喫茶チロル/御池通大宮西入ル
こんにちは。
Re:CENO京都店のスズキです。
このお決まりのご挨拶も、
あと何回言えるのでしょうか。
というのも、Re:CENO京都店にOPEN当初から
居た私ですが、この夏の東京店OPENに伴って、
スズキも東京にお引越しする事になりました。
残り少ない京都生活。
せっかくなので、いままで気になっていたけど、
なかなか行けていなかった京都スポットに、
お休みの日に出かける事にしました。
今日は、ずっと気になっていたレトロな喫茶店。
『喫茶チロル』をご紹介したいと思います。
映画『曲がれ!スプーン』のモデルになった喫茶店
私は、昔からオシャレでモダンなカフェよりも、
どこか懐かしさを感じるような雰囲気の喫茶店が
好きでした。
京都には、たくさんアンティークでレトロな
ステキな喫茶店があるのですが、『喫茶チロル』
に関しては、少し街中からは外れた場所にあり、
立ち寄る機会がありませんでした。
私が、このチロルを知るきっかけになったのが、
長澤まさみさん主演の2009年に公開された映画
『曲がれ!スプーン』です。
『曲がれ!スプーン』のあらすじ
テレビ番組、超常現象バラエティ「あすなろサイキック」のADをするヨネ(長澤まさみ)は、
視聴者からの情報を元に超常現象や、エスパーを探す番組担当を任されることに。
しかし、どこに行ってもインチキな超能力者ばかり。そこで最後の取材先として訪れたのが、
【カフェde念力】という喫茶店。
そこには、本物のエスパー達が、ここぞとばかりに力を披露しあうクリスマスパーティーが
開かれていた。エスパー達にとっては、平穏な毎日を乱すマスコミは大の苦手。
それに加えて、偽物のエスパーも紛れ込み、その場は大混乱。
無事、ヨネにバレずに、エスパー達の平穏な日々は守られるのか?!
この映画の原作は、京都の劇団「ヨーロッパ企画」
の『冬のユリゲラー』という舞台が原作の映画です。
このお話の【カフェde念力】のモデルとなったのが、
今回ご紹介する『喫茶チロル』なのです。
喫茶チロルは、この舞台のポスター写真にもなっています。
不思議な昭和の魔法にかかって、常連さん気分。
国宝・二条城に程近い場所にある、喫茶チロル。
一見どこにでもあるような昭和の喫茶店なのですが、
なーんだか面白い雰囲気がただよっているんです。
自転車をこいでいると、看板が見えてきました。
とってもわかりやすい『COFFEE』の看板。
そして、青と赤のオーニングテント。
瓦屋根で、和風な雰囲気もあって、なんだかかわいい。
お店に入ろうとすると、見逃せない昭和の魔法発見。
上から、3つ目のメニュー。
どういう発音で読むんでしょうか。
スパゲ・・・テ・・イ・・・
読めない!
こんなにどう発音していいのかわからない
日本語は初めてです。
お店に入る前に心を鷲掴みにされちゃいました。笑
お店に入ると、昔ながらのアンティークな小さめの
テーブルとチェアが並んでいます。
お客さんも、昔からの常連という感じで、
サラリーマンや、タクシーの運転手。
タバコをプカプカ吹かしたおじいちゃんがいます。
店員さんは、お揃いの茶色のエプロンをした
女性が3人。
窓際の席に座って、メニューを開きます。
おすすめは、淡路産の玉ねぎをたっぷり使った
カレーとの事。
うん、これにしよう!
ゆで卵乗せカレー。
レトロな雰囲気に合わせて、
レスカ(通称レモンスカッシュ)
も一緒に頼みました。
けっこうボリュームがあります。
福神漬けもたっぷりです。
カシャカシャッと、撮影のため不審な動きで
カメラを構えていると、隣に座っていた
タバコをプカプカのおじいちゃんが一言。
「食べる前に大変やな~」
そして、食べ始めるとお店の方が、
「辛すぎない?大丈夫?」
と声をかけてくれます。
常連さん達に囲まれて、なんだか昭和のあったかい
ゆったりした雰囲気を感じて、自分まで前々から
通っていた、そんな気持ちにさせてくれます。
カレーは、確かにちょっと辛めだけど、
食べやすくって、おいしい。
そして、レモンスカッシュは生絞りでちょっと
すっぱいけれど、それが喉にここちよい。
おなかもいっぱいで幸せ^^
ふぅ~っと、一息ついていると、おじいちゃんとは
反対の席のお隣さんの方から、不思議な会話が
聞こえてきました。
「白飯って、ほんまにふところ深いと思うんすよ...」
確かに。笑
盗み聞きするつもりはなかったけれど、真剣な
眼差しで男2人で白飯について語っていたので、
ついつい聞いてしまいます。
でも、なんだかおかしいな。
この人達、見たことあるかも...。
あっ!ヨーロッパ企画の人だ!
しかも『曲がれ!スプーン』のお話を作った人です。
調べてみると、どうやら「俺の白飯を超えて行け!!」
という舞台が近々あるようで、その打ち合わせを
していたようです。
ほんとに、よく来てるからここが舞台になったんだな。
と、嬉しい偶然に内心ドキドキしながら、ゆっくり
お店の雰囲気を味わってから、お店を出ました。
心の隙間をふんわり補ってくれる『喫茶チロル』
この所、なんだか忙しくって心がいつも
ソワソワしていました。
そんな時に行った『喫茶チロル』
お店に入ると、どこからともなく、
ふんわりと漂ってくる昭和のあたたかい雰囲気が
ありました。
それは、お店や内装がレトロだから...。
という事だけでなく、メニューやお店の常連さんや、
お店のスタッフさん、関わる全てがそうさせている
んだな、と感じました。
このお店の席に、ポツリと一人で座っていると、
不思議と家族や、小学校の時の友達の事を思い出し
ました。
東京に行く事に、楽しみを感じながらも、
少しセンチメンタルになっているのかもしれません。
だけど、お店を出ていく時には、
なんだかホクホクした気持ちだったな。
ふんわりと、自然に心の隙間を埋めてくれた
そんな気がします。
京都に来られた際には、レトロな喫茶店。
『喫茶チロル』に、ぜひ寄ってみてくださいね。
お店の基本情報
店名 | 喫茶チロル |
---|---|
住所 | 〒604-8306 京都市中京区御池通大宮西入ル門前町539-3 |
電話番号 | 075-821-3031 |
営業時間 | 6:00 ~ 19:00 |
URL | http://tyrol.favy.jp/ |