姿は、
なんだか現実ではない、
嘘のような光景に感じました。
見えない所で一人で食事なんて
今までしたことがなかったけど、
大丈夫かしら...。
お風呂ももちろん、一人。
最近は一人でも入れるように
なって来たけれど、
ちゃんと洗えてるのかどうか。
しかも、しんどい体だとなおさら...。
次の日、部屋からなにやら物音が。
少し元気になったのか、
一人でおもちゃで遊んでいるみたい。
体温も自分で計れるようになり、
もう37℃近くまで下がったとのこと。
その時作ったのが、この粘土。
オムライスにブロッコリー、
トマト、笑顔のハンバーグ?
相変わらず食べ物ばかり。
だいぶ調子が出てきているようで
よかった〜。
3日目にはすっかり熱も下がり、
もう治った??くらいのテンション。
ノックして食事を置いておくのは変わりませんが、
この日からは廊下で食べるスタイルに。
ここなら距離もとれるので、
問題なさそうです。
そして何より、
「コンコン。ごはん置いとくよー。」
のサービスをとても気に入って、
部屋で楽しみに待っていたようで。
ロッキングチェアに座ってゆらゆらと、
誰よりも優雅なお食事タイム。
ある日には外で朝食。
なんか、いいな〜。
ちょっとうらやましい...。
庭があって良かったと、
このとき改めて思いました。
朝は小窓から登校班のみんなに
手を振ってお見送り。
みんなも心配してくれて、
声をかけてくれます。
世間的にはもう外に出ても
良いころなんでしょうけど、
5日間ちゃんと隔離生活を送ります。
そろそろ学校にも行きたいし、
みんなとも会いたいよね...。
でも、もう少しの我慢!
運動不足には、トランポリン。
リサイクルショップで
500円で手に入れたものが
こんなに役立つとは!
キャッキャ楽しんでる姿を
遠くで見守ります。
娘が部屋にいないときに
こっそり覗いてみると...。
予想どおり、ひどい状態!
私:部屋見たで〜。
娘:ちらかってたやろ〜?
かわいかった?
かわいいっちゃ、かわいい...?
1人の時間を存分に満喫していたのが
よ〜く分かりました。
もちろん、このあとお片付けを
しっかりとしてもらいましたよ。
ようやく、隔離生活が終わりました。
なんだか久々の娘との触れ合い。
しっとり、というか、
ベタベタ? とした手のひら。
たった5日間だったのに、
とても懐かしい感触。
こんな小さな手で
精一杯がんばってたんだね。
療養中はずっとお利口にしていて、
自分で出来ることもたくさん増えました。
大変だったけれど、
自立や成長といった意味では、
よい期間になった気がします。
「も〜、重たい〜。」
今日から久しぶりの登校。
相変わらず、あーだこーだと
元気に文句を言っています。
それだけ言えたら、もう大丈夫。
いつもの日常の始まり。
さあ、私も休んでいた
お仕事がスタートです。
お互いがんばろうね。